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    umeno0420

    @umeno0420

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    umeno0420

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    キスの日の遅刻のビリぐだです。短い。

    #FGO
    #ビリぐだ
    self-satisfiedPerson

    唇で描けよくちびる、だなあと思う。実際には乾燥した粘膜なのかも。そんなわけないのかも。思考未満は、シャボン玉ようにぶつかって対消滅した。儚い。

    「……なに」

    眼前から不機嫌そうな声。睫毛を絡ませるように、私はゆっくりと瞬きをした。今は近づき過ぎて見えないけれど、彼の髪や睫毛はレースのカーテンを透かす朝の陽射しによく似ている。そんなことを打ち明けたことがあった。そしたらビリーは。

    「しゃぼん、だま、のことを考えてた」

    しばらく酷使されていた舌は、案の定拗音の発語でもつれた。過重労働に対するストライキだろうか。なんてね。とろとろに煮崩れつつある脳味噌は、こういうくだらなくてあり得ないことばかりポップアップさせる。けれど私に火を付けたはずの男は、どうやらそれが気に食わなかったようだ。肩に添えられていた掌が首まで滑り、頸動脈の近くで柔らかく爪が立てられた。

    「考えてたの、僕のことじゃないんだ」
    「ビリーのことも含む、みたいな? あ、確かにちょっと似てるかも」
    「……なんだかな」

    嫉妬混じりの爪先が訴えかけるのは、痛みというよりむず痒さだ。ますますふくふくと笑ってしまう私を見て、ビリーは諦めたように息を吐いた。なんだよ、あなたのせいでしょ。言い返しかけて止める。代わりにまだすぐそこにある瞳を覗き込んだ。

    ビリーの瞳に物語を見出すことを、私はそこそこ楽しんでいる。今は、ねえ、雨上がりの水溜りに見えるかな。晴れ上がった空の青が、ひびのあるアスファルトに溜まった雨水に反射している。そこへ一点、澄んだ光が宿った。水溜りだ。私以外の誰かから見れば、全く素晴らしいものではない。きっとすぐに干上がってしまって、本当にそこにあったのかも分からなくなるだろう。それでも。

    「私さあ、ビリーに似てるもの、たくさん知ってるんだ。それって多分、何を見てもあなたを思っちゃってるってことじゃない?」

    ビリーは私が朝に似ていると言った。君の瞳は、朝焼けの色だと。先に進むべきときに、道を照らしてくれるものだと。

    「つまり?」

    朝に似ている。暖かくて、そこを目指すべきだと信じられる光を帯びた、そういうもの。ビリーが教えてくれた、私の知らない私の形。知らないでしょ。そういうのって結構、指針とかになっちゃうんだから。

    「あなたのことなら、わりといつでも考えてる」

    天使じゃないけど。悪魔じゃないけど。只人からも、外れてしまったけれど。だからこそ。

    その指で、言葉で、唇で、あなたが見出した私を教えてよ。

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    umeno0420

    DONE※タグ、キャプションをご覧の上、ご閲覧ください。
    帝襟アンリさんが「元々私はなでしこジャパンに憧れてサッカー始めたんですけどやっぱり日本って女子サッカー界のクリスタルトーキョーになるべきでは?」「アンリちゃん、今の子はセーラームーン知らないよ」と言い出した感じでブルーロック内の男女比が240:60になっています。
    りんばち♀で未来捏造で同棲です。
    愛されてるって当たり前!たくさんおしゃべりがしたいなら、小さめの手仕事をもっとたくさん用意しなさい。

    そう教えてくれたのは優だった。だから今日の夕飯は、手作り餃子にすると決めたのだ。なんでって、凛ちゃんが久しぶりに日本へ帰ってきたからである。

    ブルーロックとかいうイカれたフットボールデスゲーム施設で、私と凛ちゃんは出会った。そうしてたまたま踏んだ影の寂しさがほんのり重なったことをきっかけに、私たちはどうにも絡まってしまったようだ。ぐにゃぐにゃのままお互いの手を掴んでみたり、間違えた片結びでみんなをたくさん振り回したり、最終的に国境を何度も超えてターンしたり! めちゃくちゃに転がり回った末に、彼が私を捕まえた。

    ここ数年は私が日本のチームでプレイしていて、凛ちゃんはヨーロッパリーグのあちこち武者修行中だから、凛ちゃんのオフシーズンだけ日本で一緒に暮らしている。そして今回のお休みのため、昨日の深夜に帰ってきたところ。移動の疲れと時差ぼけでとろけた凛ちゃんをお布団で包んだとき、明日は餃子を作ろうと決めた。
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    umeno0420

    DONE※※※ 一切合切あなたの自己責任においてご閲覧ください ※※※

    夭折したミヒャエル・カイザーの天文学的遺産を相続した潔世一が、それを元手に社会貢献活動をすると決める話。ビジネスフレンド出演、御影玲王。

    作中の相続に関する描写は全てフィクションです。現実の法制度等には一切準じておりません。予めご承知おきください。

    2ページ目は付録です。
    地獄の沙汰まで余らせないミヒャエル・カイザーが死んだのは、彼が現役を引退した1年後のことであった。

    世間には病死であるとだけ発表されたが、正確に言うならば癌だった。発見されたときにはもう全身くまなく転移しており、緩和ケア以外の治療の選択肢がほとんどなかったという。本人から聞かされた話だから、多分本当のことだ。

    「この癌といや遺伝的形質を持つことで有名だが、あいにく俺の親戚は癌になるほど長生きしないクズばかりでな。お陰で気づくのも遅れてこのザマ」

    昨年に行われたカイザーの引退試合はそれはもう華々しくて、いや本当これでサッカーを辞める選手とは思えないほど悪辣で元気いっぱいだった。相手チームの心をベキベキにへし折りながら当然のように勝利し、やつはピッチの上を去った。マスコミもコーチ陣もチームの運営もみんなして引退の理由と今後の予定を尋ねたが、カイザーは決してまともな返答をしなかった。やけに芝居がかった台詞で、きっぱりと未練がないことだけを語っていた。
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