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    まつり

    @masturi_memo

    金カ夢を書いています。主にR18

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    まつり

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    金カム男子が暮らす社宅で
    家政婦をする夢主のお話 2

    続きです

    以前Twitterに載せていたものを纏めてみました。
    こちらも3話分になります。
    まだ完結しておらずのんびり書いていく予定です。

    #金カ夢
    aimingForTheGoldenHelix
    #尾形百之助
    Ogata Hyakunosuke
    #白石由竹
    shiraishiYutake
    #大沢房太郎
    osawaFotaro

    カムイハイツ2 「あれ、このタルト生地なんだろう?」

    そろそろ夕飯の準備をしようと冷蔵庫を開けると
    奥にタルト型に入ったままの生地が
    置いてあるのに気がついた。
    手作り?途中ぽいけど…こんな男だらけの社宅で
    お菓子作りする人なんているのだろうか

    「あ、バレちまったか」

    背後からいい声がした

    「おっ、尾形さんっ???」

    一番意外な人が現れた
    手にしているギャルソンエプロンを
    腰にサッと巻くと手を洗い出した。

    「キッチン借りるぞ」
    「は、はい!ど、どうぞどうぞ」

    手際良くレモン汁をとり、バターを温めたり
    卵黄を泡立てたりと、まるで料理人がいる様だ

    「なんだ?チャコも作ってみるか?」
    「やってみたいです!」

    自分のエプロンを取りに行き
    手を洗うと尾形さんの隣にぴたりと並んだ

    「レモンフィリングを
     少しづつ混ぜてから裏ごししてくれ」
    「はいっ」

    まるで料理教室に来たみたい
    チラリと尾形さんをみると、
    黒のTシャツに
    ブラウンのギャルソンエプロンが
    様になっていて
    めちゃめちゃカッコいい
    そもそも料理が出来る男性はいるけど
    お菓子作りできる人って
    数少ないんじゃない?

    「俺はレモンピール削りながら入れるから、
    チャコはゼラチン入れながらよくかき混ぜてくれ」

    二人でコンロの前に立っていると尾形さんとの距離が近い事に今更ドキドキしてきた

    型に流し込み冷蔵庫に入れて冷やす

    「固まったら味見してみるか?」
    「いいんですか?」
    「メシ食ってシャワー浴びてからまたここで」

    夕食の準備をして、
    みんなで食事をして、洗い物を済ませた。

    シャワーを浴びてる間
    もタルトの事が気になって仕方がなかった。
    一階に降りていくと
    既に尾形さんがダイニングテーブルの
    椅子に座っていた

    「お待たせしました〜!紅茶でも淹れますね」

    向かい合わせで座り、
    既に尾形さんがカットしてくれた
    レモンタルトが目の前に…

    「いただきます」

    いい感じに冷えていて
    甘酸っぱくて生地はサクサク…

    「おっ、美味しい!」

    尾形さんがホッとしたような表情を見せた

    「まだ暑いこの時期にいいだろ?」
    「たしかに…尾形さん凄いですね…」
    「手順を覚えたら簡単だ」

    いやいや、そんな訳ない。
    お菓子作りは少しでも適当にすれば大失敗する

    「尾形さんてクールな
     イメージだったから意外でした」

    ははっと笑って立ち上がると
    隣の椅子に移動してきた

    「今度鯉登がくるんだろ?
     また何か作るか?」

    そうだった!

    「はい、また一緒に作りたいです。」

    ぐいと肩を抱き寄せられ、
    尾形さんの顔を近づくと
    唇をペロリと優しく舐められた

    「本当だな、美味しくできてる」
    「え、え?」
    「ちゃんとしたキスするか?」

    胸が一気に熱くなった

    「あ〜疲れたぁ!
     チャコちゃん、お腹すいたぁ〜」
    「しっ!白石さんっ!
     お、おっかえりなさい!」

    ガタンと勢い良く立ち上がったので
    椅子が倒れてしまった

    「あっ、お茶してたんだ、
     じゃあシャワー浴びてきちゃうから
     ご飯その後お願いしていい?」
    「もっ、もちろん!準備しておきますね!」

    まだドキドキしている。

    「続きはまた今度だな」

    紅茶を飲み干した尾形さんと
    目が合うと少し笑ってくれた

    ⁂⁂

    中秋の名月 
    満月と重なるの実に八年振りらしい

    「月見団子作ろうかな?」

    一通りの家事を終えて食材を買いに街へ出る
    和菓子屋の団子につい目がいってしまう

    なんか見たことある人が店先に…
    「白石さん?」
    「あぁ!チャコちゃん!買い物ぉ?」

    たしか今日は仕事が休みって言ってた

    「食材を買いに来たのにこうも誘惑が多くて
    和菓子屋さんのお団子買って行こうか迷ってて」

    「そっかぁ、中秋の名月か!晴れてるから
    夜はみんなでお月見だね」

    想像するとなんかワクワクしてきた

    暇だし買い物付き合うよ!と、
    張り切って荷物を持ってくれた
    本当にこの人は明るくて優しくて
    一緒にいてとても心地よい

    「団子粉も買ったし、あとは小豆やきな粉
    トッピングしても美味しそうですね!」
    「俺も一緒に作るよ〜」

    帰宅後
    晩御飯の準備をしながら小豆を煮た
    今夜は珍しく食卓に全員揃った
    多分気を効かせた白石さんがみんなに
    お月見しようって呼びかけたに違いない

    鍋に湯を沸かして
    丸めた団子を白石さんと並んで
    落としていく

    くつくつとしたお湯に浮かぶ団子が
    既に美味しそうだ。

    「チャコちゃんって
    好きな奴(男)いるの?」
    「えっ?」

    いつになく真剣な表情で焦ってしまう
    この人ってこんなイケメンだったのか…

    「す、好きな男性…」
    「ここに来る前の事とか何にも知らないし
    謎多き女だからさぁ〜」
    た、たしかに
    「仕事ばかりしてたら、彼氏に浮気されてて
    しかも三股…追い討ちをかけるように
    会社の業績も悪くなって…」
    「えっ、えっ?!ごめん!
    思い出したくないよね」
    「いや、もう全部吹っ切れてますよ」
    「えぇ〜?マジ?」
    「今の仕事が楽しいからかなぁ」
    「そっかぁ、チャコちゃんが楽しいなら
    それが一番だけど」

    団子を湯切りして冷水にさらす

    「さ、運びましょうか!白石さん?」

    背後から優しく抱きしめられた

    「俺ならチャコちゃんに
    そんな悲しい顔させない…」

    知らない間に顔にでてしまっていたのか
    白石さんの手を握ると
    さっきよりも強く抱きしめられた

    「三股してた一人の女性にね、赤ちゃんできたんですよ。もう引くしかないじゃないですか?
    でもね、ちゃんと好きだったんですよ私…」

    白石さんの体温が心地良過ぎて
    無理矢理蓋をしていたものが溢れ出した

    「チャコ〜
    こっちは準備万端だよー!」
    庭の方から杉元さんの声が聞こえてきた

    「ありがとうございますっ!」

    白石さんがぱっと手を離した

    「俺、全部持っていくから」

    庭に行くと既にテーブルや椅子、
    シートがセッティングされていた

    月島「眩しいくらいの月だな」

    杉元「みんなで
      お月見なんてロマンチックだね」

    尾形「野郎ばっかだけどな」
    房太郎「チャコこっち座りなよ」

    白石さんが綺麗に団子を並べてくれていた

    確かに眩しいくらいに
    まん丸の満月だ
    「さ、いただきましょうか!」

    自分の過去を話したのは
    白石さんが初めてだ。

    辛かった思い出を吐き出せた事で
    少し気持ちが楽になった。

    「美味しくできてるね」
    「白石さん」
    「俺で良ければいつでも頼ってね」

    耳元で囁く声
    見上げるといつもの笑顔
    二人をキラキラした月上がりが
    照らしてくれていた。

    ⁂⁂


    どこかの庭に咲いているであろう
    金木犀の香りがここまで漂ってきている

    「この香りすきだなぁ」

    シーツとピローケースに
    天気も良いので談話室の
    クッションカバーも洗った

    「そろそろ休憩?」
    「房太郎さん、
     いつ帰ってきてたんですか?」

    彼は殆ど夕方から家を出て
    大体朝方から昼くらいに帰宅する事もあり
    なかなかカムイハイツのメンバーと
    顔を合わす事がない。

    「うん、9時位かな?
    寝てたんだけどなんか目さめちゃって」

    彼の収入源は本当に謎だ。
    クラブでdJをしているらしいけど
    それだけでは
    生活出来ないって言っていたし…

    「ん?何?」
    「いやっ、そのっ、別に…
     あ、一緒にお茶しませんか?」

    ちょうど一息つきたいと思っていた
    読みかけの本もあったけど今日はお預けだ。

    それならと房太郎さんが
    一旦部屋に戻ると
    お菓子を持ってきてくれた。

    「一緒に食べよう」
    「わぁ、抹茶のラングドシャ…!」

    たしか京都限定のやつだ
    抹茶のラングドシャの間には
    ホワイトチョコが挟まれていて
    これが本当に美味しい!!

    「これ美味しいよね、チャコも好き?」
    「はいっ!好きです!!」

    お菓子ではなく房太郎の事が
    好きって言ったみたいで
    勝手に恥ずかしくなる

    小さなテーブルを出して
    庭を眺めながらお菓子を頬張り
    熱いほうじ茶を飲む。

    「どう?もうここの仕事には慣れた?」

    房太郎さんの
    長くて綺麗な髪の毛に見惚れていた

    「は、はい大分…皆さん優しいし…」

    190センチはあるだろう身長に長い髪、
    整った顔立ちなのに
    内面から溢れ出す男らしさがある

    初めて会った時
    いきなりキスをされ失礼過ぎるのに
    怒ったりしなかったのは
    既にこの人を受け入れても良いと
    思っていたのかもしれない

    「来月あたりからちょっと
     長い期間家あけるかもしれない」
    「へ?」
    「ちょっと出稼ぎ」ニヤリと笑う
    「帰ってきますか?」
    「帰って来ないと寂しい?」
    「そ、それは…」寂しい。
    「じゃあ一緒に行く?」

    なんてね、冗談だよ。
    またお土産買ってくるから
    一緒に食べようと軽くはぐらかせた

    彼がここに戻ってこなくなるのは寂しい。
    でもいつまでもみんなこのカムイハイツに住む事は無いだろう。そう考えると寂しくなるけど仕方ない事だし今はこの仕事を精一杯やるしかない

    「俺の事かるい男って思ってる?」
    「んんん…かるいではなく、
     一番何を考えているか
     分からないって感じですかね」
    「男はみんな単細胞だからね
     …何が言いたいかって、
     俺はチャコの事が好きだ。」

    「えっ?ええっ!!!」
    「一目惚れ」
    「あ、あ、う、う、嬉しいです…」
    「直ぐにどうしたいとかじゃないから、
    でも覚えていて欲しい。
    それで俺はチャコから離れて行ったりしない」

    ハッキリと断言する姿が勇ましい…
    ドキドキする
    あんなに真剣な顔で
    真っ直ぐな目で告白された事ない

    「じゃあ、ご馳走様でした。
    あ、チャコ読書するの好きだよね、
    オススメの本あるから暇な時にでも読んで」

    本屋のカバーがかけられた
    一冊の本を手渡してくれた

    「ありがとうございます!」

    カバーの下の本にはタイトルと
    大沢房太郎と書かれてる
    気づくのは当分先の事だった



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