誰かタイトル考えて欲しい。 別れとは寂しいものである。
それは何千年と生きている神にとっても同じだ。幾度となく経験していてもそう簡単に薄れるものでは無い。
その日、棺の中で眠りについたのは若い音楽家夫婦だった。今は凡人として生きている少年は、少しアルコールの回った頃に彼らと1曲奏でるのが好きだった。
事故だった。
海外公演から帰る飛行機が墜落した。夫婦共に身寄りのなかったらしい彼らの葬儀に人は少なかった。生前の本人達によると駆け落ち同然の結婚だったため双方の家族と縁が切れているらしい。その言葉通り式場に親族らしい人影はなく、その多くは彼らの奏でる音楽を愛していた人々だ。彼らが最後に発表した曲が流れ、時折すすり泣きの聞こえる式場の隅に少年は立っていた。たとえ広い海の上であっても風は吹いている。その風に乗って故郷に帰ってくるであろう2人の魂を静かに待っていた。この式場をあとにしたら海風の吹く崖の上で愛用のライアーを手に二人を出迎えようと。
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