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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    どこかの世界線で戦うEdenのおはなし。
    Knights、英智が敵サイド。
    CP要素はある予定。世界観重視で、本来と呼び名が違ったりします。
    勢いで書き殴ったので今後加筆、修正予定。

    ##戦うEden

    どこかの世界線で戦うEden1(茨視点)「閣下と殿下はこのまま侵攻を食い止めてください!今回は相手が相手ですので、自分はこのままサポートしつつ、こちらから狙撃します。ジュンは、視察と陽動を!閣下たちの負担を減らすためにも、陽動の際はなるべく敵を分断させてください」

    耳に取り付けた小型の無線でそれぞれ散らばる仲間への指示を飛ばす。
    返事が聞こえたところで、目的地の高台へと到着する。
    眼下では剣戟の音や銃弾が飛び交う戦地。
    そこで数えきれないほどの武器を器用に、優雅に振るうのは、巴日和。
    はたから見れば、殿下がだだっ広いネオンのステージで舞い踊っているように見えるそれは。
    その実本来視認できるはずのない自分たちの″敵″を、次々と斬り伏せている。
    その数メートル先で単身敵陣に突っ込んでいく閣下。
    まさか、この世界で武器も持たない生身の人間がやってくるだなんて、いくら事前に知っていたとしても、信じる者はほぼ居ないも同然。
    それがうまいこと敵側を動揺させ、撹乱出来ている。
    部分武装は補助的な役割だけで、敵をなぎ倒すのはあの人の膂力がほとんどだ。

    ──今回は、敵とみなす者がふた陣営ある。
    まずはこの世界を統べる英知猊下…天祥院英知による統治されたAI軍。
    高度な光学迷彩を使用しているため、こちらも最新鋭の技術や機器がなければ戦いを挑むことはおろか、視認すら不可能な相手。
    しかし我々は持って生まれた才や、皮肉にも植えつけられた部分武装のおかげでそれと戦うことが出来ている。
    (だからって生身で戦う閣下は、ちょっと…いや、かなりぶっ飛んでますけど)
    そして二つ目。
    この世界全体の防衛機構である、守護騎士『Knights』…その中でも特に好戦的な朱桜の隊。
    本来たかだか数人で挑んでいい相手ではない。まず、数で負ける。
    何より統制のとれた動きが厄介だ。
    世界の防衛機構なだけあって、守ることおいてはとにかく堅く、一つの乱れもない。
    隙をつければ良いのだが、そんなことは都合のいい考えであり、その陣を突破することが一番骨が折れる。
    隊を治める騎士の称号を持つKnightsたちが前へ出て来ると、勝利はない。

    こんな、どう足掻いても勝ち目なんてない、途方も無いほど無謀な戦いに我々は挑み続けている。
    …戦い始めた理由はなんだったか。
    いや、振り返っている暇はない。
    頭を振り、そこへうつ伏せて愛銃を亜空間から呼び出す。
    改造を重ね、限界まで削った細身の銃身ながら威力は通常のものより倍以上あり、どれだけ遠く、小さなものでも覗けば見えるスコープ付きの遠距離射撃に適したライフル。
    それに加え、武装というには心許ないー″視る″ことに特化した、自分の両眼。
    何もかもを視認できるのと、敵地においてはAIの分析や敵状視察なども″視る″だけで可能。
    メンバーの補佐もするとなれば、今となってはこの眼がなくてはならない、自分の武器の一つだ。
    スコープを覗き、閣下たちのほうを視る。
    劣勢、とまではいかないが数が減っていない。2人のスタミナは尋常ではないので、疲労を心配することはないが……流石に、視ているだけ、というわけにはいかない。
    引鉄、を模したそれを二度下げる。
    対AI用に切り替え、殿下を囲むAIたちへ狙いを定め、撃つ。

    「!」

    銃声はしない。しかし殿下の目の前の機械を数体撃ち抜いてやれば、殿下がこちらへ向き微笑む。

    「ぼくの方に加勢するなんて、茨はいい子だね!いい日和っ!」

    そう言っている、口の動きが視えた。

    「殿下、集中してください」
    『なぁに、その言い草。せっかく褒めてあげたのにね?』
    「お褒めに預かりたいへん光栄ですが…」

    すかさず無線を殿下へ繋ぐ。
    まったくもう、なんて声も聞こえたが、その間にも敵は押し寄せる。
    それらをまとめて撃ち抜き、大きく減った時に続ける。

    「どうかそれは、貴方の道を遮る不届き者を始末してから、お聞かせください」
    『…ふふっ。君も、口が上手くなったね。いや、可愛げが出てきたって言えばいいのかな?』

    気を良くした殿下の声。
    うんうんと頷くのを視て、さすがに溜息を吐いた。
    その時背後に迫る敵がいるも、自分は別の方向を向く。
    それを一瞥もすることなく、殿下は手にした大型のナイフで一撃で仕留めた。

    『しょうがないから、もう少しだけ頑張ってあげるね!』

    その言葉とともに、ずらっとどこからともなく現れる多種多様の武器。
    自身の周りに留めさせながら、殿下はそれで斬り、撃ち、凪ぎ、突き……数秒間でどれだけの武器を、敵の急所外すことなく扱えるのか。
    この人にしかできない芸当である。
    いつ見ても、殿下の戦う姿は戦場であることを忘れさせるくらいに優雅で、美しい。

    『あっ、そうそう!凪砂くんが暫く戻ってきてないから、様子を教えてほしいね!』

    うっかり見惚れていたら、殿下からの声にハッとして少し目線を動かす。
    閣下を探すと、どうやらもうほとんど敵地を制圧しているようで。
    閣下が通ったであろう道に、急所を殴り込まれた、全身武装のKnightsの部隊の人間たちが倒れ伏している。

    「…殿下、ご心配には及びません。自分が手を出すまでもなく、閣下の進軍は凄まじいものですよ」
    『本当?さすが凪砂くんだね!流石にKnightsが出てきちゃったから、心配してたんだけど…いらなかったみたいだね!』
    「ええ、どうやらそのようで…」
    『……っ、茨!おひいさん!』
    「!」

    殿下の方も、ほぼ片付いたところだ。
    今回も、何とか勝てた…そう思いその場を離れようとした時。
    暫く通信も何もなかったジュンの、焦りと動揺の声が飛び込んで来る。

    『ジュンくん?なんにも言わないから、死んじゃったかと思ったね!』
    『生きてますよすいませんねえ!って、それどころじゃなくて!ヤバイことになってます!』
    「落ち着いてください、ジュン。何があったんですか?」

    どこかを走りながら通信を飛ばしている様子のジュン。
    何かから逃げている、の方が正しいかもしれないほどの、慌てよう。

    『早く、そこから……!まだ、……、が、来る…!』
    「…?ジュン、上手く聞き取れません。電波が悪…」
    『ジュンくん?ジュンくん!…まだ何か叫んでくれてるみたいだけど、聞こえないね…』

    それから程なくしてジュンからの通信は完全に途絶えた。
    必死にこちらへ何かを伝えようとしていたのは分かっても、肝心の内容が聞き取れなくては意味がない。
    あまり遠くへ行くな、と言っているのに…。

    「しかし。あの様子から察するに、恐らく敵の増援か…」
    『ジュンくんが、何かヘマしちゃったとかかね?もう、こっちも大変だっていうのにね!』

    そう言いながら、殿下は未だ息一つ乱さずに敵を斬り払う。

    「仕方ありません。通信の場所を割り出して、自分が迎えに行きます。殿下は閣下と合流していてください」
    『分かったね。合流したら、また連絡するね』

    殿下との通信を切る。
    小型の操作端末を取り出し、ジュンから通信がきたところを逆探知かけてそこを記憶した。
    場所はこの高台から然程離れていない、小さな街。
    通信環境が悪くなる距離でもないのに、維持出来なかったとなると、外からの干渉。
    こちらをハックされた可能性がある。

    「…はぁ。終わったら、何してもらいましょうか…」

    ぐっと数回屈伸をし、そこから飛び降りる。
    高台の壁を地面がわりに滑り降り、ジュンのもとへと走った。



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    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000

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