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    inspiration_ayu

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    ベル総受け食べ放題ツアー@無人島

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    ベル総受け@無人島とある海域の無人島。

    そこには黒の組織の幹部、ジン、バーボン、ベルモット、キャンティ、キール、キュラソーがいた。

    組織のメンバーは欧州のとある国に任務で向かうために専用機に乗り込み出発したが、機体トラブルにより彼らの乗った機体がこの緑豊かな無人島に不時着したのだった。

    幸い彼らの優れた身体能力や危機対応力により怪我はほとんどなかった。

    しかし大きな問題があった。

    この島一面に咲く、深い紫色の花。この花が咲いていない一角を見つけるのが困難なほど、この島は美しい紫一面の島だった。

    「確か名前が……えぇと、なんて発音するのかしら」

    キュラソーはその特殊な脳で過去に記憶した植物図鑑の一ページを思い出しながら言った。

    地面に木の枝でアルファベットで字を書く。

    「たぶん××××××という花でしょう」

    バーボンが言うが、その表情は一気に険しくなる。

    「これは……さすがにマズい状況ですね」

    「なんだ、はっきりしろバーボン」

    ジンは苛立ちを隠しきれないようだった。

    「簡単に言うと、猛毒よ。毒があるのは、花粉」

    キュラソーが言うと、キャンティがビクッと身体を震わせる。

    「はぁ!?ちょっと待ってよ、それじゃアタイら、」

    「えぇ、もう相当な量を吸い込んでる」

    キールが言うと、ベルモットが辺りを見回した。

    「紫一面の綺麗な毒のお花畑ってわけね。で、どうすればいいの、バーボン?」

    この一帯の島にしか生息しない希少種。そしてその毒は時間差をもって徐々に身体症状が出てくるらしい。

    「マジかよ……アタイ、さっきから目眩がひどくて」

    「えぇ、私も。我慢できないほどじゃないけど、吐き気もするわ」

    「えぇ、この毒の典型的な症状です」

    バーボン曰く、目眩、だるさ、吐き気から始まり、発熱、風邪のようなリンパ腺の痛み、そしてもう一つ。



    組織メンバー達は、なるべく花の少ない場所を探して回り、かつ水の確保しやすい滝の付近にある洞窟を見つけ、そこで今後の対策を練ることにした。

    洞窟に物資を運び終わる頃には、メンバーのほとんどに身体症状が現れ始めていた。

    「うぇ……ヤバいよ、マジで体熱いし、吐き気がヤバい」

    「大丈夫キャンティ?少し休んで」

    そう言うキールも額に玉のような汗が浮かんでいた。

    「ちょっとジン、キュラソー?あなたたちまで……」

    ジンは相変わらず尊大な態度のままだったが、洞窟内の出っぱりの石に腰掛けて頭を抱えていた。

    身体能力の高いキュラソーも、隣に座っているベルモットの肩に頭をもたせかけて浅い呼吸を繰り返していた。


    「ベルモット、あなたは大丈夫なんですか」

    「えぇ、今のところは。少し熱いくらいかしらね、動いたせいもあるけど」

    「お前、なんでそんな、ヘーキで喋ってんだよ…!」

    キャンティが憎たらしそうに言う。

    「平気に見える?いつ症状が現れるかわからなくて、怖いのよ私も」

    「はは、軽口を叩けるくらい元気そうですね」

    バーボンもなるべく爽やかに言うが、その息は時間と共に荒くなってきている。

    「キュラソー、確認したいことがあります」

    「えぇ、いいわ、何……?」





    「本当に、やるの?バーボン」

    「えぇ、仕方ありません、我々の命がかかっていますから」

    バーボンとキールは、対症療法になりそうな薬草を探すと言って洞窟の外に出ていた。加えて、万が一毒のある植物を採取しないよう、植物図鑑を記憶してあるキュラソーも連れていた。

    「キュラソー、本当にいいの?」

    「仕方ないわ……辛いけれど、死んでは元も子もない。生きて帰って、またベルと愛し合えばいいから」

    「ご協力感謝します、キュラソー」


    「おかえり、お姫様。収穫はあった?」

    「えぇ、少し……それよりも、毒が回ってきたみたい……すごく頭が痛くて辛いの」

    キュラソーは大げさに言って、ベルモットに崩れ落ちるように抱き着いた。

    「ちょっと、」

    嗜めようとするベルモットにできた一瞬の隙に、バーボンがベルモットの両腕を拘束する。

    「何を、っ!?」

    「ごめんなさい、ベルモット」

    キールがベルモットの口に指を差し入れ、錠剤を喉の奥に押し込んだ。

    キュラソーが片手でベルモットの口を塞ぎ、バーボンが抵抗しようともがくベルモットを抑え込んだ。

    「おい、何してやがる」

    「ちょっとアンタら、何やってんだい!?」

    ジンとキャンティがそう言う間に、ベルモットは意識を失った。



    「つまり、こういう事です。彼女、ベルモットはどんな理由がわかりませんが、この毒花に対する免疫を持っている可能性が高い。ですから、助けが来るまで彼女から免疫を接種することが、我々の生存に不可欠ということです」

    「理屈は分かったよ!?でもさぁ、なんで……何でこいつの……!よりによって、こいつを…!」

    「貴女は嫌かもしれないけど、キャンティ。生きて帰るためにはどうしても必要なのよ、彼女から、彼女の『体液』を接種しなきゃいけないの」

    「じゃあさ!こいつナイフでズタボロに切り裂いて、その血を飲んじまえばいいだろ!?」

    「それは賢明ではありませんね。この状況で、いつ免疫が獲得できるかもわからないのに、大量に血液を失うのは命の危険がある」

    「だからよ。だから、今から皆で彼女を……ベルモットを抱いて、体液を摂取する」

    「いよいよ反吐が出るよ……!」

    「やるんなら早くしましょ、キャンティ。言っておくけど、一番辛いのは私なの」

    「くっ………!」

    「そうだ。そういう事ならさっさとおっ始めるぞ」

    洞窟の中に、清らかな水が湧き柔らかい苔が生えた一角がある。背中が痛むとかわいそうだからというキールとキュラソーの提案で、ベルモットはそこに寝かされた。

    清流のせせらぎと、洞窟の天井のわずかな隙間から差し込む自然光、そしてさらに灯りを取るために持ち込んだ蝋燭のオレンジ色の光。

    「なんだか、女神かなにかみたいね。ベル、すごく綺麗」

    キュラソーによってタイトスカートとブラウスのボタンを外されて横たわるベルモット。

    「女神ぃ?悪魔儀式の間違いだろ」

    キャンティが唾を吐いた。

    「準備は整ったな」

    ジンが立ち上がった。

    彼の肌が熱を帯びているのが、隣にいたバーボンには感じ取れた。

    彼には言わなかった事がある。それは、この毒には強い催淫効果もあるのだ。

    「宴と行こうじゃねぇか」
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