占いの館(「好き」から「好き」までボツ作品)「占いの館へようこそ。この柳蓮二、海原祭限りの占い師ではありますが、あなたの未来を幸運に満ちたものにするため尽力いたしましょう。
ああ、皆まで言わなくてもかまいません。あなたが知りたいのはそう、恋愛運だ。
……ふふ、異議がありますか?まぁそうおっしゃらずに。損はいたしません。
海原祭では占いの道具を使いますが、私の得意な占いは脳内に蓄積されたデータとその分析だ。
それは占いなのかとおっしゃるか。確かに違うかもしれません。しかし、あなたはリハーサルに付き合っていただく私の最初のお客様。是非とも私の一番得意な占いをさせていただきたい。よろしいか?
……ありがとう。さて、早速だがあなたの恋愛運はとてもいい、と言っていいだろう。
あなたの想い人はあなたに対してとても好感を持っている。元々仲間意識が強い人物ではあるが、私のデータによるとその好感は少しずつ変化をしているようだ。
あなたも知っての通りポーカーフェイスな人物であるし、人の心や想いはデータ化するのが難しい。だからこそ、小さな変化がとても重要な意味を持つ。
そして今、それが積み重なった状態だ。告白をするなら早い方がいいと出ている。
健闘を祈っているぞ、弦一郎。
さて……俺の占いが当たったかどうかは、後日聞かせてもらうとしよう」