藍湛×にょた羨現代AU。魏無羨は震える人差し指を己の腹にさす。ぷに。続いて人差し指と親指で肉を摘んだ。ぷにゅ。……掴めてしまった。どうしよう。今までこんなことなかったのに。いや、まだ諦めるには早い。ちょっと肉がついた程度、むしろ痩せすぎと言われ続けた魏無羨にとってはいいことだ。
自分にそう言い聞かせながら床を見下ろす。足元には体重計。これで全てがわかる。太ったか、太ってないか。恐る恐る片足を載せると液晶画面の数字が瞬く間に増えていく。女は度胸。気のせいだったら藍忘機との会話の笑いのタネにすればいい。意気込んで床に着いたままの足も体重計に載せた。
やがて数字が止まった。
「………………太った!」
魏無羨は悲鳴をあげた。
藍忘機とお付き合いを始め、あれよあれよという間に同棲に踏み込み、二人は付き合いたての頃と変わらず仲睦まじく、睦まじすぎるほど睦みあっている。藍忘機が選んだ防音セキュリティ付きのマンションとはいえ、そろそろお隣さんから騒音の苦情がくるのではと魏無羨は密かに震えている。
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