ビリぐだ現パロふんわり設定現パロふんわり設定
○ビリー
本名はウィリアム・マッカーティ。後述の都合で1年浪人しているので、作中では政治経済学科の大学2年の21歳。
両親ともにヴィンテージ家具の貿易商で主に日本を拠点として働いていたが、母親は訪日中に病を得てそのまま客死してしまう。父親は母との記憶が色濃く残る米国の家を売却してしまうが、日本に帰化することもなく、仕事で家を空けがちになる。ビリーはそれなりに裕福だがどうにも馴染めない日本で生きていくことになる。
思春期も真っ盛りになるとやさぐれ、金と気力と時間を持て余し、学校もサボって遊び歩くようになる。父親はビリーの素行の悪さにあまり気づいておらず、また息子への負目から目を逸らしてもいた。そうして高校3年のときに母方の祖父(ビリーの母を異国で死なせたとして父を恨んでいた)の死去をきっかけに、十数年ぶりに故郷ということになっている米国へ一時帰国する。
そこで初めて見た荒野に魅入られてしまう。自分はここに来たかった、来るべきであった、生きていきたい、そんな確信を得た。
そしてその辺に捨てられていたバイクで荒野を適当に走って自損事故を起こして病院に担ぎ込まれて流石に遠慮してる場合じゃないと思った父親にバチクソ叱られ、ビリーの長い長い反抗期は終わった。ついでに入院したら出席日数が足りなくて高校留年した。
あのまま荒野を走り抜けていたら小悪党として生きて、野垂れ死ぬことができたのかも、何故かちょっと心が惹かれるなと思いつつ、心を入れ替えて1年追加で勉強したらそこそこ良い大学に合格した。父親は泣いて喜んでいた。その頃には親との確執はすっかり解けており、まァこんな感じで生きていくのも悪くないかなと少し笑った。
そして大学で、朝焼けの瞳を持つ女の子と出会う。あの荒野で砕けた奥歯と一緒に捨て置いてきたはずの、栄光と破滅への渇望が稲妻のように胸を打った。
アホほどモテる。引くほどモテる。でも最近浮名を流した相手から振られまくっている。
もしかして:無自覚にぐだに入れ込んでいるのがバレた。
ビリーは母が病室で「帰りたい」と泣くのを扉越しに聞いた。当然彼は母が帰りたい場所は自分のいる、日本のマンションだと思うが、母は故郷の家に帰りたいと泣いていた。語られる情景はひとつもビリーの記憶には存在しなくて、自らの家への思いを段々と希釈した。それ以降、ビリーは自らの望郷の念を持て余している。どこかへ帰りたいくせに、どこに行けば良いのか分からないから。
※いつかの少年悪漢王、ビリー・ザ・キッドに近しい生き方をするほどその姿に引きずられ、21歳で死ぬことになる、という難儀な運命。
○ぐだ
本名はご存知、藤丸立香。比較文化学科の大学2年の20歳。
父親は3代続く学生街の食堂の店主。昔から腹を空かせた学生、限界の大学教授を親しみやすい日本の家庭料理とバイトの留学生が作るちょっと珍しい料理でもてなしてきた。藤丸も小さい頃から家業を手伝っており、学生たちの侃侃諤諤とした学術的な話を聞き齧っていたことで妙な見識の広さを得た。家が好きなあまり大学へも2時間かけて通学しており、飲み会からも速攻引き上げるため箱入り娘と一部で勘違いされている。
母親は大きな空港のグランドスタッフで高卒から現在に至るまでばりばりと働いている。職業柄と闊達な性格から世界中に友達がいると豪語する。藤丸も母親に連れられて幼い頃から何度か海外へ旅行したり、空港で遊んだりしていた。その際にとんでも資産家のダンテスさんと出会い、爆裂気に入られ、今でも頻繁に文通しているがそれは閑話。
実家が飲食店だったのでいつかは家を継ぐのもありだが、母親みたいに世界と繋がる仕事に憧れもあり、だけどやっぱり幼馴染のマシュが幼い自分の作ったパンを食べて輝かせた顔を忘れることもできず、将来にぼんやりと悩んでいる。
ビリーとは入学直後にしつこいサークル勧誘に絡まれていたのを助けてもらったことで知り合う。その時は先輩と勘違いしたが同学年と知り、なんとなく同じサークルに入る。作中時点でビリーに片思い未満の憧れを拗らせているが、彼があちこちの美人と浮名を流しまくっているのも知っている。そのためカラオケで『高嶺の花子さん』を歌うのばっかり上手くなっていった。仲良しの折田さんはそれを聞きつつ「いい加減ふんぎりつけなさいよアンタ」と言いつつ左手で適当にタンバリンを振ってくれる。そういうところが好き好き大好き!な藤丸。
友人は多いが、彼氏はいない。彼氏はいないが、彼氏ができた際には自分に必ず紹介してくれるだろうと根拠なく信じ込んでいる友人は老若男女問わずめちゃくちゃいる。
普通なんだけどちょっと人よりアカデミックでインターナショナルに親しみのある、それはそれとして人好きするお嬢さん。
ビリーが大学構内の教会で座り込んでいるのを見かけた。そのとき、何故か自分の首元を探ってしまった。祈るための何かが、そこにある気がしたから。
※かつてカルデアのマスターであったが、彼女はそれを決して思い出さない。