アリオクの手紙あなたがメギドラル遠征から帰ると、自室の机の上にアリオクからの手紙と分厚い紙の束を発見した。紙の束は素材も大きさもばらつきがあり、紙紐で縛られている。あなたはまずアリオクの封筒を開き、シンプルな便せんに目を通す。彼女らしい丁寧な時候の挨拶の後に、このようなことが書かれていた。

「この紙束はコシチェイの残した手記です。カラダンダと取引をした際に、所在を教えてもらったもの…それはなんてことはない。ただ理術研究院の本棚に無造作に突っ込まれていた紙の束でした。それに私も、探索を手伝ってくれたネルガルやネビロスも一切価値を見出せなかったのです。なぜだかわかりますか？…その手記のほとんどがヴァイガルドの文字で書かれていたからです。私はこれを持ち帰り、アジトでフォラスという学者の追放メギドに手伝ってもらい解読しました。とはいえ、ヴァイガルド文字はあなたには難なく読めることでしょう。逆にメギドラル文字で書かれた部分はやはりフォラスの力を借りて翻訳しています。彼は好奇心旺盛ですが思慮深く、手記の内容も口外しないと約束してくださいました。いつかネルガルのようによき友人になれると思います。

手記のほとんどは彼の実験や計画に関する走り書きで、そういったものは取り除いています。計画はすでに終わったものであるし、実験に関してはこちらで検証したい。抜けがあることで恣意的に感じるのならば、私が残りの部分を所持しているのでいつでも見に来てくれて構いません。あの男はすべての手記に番号を振っていましたから、確認は容易でしょう。

カラダンダに教えてもらわなければこの手記はマグナ・レギオに押収され、あるいは…大事件を引き起こしていたことでしょう。それほど重要なことが書かれているのです。ヴァイガルドを防衛する軍団の長であるあなたには読まねばらならない…義務があると感じます。コシチェイがヴィータであったことであなたが深く傷ついたことはわかっています。だから今すぐ読め、とは言えません。しかし、時を過てばその傷がさらに深くあなたをむしばむのは間違いない。私に言えるのはここまでです。ソロモン王。あなたの判断を信じます。」

あなたはアリオクからの手紙を読み終わり、改めて紙束を見つめる。それはコシチェイの手記であり、自分が知るべき「秘密」が書かれているという。それならば今、時間を割いてでも読むべきだろうか。しかし、アリオクの指摘どおり、コシチェイの最期には割り切れないものがあった。この手記によって、彼に同情してしまったら？「殺した」ことを酷く後悔することになったら？

あなたは今この手記を手に取るべきかどうか、決めなければならない。