About:Seana Nagaシーナ・ト＝ウェル
島に言い伝えられる海の精霊である大いなる女神に憧れ、禁忌を犯して追放された女性。
ウェドの母・ティルマの年の離れた妹。

ウェドの故郷の島を滅ぼした張本人であり、憎い姉の忘れ形見かつ、愛しても手に入らなかった男に瓜二つのウェドに一方的に執着し、ウェドをテンパードにしてその魂を自分のものにし、完全な大精霊になろうとしている。

傲慢で冷酷な性格。女神信仰を歪んで捉え、「男は卑しく、女神である自分に尽くし、崇め、愛を与え続けるべき下等生物」と考えている。
例外的に有能な男を自ら選別し、子種にするため対等に扱いそばに置いておくこともある。

シーナは幼い頃から精霊を熱心に信仰していたが、女神を絶対として崇めるあまりにその信仰心は徐々に歪んでいき、ついには「生きたまま魂を精霊の元へ還し、女神と同化すること」を目指すようになった。

歪みの発端は、精霊の巫女であり物事を器用にこなしてみせる人格者でもあった姉への劣等感だった。
父も母もティルマも幼いシーナを溺愛しており、一時の愛情としてはシーナの方が遥かに与えられていたにも関わらず、シーナは心の片隅でティルマへの嫉妬心と憎悪を深めていった。

さらに歪みに拍車をかけたのは、ウェドの父であるオルトの存在だった。
一回りも年の離れたオルトに恋をしたシーナだったが、そもそも彼は既に姉であるティルマの配偶者であり、ウェドと妹のヴィヌの父であった。
しかしシーナはそれを悲観し、「何故私は彼に愛されないのか。何故姉ばかりが愛されるのか」と恨みを募らせていく。
ウェドは父親によく似ていたため、シーナは甥であるウェドに歪んだ愛情を注いでいた。

その歪みを溜め込んだ先が、大いなる女神への信仰心であった。

18歳の夜、シーナは精霊の巫女の資格を持つ者のみが立ち入る事を許された、地下洞窟の聖域へと忍び込む。
そこに祀られた女神の心核と呼ばれるクリスタルに自らのエーテルを注ぎ込み、女神と交感しようとした彼女は、しかし途中で後を追ってきたティルマとオルトに目論みを阻害され、騒ぎを聞きつけた島民達の手によってその場から引き剥がされた。
不可侵の禁忌を破ったシーナに大陸への追放処分が降り、彼女は島を出て南洋諸島を経由し、エオルゼアへ渡る。

シーナは女神と同化することを諦めなかった。
道中の南洋諸島で手に入れた謎の呪具を調べながら黒魔法とその歴史を学び、さらに錬金術を解するようになると、持ち前の美貌と話術で海賊や悪徳商人を誑かし、密かに故郷の島付近へ渡るルートを生成した。

4年後、地下洞窟への侵入を成功させたシーナは、エーテルを増幅させる装置や南洋諸島に蔓延っていた呪具、媒体となるクリスタルを配置し、女神の心核と再び交感を行う。
日頃から信心深い島民達の純粋な祈りと、シーナの強く激しい歪んだ祈りが重なり、シーナはついに女神との同化を果たして蛮神のような存在になる。
肌は青みがかり、髪は白く、眼は金色に輝く。耳は鰭のような形に変化し、身体中を鱗が覆った。
その瞬間、準備されていた仕掛けが全て発動した。島民の中でも特に信心深かったものから次々とテンパード化、さらに恐るべき速さで異形化してシーナの配下となり、人の姿を保ったものは皆殺された。

その瞬間に島におらず、海上にいてテンパード化しなかったのがウェドである。

シーナは一度島へ戻ってきたウェドを自らの手で殺して魂を奪うつもりだったが、ウェドが海へ身を投げたことでその目論見は失敗に終わる。

シーナは島の天然資源であったクリスタルを売り捌き、また自らに陶酔する人間を集めてエオルゼアに連なる島々で暗躍する小さな裏組織「海蛇妃の瞳」を設立。
愛に飢えた蛇のような異形の恐ろしい女頭領「シーナナーガ」として密かに名を馳せるようになる。
武器の密輸、密造から誘拐、暗殺、麻薬の取引まで、金になりそうなものはなんでも手を出す。シーナに心酔する男達を集め、その魂が解放された際にシーナが取り込むために囲う目的を持った組織でもある。