Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    tmt56tmt

    @tmt56tmt

    毎日音トキ書いてる。
    だいたいここ↓に投げてます。

    https://privatter.me/user/tmt56tmt140

    https://pictbland.net/tmt56tmt

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💕 💜 🐏 🐇
    POIPOI 129

    tmt56tmt

    ☆quiet follow

    (音トキ)うさみみのせさんがおとやくんにいたずらされるだけのはなし

    (音トキ)うさみみのせさんとおとやくん「なん……ですか、これは……?」
    何度目をこすって鏡を見直しても変わらない。自分の頭の上に、見慣れない耳がある。そう、うさぎの耳のような……。
    恐る恐る触れてみると手触りよく、そして恐ろしいことに感覚があった。
    こんな不可思議な出来事が起こるなど想定したことがあるわけもなく、途方に暮れるしかない。が。
    (いや、まずこんな姿を絶対に見られたくない人間が一人……)
    「トキヤいる!? お菓子買ってきたんだけど一緒に食べよー!」
    今まさに思い浮かべた人間が脳天気なセリフと共に現れてしまった。
    隠す間もなく向かい合ってしまい、視点はもちろん、頭上一点に。
    「えっ? どうしたのそれ」
    「こ、これは……」
    「かわいいじゃん。雑誌の撮影で仮装でもするの?」
    あっという間に距離を詰められて、無遠慮にのばされた手が触れる。
    「ひっ!?」
    「ん?」
    いきなり触られるとぞわりとした感覚が背中を駆け抜けた。向こうも予想外の反応だったらしく、不思議そうに瞬きしている。
    「トキヤ、それ」
    「なんでもないです! なんでもないので、気にしないでください」
    「いや、なんでもないわけないでしょ。それホンモノ? どういう仕組み?」
    「こっち来ないでください!」
    「だって気になるよ! 見して!」
    じりじり詰め寄られては逃げるしかない。すると何故か相手も追ってくる。すっかり忘れていたが、音也は来るなと言えば言うほど追いかけてくるタイプだった。そんなこと今の動揺してる状況で思い出せるはずもなく、ひたすら部屋中で鬼ごっこをする羽目になってしまった。
    そしてそうなると、最終的に有利になるのは体力と持久力と根性がバカみたいにある方になる。
    「絶対つかまえる!」
    「ちょっ、おと」
    名前を呼ぼうとした声は、身体ごと突進された衝撃で消されてしまった。
    幸いというか背中はソファの上だったので衝撃は少なかったものの、のしかかられて苦しい。
    「ほんとにこれ、飾りじゃない? 動いてるけど……」
    「ばか! は、離れなさい!!」
    出来うる限りの抵抗で暴れて見るが、きいている素振りはない。それどころか。
    「んッ、や、触らないで」
    ゾクゾクするのは慣れない感覚のせいか、音也の指が異様に優しく触れるからか。
    「トキヤって耳弱いよね。こっちの耳も弱いの?」
    「何を、バカなことを……っ」
    「え、気付いてない? 耳元で話しながら触られるの好きだよね。こんな風に」
    片方の耳に直接吹き込まれる「好きだよ」と、もう片方の耳のナカを擦られる感覚と。目の前がちかちかする。たまらず抱きついてしまったことを後悔するのは楽しげな笑い声がきこえてから。
    「ごめんてば。睨まないでよ。もうちょっと優しくするから」
    「そういうことじゃな、んんッ! ……ふ、ぁ……」
    「あ。しっぽもある」

    (おしまい)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🐰🐰🐰👌👌👍❤💜🐰💘❤💜
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    moonlight_32111

    DONE■レオマレ■診断
    ベッタ再録
    ■片思いレオマレにしてみた。
    ↓診断結果
    もなかのれおまれさんには「終わりが見えない」で始まって、「君の名前を呼んだ」で終わる物語を書いて欲しいです。季節を感じる話だと嬉しいです。
    #書き出しと終わり #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/828102
    終わりが見えない。
    嫌われているのに、これ以上相手に嫌われるのは・・・・。
    いつからこの思いが自分の胸を甘い痛みとなって身体を蝕んでいるのかもう忘れた。
    自覚なんてしたくなかった。こんなに苦しいなら。
    諦めようと何度もひと目がつかない場所で、静かに涙を流してしまうというのに。
    「それも青春のひとつじゃ」
    リリアに相談したが、楽しそうに微笑まれて何も解決もしなかった。

    月夜が学園に振り注ぐ。
    マレウスは日課である廃墟巡りに向かうため、寮をこっそりと抜け出した。
    静寂に包まれた目的の廃墟までの道のりで、今日も一人物思いに耽る。
    今日こそは、歪み合わずに話をしようと決めていたのに駄目だった。
    どうやったら、普通に話すことが出来るのか。ほんの少しでいいから歪み合わずに話すことはできないか。
    そんな考えが頭を駆け巡り、答えがなかなか出てこない。簡単に相談出来る内容でもない。
    ひとりで考えても答えが出ないとわかっている。気軽に相談出来る友がいないのであれば、相談することも難しいだろう。
    悩んでいるマレウスを嘲笑うかのように、月の光は闇夜を照らす。
    溜息を一つ零すと、目的の廃墟まで向かっていた足が 1215