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    ここのか

    @d9_bond

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    ここのか

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    尊+遊作。互いを羨む二人の話。
    2期、ソバVSブルガ戦の後。本人には話せないので遊作にどんな対戦だったか話す尊と、楽しそうだなーって聞いてる遊作
    ほかネタとまとまんなくて保留中

    「……楽しそうだな」
     ふと、遊作が呟いた。
    「それはだって、君もだけど彼女も彼も僕にとっては憧れのデュエリストだからね」
     尊は笑った。
    「もちろん勝負は真剣なんだけど、ずっと遠くにいた人と同じ世界に立てたのが嬉しかったのがある、かな」
     デュエルが楽しかった。
     負けられない勝負であったが、それは別として強い相手と、それもカリスマと呼ばれる人たちを相手にするのは心が躍る体験だった。
    「――多分、なんだけど。そもそも、ここにいるのだけでも僕にとってすごいことだし、嬉しいことなんだ」
     少し前までは、ずっと鬱屈したものを抱えたまま動き出せずにいた。ただ日々を無為に過ごし、しかし抱えたものをどうしたらいいのか分からずにいた。
     不霊夢がやってきて、教えてくれた。
     戦うということを――同じ立場にいながら、きちんと立ち上がり、前へ進み、ついには過去を打ち破ったものがいたことを。
    (……遊作にはきっと、ずっと分からないだろうな)
     それでいい、と尊は思う。彼は誰のためでもなく自分のために動き始めて、結果的に世界を助けた。尊が助けられたのは世界のおまけであって、だからそこに感謝や憧憬を抱くのも尊の勝手だ。分かってもらう必要はない。
     尊の言葉に遊作は目を細めた。何かまぶしいものでも見るみたいに。
    「怖く、なかったか」
     主語のない問いだったが分かった。尊は首を振る。
    「怖かったけど、今は大丈夫だよ」
     そう答えると遊作はわずかに目を伏せた。
    「――そうか」
     尊は強いんだな、と囁く。
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    sheera_sot

    DOODLE頭が煮えるほどあつい火曜日、閉店間際のスーパーで永遠の向こうにあるものに気がついたことの話をしてください。
    #shindanmaker #さみしいなにかをかく
    https://shindanmaker.com/595943
    こちらで書いたものです。バンユキだけど万理しか出てこない。
    バニラアイスが溶けるまで 見切り品の野菜の棚から少しくたびれた小松菜を手に取る。煮浸しでなら食べられそうだし、野菜しか食べない線の細いあいつには丁度いいおかずになる。自分用に半額シールの貼られた唐揚げもカゴに入れてレジに並ぶ前、冷凍ケースのアイスクリームがいやにおいしそうに見えた。
     スーパーを出れば日も暮れているというのに茹だるような暑さが待っている。部屋まで歩いて十分、少し溶けてしまうかもしれないけれど買って帰ればきっと千も喜ぶし。バニラアイスを一つだけカゴに増やして、列に並ぶ。
     俺の一つ前にはワイシャツの男がいて、エネルギーバーと栄養ドリンクだけを持っていた。カバンも持っていないから、多分中抜けして食べ物だけ調達しにきたという感じだ。お仕事お疲れ様です、なんて思いながらちらりと様子を伺う。限界まで緩められたネクタイに少しくたびれを感じるけれど、その目はなんだか生き生きしていた。こうやって打ち込める仕事をその人はしているのだろう。なんだか、羨ましい。
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