愛はどこだ　チョコレートを嬉しがるような人間だったらどんなに良かっただろう、と思う。
　いや、やっぱり特には思わない。好きでもないしもらったところでどうせ食べない。そんなものを渡されたって、ありがとう嬉しいよ、なんて社交辞令すら返す気がないのがヒル魔であった。
　周囲から恐れられる男には不思議な魅力も確かにあって、引き寄せられる者──猛者は今も昔もほんのわずかながらちょくちょくいた。
　だからバレンタインに下駄箱や机にチョコが忍ばされることは以前からあったし、中には直接渡してくる勇者もいた。その場で断るか栗田のカバン行きのチョコレートの行方など、ヒル魔の知るところではない。
　これから先もずっと、チョコレートやバレンタインというものとは無縁の人生を送る、そのはずだった。なにしろ興味がないもので。

そしてこの先も　年越しそばは毎年あの緑色のやつで、ダラダラ飲んだり食べたりの大晦日の夜、ほろ酔い気分にあの塩気がちょうど良かった。
　けれどなんとなく今年は作ろうかって話になった。
　一緒に暮らすようになって数年経ち、お互いの料理スキルがそこそこ上がったから、ともいえるし、単に暇だから、ともいえる。だから別に本当になんとなくで、理由らしい理由なんてない。
　そば打ちからやろうなんて話じゃないし（ヒル魔さんは意外とまんざらでもなさそうだったけれど）、生麺を茹でて、めんつゆをかけてネギをのせたシンプルなものをイメージしていた。お酒の量は抑えるけれど、素面で作るわけじゃないし、そこまで手のかかるものを用意するつもりはなかったのだ。

【零凛】一个粉色篮球老实说，朔间零并没有注意到家里什么时候多了个粉白相间的篮球，买篮球的人首先排除自己和家里的猫主子，难道是凛月买的？可是凛月也不打篮球啊……
“嗯，是我买的。”
去问的时候，朔间凛月很大方的承认了。
“诶？凛月最近喜欢打篮球了吗？”
“没有，只是看到好看就顺手买了。”

朔间零一直没搞懂这个篮球买回来的意义，直到有一次他有一份外地工作，需要出差两个星期的时候，在两人打视频电话时，朔间零敏锐的注意到了在镜头前面来回晃的弟弟。
“凛月？在做什么？”
“嗯啊，没，没什么……”
“凛月。”
手机那边的人又叫了一遍他的名字，就像是被打开了什么开关一样，朔间凛月低下头，身子不住的颤抖。
而朔间零也注意到了，他的弟弟身上穿的是他出差前一天扔在脏衣篓里的衬衣。