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    kanaemon302

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    ワザ犬で使ったpcコンビシロクロの小説

    2人で料理をしてみたが途中で塩と砂糖を入れ間違えたことに気付かず、出来上がってからお互いに相手のせいとある休日。
    珍しく仕事が休みであり、久しぶりの休日を楽しんでいると、
    「クローーー!!!」
    扉を蹴破らんばかりの勢いでシロがやってきた。手には大きな袋を持っている。
    「なんだよいきなり」
    急に家に来るのはいつもの事なので気にせず用件を聞くと、
    「これ作ろ!」
    と言ってスマホを見せてくる。
    何が写っているのかと覗けば、そこには犬の形をしたパンがあった。
    SNSにあがっている写真なので、おそらくそれを見かけて突発的に作りたくなったのだろう。
    「作るったって材料も何も…」
    「あるよ!」
    俺がボヤけば、元気よく袋を掲げてくる。
    どうやら材料を調達してからここに来たようだ。
    「用意周到な事で…」
    ため息をつく俺をお構い無しにキッチンへと引っ張っていく。
    こうなっては何を言っても無駄なので、大人しくパン作りへと参加する。
    別段2人とも料理が下手な訳では無く、レシピを見ながらなので、調理自体はサクサク進む。
    「これ形成が難しいんじゃ…」
    「鼻がちゃんと乗らない…」
    「…これへこませないとチョコが溶けてホラーになるな…」
    まぁ多少は苦労をしたが、その苦労とかかった時間に見合ったものが焼きあがった。
    「できたー!」
    「おぉ、いい感じじゃん」
    焼きあがったパンを皿にとりわけてテーブルの上に運ぶ。
    俺が運んでる間に、シロは冷蔵庫から牛乳を取り出している。
    「牛乳飲むのか?」
    「チョコのパンだと牛乳の方が合うと思って」
    「あーね。俺の分も入れて」
    「りょーかい」
    食べるだけの準備をして、いざ実食。
    「…」
    「…うぁ…」
    ………これはまさか
    「ねぇこれ…」
    「言うな。何も言うな」
    「砂糖と塩が逆…」
    「言うなよ…!」
    そう。一口食べてすぐに分かったが、猛烈にしょっぱい。
    どうやら砂糖と塩を逆にして入れていたようだ。
    「なんで気づかなかったんだ…」
    「2人とも全然気づかずに焼いちゃったねぇ」
    「生地練ってる時にわかんなかったのか」
    「それ言ったらクロだってチョコ溶かしてる時に気づかなかったの?」
    「気づかなかったからこれができてる」
    「以下同文」
    「ごもっとも」
    2人でやいやい言い合いながら失敗したパンを消費していく。
    チョコのパンと言うには塩辛すぎるが、牛乳がある事で何とか完食できた。
    「ごちそーさまー」
    「まさかこうなるとはな…」
    「もう言ってもしょうがないじゃん」
    「そうなんだけどな…」
    皿を片付けながら、作るのに使ったものも片付けていく。
    「次用に砂糖と塩分かりやすくしとくか…」
    「え?次?」
    「あ?」
    不思議そうな声がしたので振り向くと、ぽかんとした顔のシロ。
    だが次の瞬間にはニマニマしだした。
    「…なんでもなーい」
    「おいなんだそのにやけヅラ」
    「なんでもないもーん」
    皿や牛乳を片付けたシロはそそくさとキッチンから出ていく。
    「…?なんか変なこと言ったか?」
    不思議に思いながら皿やボウルを洗い片付ける。
    片付け終わったところで玄関からシロに呼ばれた。
    「クローー!」
    「なんだよ」
    そのまま玄関に向かえば外に出る準備を終えたシロがいる。
    「外行こ!」
    「えぇ…。わざわざ休日に外出たくないんだけど」
    「いいから行くぞ!」
    そう言って腕を引っ張ってくる。
    「まてまて。せめて靴を履かせろって」
    「はーやーくー!」
    急かしてくる腕を避けながら靴を履き、家の鍵を閉める。
    「それで?どこ行くんだよ」
    「あたしン家!」
    「なんで?」
    「クーくん見に行こ!」
    そう言って再度腕を引く。
    「わかったわかった。」
    引っ張られる腕に抗うことなくそのままシロについて行く。
    こいつの急な訪問や連れ出しをめんどくさく思う時はもちろんある。
    でもこうして結局ついて行っている時点で、とっくに絆されてるし、関係を終わらす気はないのだと自分でも自覚している。
    傍から見れば男女にしたは距離が近いと思われるだろうが、こいつから離れていかない限り、俺はこの関係を解消するつもりは無い。
    なんだかんだ、この関係を気に入っているのだ。
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