Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    newredwine

    忘羨と曦澄の戯言です

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    newredwine

    ☆quiet follow

    ひとりアンソロ参加者の方で別途お気遣いいただいた方への御礼になります。

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💜💛😭👏🍷💖😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    newredwine

    REHABILI
    味覚を失った江澄が藍曦臣とリハビリする話(予定)②辿り着いた先は程々に栄えている様子の店構えで、藍曦臣の後について足を踏み入れた江澄は宿の主人に二階部分の人払いと口止めを命じた。階下は地元の者や商いで訪れた者が多いようで賑わっている。彼らの盛り上がりに水を刺さぬよう、せいぜい飲ませて正当な対価を得ろ、と口端を上げれば、宿の主人もからりと笑って心得たと頷いた。二家の師弟達にもそれぞれの部屋を用意し、酒や肴を並べ、一番奥の角の部屋を藍曦臣と江澄の為に素早く整え、深く一礼する。
    「御用がありましたらお声掛けください、それまでは控えさせていただきます」
    それだけ口にして戸を閉めた主人に、藍曦臣が微笑んだ。
    「物分かりの良い主人だね」
    江澄の吐いた血で汚れた衣を脱ぎ、常よりは軽装を纏っている藍曦臣が見慣れなくて、江澄は視線を逸らせた。卓に並んだ酒と肴は江澄にとって見慣れたものが多かったが、もとより藍氏の滞在を知らされていたからか、そのうちのいくつかは青菜を塩で炒めただけのものやあっさりと煮ただけの野菜が並べられていた。茶の瓶は素朴ではあるが手入れがされていて、配慮も行き届いている。確かに良い店だなと鼻を鳴らしながら江澄が卓の前に座ろうとすると、何故か藍曦臣にそれを制された。
    2924

    recommended works

    takami180

    PROGRESS続長編曦澄1
    あなたの名を呼びたい
     山門の手前に白い校服を見つけて、江澄は眉をひそめた。それまでよりも大股でずんずんと進み、笑顔で拱手する藍曦臣の前に立つ。
    「何故、ここにあなたがいる!」
    「あなたに会えるのが楽しみで」
    「俺はあなたの見舞いに来たんだ。その本人が出迎えちゃだめだろう!」
     猾猿の封じ込めに成功して十日、江澄ははるばる蓮花塢から雲深不知処に出向いていた。
     幸い雲夢は遠く、猾猿の災禍は及んでいない。一方、姑蘇の地は大荒れで、例年並みに戻った気候が、さらに作物の育成に悪影響を与えている。
     江澄は江宗主として、藍宗主に見舞いを出した。小麦や稗も大量に送ってある。
     その礼状とともに、藍曦臣から江澄宛の文が届いた。怪我の様子をうかがい、健康を祈る文面には一言も会いたいとは書いていなかった。同様に、藍曦臣自身の怪我についても触れていない。
     江澄は即座に返事をしたためた。
     三日後に見舞いに行く、と。
    「もう痛みはありません。ご心配をおかけしました」
     寒室に通されると、藍曦臣はてきぱきと茶を用意した。「いらないから大人しくしていろ」という江澄の苛立ちには、笑顔で「まあまあ」と返されただけだ。
    「それよりも、 1880

    CH1KUWA_bu

    CAN’T MAKE江澄が生理痛に苦しむ話。
    曦澄前提ですが、兄上殆ど出てきません!!笑
    ずっと双傑が話しています!!男性妊娠、男性生理ネタが苦手な方はUターンで!!!
    全然書き終わらないのでどなたか尻をたたいてください!!!
    男性生理ネタ江澄痛い。
    腹の内側から見えない手で内臓をぐちゃぐちゃに握りつぶされているようだ。江澄は寝台の上で胎児のようにうずくまり、ずくりずくりと波のある痛みと悪寒に脂汗を浮かべて耐える事しか出来なかった。とめどない寒気に身体を暖めようにも寝台の上から動けない。
    ふぅ、ふぅ、と不規則な呼吸が食いしばった歯の隙間から漏れ、貧血でもはや灰色にすら見える血色のない顔の眉間の皺を更に深くした。
    (痛い、痛い痛い痛い!はやく、早く終わってくれ………………っ)




    ―きっかけは些細なものであった。

    時は遡ること半年前になる。

    江澄は、長い長い閉閑を終えた藍曦臣と紆余曲折を経て恋仲になりしばらく経つ。互いに時間が許せば姑蘇へ行ったり雲夢へ来たりして少ないながらも二人で過ごす時間を設けていた。藍曦臣は江澄を愛していたし江澄も今までの人生で持ったことの無いくすぐったいような感情が常に胸中で渦巻いていた。
    8366

    はるもん🌸

    MOURNING弟子達をつれて読狩りの指導に出ていた魏無羨。やっと姑蘇へ戻ってきた彼を藍忘機は見つめていた。
    すぐにでも話したかったが、魏無羨は何やら弟子達に何かを指導しているようだった。
    魏無羨を見ていると、喜怒哀楽がふつふつ湧き出てくる。これまで自分が嘘のように溶けていくのを感じた。
    しばらく眺めていると、藍忘機にの視線に気づいたのか急いで彼は来てくれた。
    喜怒哀楽はない方が生きやすい楽しい事があればその分落ち込んだ時の落差が激しい。
    常に心を静かに保つには、無駄な事は考えず、むやみに物事を口にしない事が原則。

    これが、含光君が生きてきた中で学んだ教訓である。

    回廊で藍忘機は足を止めた。
    遠目から、一点を見つめる。夜狩から帰ったばかりなのか、多少汚れた衣服の弟子達と魏無羨がいた。先頭にいた魏無羨は後ろを振り向き、子ども達に先に着替えて身を綺麗にしてから指定した部屋に来るようにと指示をする。

    皆が去ったのを確認した彼はくるりと身を翻し、藍忘機の所へ向かって走り、飛んだ。スタッ、と華麗にちょうど藍忘機の目の前に着地した彼は、ツイと人差し指で含光君のあごをなぞる。

    「そんなに熱い視線を投げられると、いたずらしたくなるな」
    1193