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    shiraseee

    @shiraseee_0108_

    気ままに更新しています。
    サイレント更新&修正は常習。
    凪茨ばかりですが、たまに他CPなども。

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    shiraseee

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    自己満Edenバトル世界のおはなし。
    わりと突発で書いたので雑さが目立ちます。今後修正、加筆予定。
    vsKnights戦。呼び方は世界観的に本来のものとは異なる場合があります。

    ##戦うEden

    どこかの世界線で戦うEden3(ジュン視点)GODDAMN!クソッ、やっちまった!
    茨に任された視察と陽動。
    そのどちらも順調で、陽動に関しては最初だけAI軍とKnightsの部隊を蹴散らしつつこちらへ引きつけながら、うまく立ち回っていた。
    通信は繋げていて、おひいさんたちの状況は常に把握していたので、オレを追ってきた連中を全員倒したところで視察に専念することにした。
    AI軍は陣地を設けることなんてない。
    どこからともなく現れ数も多いため、茨が予め″視て″くれた時以外では逃げ切るほうがいい。
    それより今回厄介なのは、Knightsの部隊だ。
    部隊を取り仕切る騎士の称号を持つKnightsが前線へ出て来なければ、数と防御に苦戦はするものの勝てない相手ではない。
    だが、今回はその騎士さまが出るときた。
    しかもあの好戦的な朱桜司が、だ。
    一度苦汁を舐めさせられてからというもの、オレの苦手な一人となっていた。

    (できればアイツとはもう戦いたくなかった…)


    みんなへ通信する前。
    そう内心でぼやきながら、辿り着いたのは小さな街。
    ゲートが完全に開いてしまっているのと、人の気配が感じられないことから、ここは棄てられた街だと察する。
    普段ならこういう場所は、目ぼしい収穫がなさそうなら素通りするのだが。
    今回は、何だか…そう、嫌な予感がして。つい、街へ一歩踏み入ってしまった。

    「…?」

    一歩入って分かった。
    確かに人の気配はなく、廃れ具合から棄てられて暫く月日が経った街ではある。
    けど、なんだかこの街には…敵意ある、″におい″が、する。

    「ッ!」

    それを感じた時、咄嗟に横へ飛び退く。
    すると寸前までオレのいた場所へ突き立つ小さなナイフ。

    「Marvelous!私の投擲を避けるとは、相変わらずの動体視力です」
    「…ゲッ!」

    ぱちぱち、と拍手とともに現れたのは、今一番会いたくなかった…守護騎士『Knights』、朱桜司。
    思わず出た声と顰めた顔。

    「何ですかその失礼な反応は⁉︎貴方のRivalの登場ですよ、漣ジュンさん!」
    「お呼びじゃないんですけどねぇ!つーかライバルになった覚えはない!」
    「んなっ…!私に膝をつかせたこと、よもや忘れたとは言わせませんよ!」

    しまった。つい反応を返してしまい、それに相手が乗ってくる。
    朱桜司。守護騎士でありながら精神面はまだ未熟で、以前こちらの売り言葉に買い言葉を返してきて戦闘になった時。
    その子供っぽさとは裏腹に、やはり守護騎士になれるだけあってその攻撃には隙がなく、畳み掛けるように剣尖を浴びせられた。
    一緒にいた茨のサポートもあってそれらを紙一重やっと躱しつつ、一瞬の隙にナギ先輩仕込みの打撃をお見舞いしてやれば、彼にその場へ膝をつかせることに成功した。
    「これ以上は分が悪い」、茨の言葉を聞いて、増援も来そうだったのでその場を去ろうとした時に、朱桜司はこちらへ顔を上げ…

    『私に膝をつかせるだなんて…やりますね、貴方!What is your name』
    『は?わっつ…?』
    『貴方の名前を教えろと言ってますよ』
    『あっ、ああ〜!…ゴホン。オレは漣ジュンだ!』
    『馬鹿正直に答えるな、馬鹿!!』
    『いってえ⁉︎』

    …すっかりあっちのペースに狂わされ、いつの間にかオレはこいつのライバルになっていたようだ。
    こいつと話してると何だか調子が悪く、うまく立ち行かない。
    合間合間に英語をはさむからだ。ぜんぶ日本語で話せ。
    こんなでも相手は守護騎士、全く油断のできる相手ではない。
    おひいさんばりに喚く相手から目を離さず、また数歩後退る。
    このまま、逃げ切れそうー…

    「もう、司ちゃん!彼が逃げちゃうわよぉ?」
    「!」

    トン、と背中が何かにぶつかる。
    そして聞こえた聞き覚えのある口調と、声。
    気配が全くなかった、というか、感じなかった……!
    ばっと振り向くと、そこいたのは守護騎士Knightsの一人、鳴上嵐だった。

    「鳴上先輩!」
    「ほら、捕まえてあげたから。早く行きましょう?泉ちゃん、怒ってたのよ」
    「なっ、ちょ……⁉︎」

    言われた通り、オレは肩をがっしり捕まれてその場から動けなかった。
    触れられたことにすら気付かないなんて…!

    「すみません、Rivalに遭遇したことにより、少し周りが見えておらず…」
    「いいのよ、だってこっちの作戦は成功してるもの。…ふふ、アナタ、自分がうまく陽動してたと思った?」
    「…は、」

    にっこり、人当たりの良い笑顔を向けられるも、続いた言葉のせいでなにも内容が入ってこなかった。

    「…アナタたちに掴ませた情報は、全部嘘。司ちゃんの部隊を陽動に、AI軍も引っ張ってきて…消耗したところで捕まえたかったんだけどね?流石と言いましょうか、誰も疲れてないんだもの。それどころか、司ちゃんの部隊も何もかも倒してくれちゃって」
    「鳴上先輩!作戦を全て喋るのはー…」
    「あら、ごめんなさい!でも、もう全部済んだことだし、いいんじゃないかしら?」
    「まだですよ!我々の目的は、あくまでもあの指揮官…」

    そうだ。
    朱桜司がこの場にいる時点で気付くべきだった。
    ナギ先輩たちが戦っているのは、朱桜司率いるKnightsの分隊のはず。
    なのに、それを率いてるはずの朱桜司は、今オレの目の前にいて…しかも、部隊を動かしたのは陽動だった。
    なんのための?どうやら狙いの人物がいるらしい。…オレたちEdenは4人しかいなくて、その中で指揮官、なんて呼ばれるのは……

    「…七種茨ちゃん」
    「!」
    「どこにいるのかしら。教えてくれない?」
    「……っ!」




    そこからオレは何とか鳴上嵐の腕から逃げ、2人を掻い潜りやっと街を離れられそうな時に通信を行えた。
    しかし、それもどこからか妨害されてしまって肝心なことがなにも伝えられていない。
    …けど、クソッ。頼む、気付いてくれ。
    搔い潜った、と言っても未だにこの街であの2人に追われる始末だ。

    「はぁっ、はぁっ……!」

    ある程度距離を開かせたはずだ、そう思い息を整えるために近くの建物に転がり込んだ。
    そこで改めて通信をしてみようと、耳の端末に触れる。

    「…ああ、やっぱだめか…!」

    聞こえるのは、ザァザァと流れるノイズ音だけ。
    額の汗を拭い、窓から外を窺う。姿は見えない。
    考えろ、考えろ。オレだってEdenの一人で、ここまでやってきて…。
    こんなところで、終わるわけには……

    『……ン、ジュン。ジュン!聞こえますか、聞こえたら返事をしてください!』
    「⁉︎」

    端末から聞こえるノイズが、次第に聞き覚えのある声に変わる。
    こちらへ必死に呼び掛ける、茨の声だ。

    「いば、」
    『静かに』
    「!」
    『聞こえているのなら何よりです。ですがそのまま黙って、息を潜めていてください』
    「………」

    その指示で冷静になり、オレは姿勢を低くして素早く呼吸を落ち着かせる。

    『通常の回線がハッキングされてしまったので、別の回線を開いて繋げていますが…この通信もいつまでもつかわからないので、ただ聞いてください』

    つい頷くと、その間すら見えているかのように、絶妙なタイミングで茨は続ける。

    『自分は今、ジュンがいる街が一望できる場所にいます。脱出を手伝うために今から指示をするので、合わせて動いてください』

    屈んだ姿勢のまま、茨の指示を聞き逃さないよう耳をすます。
    すっと前を向く。

    『さあ、まずはその建物から出て。──いきますよ。3、2、1…』

    ふぅ、と深く息を吐き、茨のカウントが終わると同時に建物から飛び出す。
    すると今まさにこの建物へと向かってきていたKnightsの2人が目に入る。
    お互いに視認すると、2人は瞬時に剣を抜く。

    『ジュン!そばの電光掲示板を蹴る!』

    オレは茨の指示が予め分かっていたかのように、体が自然に動き、壊れて消えかけの電光掲示板を2人目掛けて思い切り蹴った。
    ガン!と鈍い音を立てて目の前に飛んでいく。

    「きゃあ!」
    「鳴上先輩!」

    バチッと放電しながら向かうそれに、1人が怯み、1人が庇うために前に出る。

    『次!そのまま正面に走って、2人の…』

    ぐっと地面を踏み込み、姿勢を低くする。

    『頭上を飛び越えて、ゲートまで走り抜け!』

    茨の声とともに走り出し、地に落ちる前の掲示板を踏み台にし駆け上がって大きく脚を開いて2人の頭上を飛びこえた。
    転がって着地をし、すぐさま起き上がってゲートへ向けて一目散に走り抜けた。
    ゲートを出る前にちらりと後ろを振り返ると、ぽかん、とした顔でこちらを見ていた2人の姿があった。
    思わず笑みがこぼれてしまったのは、内緒にしておこう。




    ゲートを抜け、街を出てからもオレは暫く走っていた。
    追っ手が来ないとも限らないためだ。
    茨にも言われ、そのまままた偵察に戻ろうとしていた。

    「そういや茨。この通信、おひいさんたちには繋がらないんですか?」
    『ああ、お二人にも聞こえてますよ。ただ、今は取り込んでいまして』
    「まさか、おひいさんたちもKnightsの騎士に…」
    『…そのまさかです。月永レオと、朔間凛月の2人に、苦戦を強いられています』
    「マジか!なら、オレも偵察なんかしてないでそっちに…」
    『いえ、偵察に向かってください。とりあえずうまく立ち回れてはいるようなので…』

    言葉を遮られる。
    こんな時、すぐにでも救援に向かわせるはずなのに。
    少しの違和感を覚えながらも聞くと、茨の声もどこか焦りが感じられた。

    「…もしかして、まだなんかあるんですか?」
    『ジュンにしては、気が回りますね』
    「バカにしないでもらえませんかねぇ?」
    『ふ、失礼。…ええ、そうですね。自分が警戒しているのは、残りのKnightsの1人です』
    「あ…」

    この世界の防衛機構、守護騎士『Knights』。
    それは5人の守護騎士を中心にある、強大で巨大な組織だ。
    月永レオを筆頭に、朔間凛月、鳴上嵐、朱桜司と、もう1人。

    「瀬名泉…」
    『ええ。今回、5人中4人が出てきている。いえ、それ以上に…月永レオが動いているんです。彼だけ動かないはずがない』
    「確かに…」

    茨に言われて腑に落ちる。
    あの騎士たちはまとまると厄介だが、それ以上に、単体で動かれる方がもっと面倒なのだ。
    なにせ一人で一個中隊を壊滅させられる実力の持ち主たち。
    そしてそんな騎士たちがオレのところに2人、おひいさんとナギ先輩のところに2人。
    それぞれ騎士は特定出来てるが、確かにその中に瀬名泉の姿は確認できていない。

    『困りましたね。自分としては、彼が一番……』
    「…?茨?」

    茨の言葉が途切れる。
    耳を澄ませると、何かがぶつかり合う音が聞こえた。

    「まさかっ…!」

    瞬間、脳裏に最悪の展開が浮かび上がり。
    ぐるっとオレは体を捻り先程の街の方へ向かう方向転換をした…

    『ジュンくん!!』
    「っだあ⁉︎」

    途端に鼓膜を劈く声が響き渡り、その場に倒れた。

    「お…おひいさん、」
    『ジュンくん!ああ良かった、今度こそ死ん…』
    「アンタはオレを殺したいのかよ⁉︎」
    『そんなわけないね!こんな世界だし、生存確認は大事だよね?うんうん、元気そうで何よりだね!』

    空気を読んでるのか読んでないのか、この人の明るさに今は少し救われた。
    体を起こし、通信を聞く。

    『でも、せっかくぼくと話せて嬉しいだろうけど、それどころじゃないね!』

    一方的に話し始めて、何か言い出したよこのアh……ゴホン。

    『今なにか失礼なこと考えたね?今回は緊急事態だから許してあげるけど!』
    「はいすいませんでしたぁ!」
    『ジュンくん、茨は?一緒じゃないの?』
    「は?茨?いや、さっきまで通信で話してはいましたけど、一緒には…。通信も途切れちまって。おひいさんたちも、オレたちの会話聞いてましたよね?」
    『うん?ぼくたちは今やっと通信が繋がったね』
    「え…」

    どういうことだ?茨が嘘をついた?
    ──いや、茨のことだ。多分、オレがあれ以上焦らないように言ってくれたに違いない。
    なら、おひいさんたちに伝えないといけないことがいくつもある。

    「おひいさん!Knightsの狙いは、茨です!」
    『えっ?』
    「何でかは分かんないんですけど、騎士二人が言っていたので間違いないです。それに、Knightsも最後の1人がまだ……」
    『……っ、…!』
    「──あれ、茨?茨!」

    おひいさんたちとは別の場所で、茨のほうの音声が次第に大きく拾われていく。
    呼び掛けても、茨からはなにも返って来ない。
    かわりに、なにが起きているのか。
    それが鮮明に聞こえてきた。

    『……アンタの眼、潰せって言われてんの。大人しくしてくれない?』
    『ふざ、けんな!誰が……』
    『あ〜〜、チョ〜うざぁい!抵抗すんなって言ってんだけど⁉︎』
    『がっ……!あ、ああぁっ!』

    「……っ!」

    茨の叫びが聞こえたと同時、完全に音声は途切れた。
    そのあとにはノイズが走るだけで、もう確認の術もなかった。

    『っ、凪砂くん!』
    「!」

    次に聞こえたのは、焦るおひいさんの声。

    『…そこを退いて、日和くん』
    『駄目、退かないね。…今ぼくたちがここから離れたら、あの2人も向かわせてしまうことになる。ただでさえ、まだ…』

    茨を心配して駆け出そうとしたナギ先輩を、おひいさんが止めたようだった。
    そして、2人は未だKnightsたちとの交戦中であることも分かった。

    「おひいさん…」
    『だからジュンくん。君に、お願いがある』

    少し落としたトーンの声音が、真剣さを物語った。
    ──オレに、託してくれた。

    「分かってます。行きます」
    『…うん。ありがとう。ぼくたちも、あの2人を蹴散らしたら向かうからね!死んじゃ駄目だからね!』
    「だから殺すなっての!」

    ほんっと一言多いんだよなあ!
    内心愚痴をこぼしながら、一つ伸びをする。

    「うっし。───ナギ先輩。ひとまず、茨のことはオレに任せてください」
    『……ジュン。お願い、茨をっ……、』
    「もちろん、ばっちり助けてやりますよぉ!」

    言われる前にオレは走り出していた。
    悲痛なナギ先輩の声を聞いて一層気合が入り、地を駆ける足も疲れを感じさせない。
    通信で拾えてた音や、先ほどのオレとやりとりした場所など心当たりを頼りに、全神経を研ぎ澄ませ、茨を探しに向かった。



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    Replies from the creator

    shiraseee

    DONE凪砂くんが眠る茨を見つめて、かわいいなぁ、好きだなぁ、と思うおはなし。同棲している凪茨。
    茨は眠ってるだけになってしまいました。

    新年書き始めとなりました。とんでもなくふわふわとした内容ですけども…こういう凪茨が好きなので、今年もこんな感じのを書いていきます。
    暇つぶしにでもなりますと幸いです。
    拙作ばかりですが、たくさん書いていきたい!どうぞ今年もよろしくお願いします。
    しあわせの風景────────

    薄ら開いては閉じを繰り返す瞼に、注ぐあたたかな陽射し。まだ少し重たいけれど、微睡みから目覚めていく意識が次に捉えた柔らかな匂いに幸福感すら覚え、覚醒していく。
    日向より私に近しい匂いは、すぐそこにある。
    すん、と小さく鼻を鳴らして吸いこんだ。再び眠りに誘われてしまいそうになる安堵感と、心地良さ。この匂いにほだされ、自然と求めてしまう。
    随分そばにあったぬくもりも抱き締め漸く開いた私の視界は、見慣れた暗紅色が埋め尽くしている。
    「……茨…」
    「……………」
    「……?」
    ───珍しい。ぴくりとも反応がない。
    普段なら名前を呼べば起き上がるとまではいかずとも、私の声を聞けば、ふと長いまつ毛を持ち上げ茨の美しい青に私を映してくれることが常だった。その時の、茨の世界にまず私が在れるひとときに期待して暫く様子を見ていても、瞼は開くどころか、かたく閉ざされたまま。どうやら茨は、無防備にも私の腕の中で熟睡している。
    2000

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