AM 00:12 明日のチームでの練習メニューやスケジュールを確認し終えたところで、スマートフォンが震える。画面を横目で確認し、表示された名前に口角が上がらないように思わず咳払いをした。
「冬弥? どうした」
『彰人。すまない、こんな時間に』
「ん。別に構わねえよ。起きてたしな」
『そうか、それならよかった』
少しだけくぐもった声は、離れて過ごす夜だけが有するものだ。
何か言いたそうにしている冬弥の気持ちを汲み取ってやりたいが、小さな端末越しから鳴る音声では表情はなかなか読めない。もう一度尋ねるために口を開いたところで、しかしそれは間抜けな音を発するだけとなる。
『彰人が夏休みの宿題を終わらせたかどうか気になって眠れなくなってしまった』
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