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    akaihonoga39391

    @akaihonoga39391

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    akaihonoga39391

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    センシティブな自撮りがテーマのキスディノ。
    本番行為は書いてないけど、ちょっといかがわしいのでワンクッション挟みます。
    激しく本能的に求められたいデの話。

    金の鎖も引けば切れる  初めて体を重ねたのは半年前。
     素肌が触れ合うことで得られる相手の体温だとか、荒くなった呼吸の音だとか。初めて見る互いの知らない姿に、昂る気持ちを抑えられなかったのは当然のことだろう。そうして一回目を終えてしまえば、相手のことがもっと欲しくなるのは仕方のないことだった。二人は心身ともに深いところを求め合うよう、最低でも二週間に一回のペースで繋がり続けてきた。温かい中にも激しさのある交わりに、不満なんて一つもない──そのはずだった。
    「……足りない」
     ふと漏れ出た自分の声に、ディノはハッとして目を見開いた。しかし、まだ流し途中だったシャンプーが目に入ってきたため慌てて目を閉じる。
    「何考えてるんだろう」
     シャンプーを流し終えたディノは、コックを捻ってお湯を止めた。キースのアパートのシャワーは、しっかりとコックを閉めないと水がポタポタと垂れてくる。硬めに閉めたことを確認し、ディノは一つ息をはいた。顔にはりつく前髪を全て後頭部へ撫で付けるようにして流し、ゆらりと顔を上げる。すると、壁に備え付けられている鏡の中の自分と目が合った。
     まだアカデミーに在籍した頃、同級生から性的なこととは無縁そうな顔だと称されたことがある。しかし、それは全く持って見当違いだとディノは思った。
     キースともっと交わりたいと思っている自分がいる。それは、頻度を増やしたいというわけではない。もちろん、頻度を増やせたらそれはそれで良いとも思っているが、ディノの願いは別のところにあった。
     ──理性も優しさも全て捨てて、本能のままに求められてみたい。
     それがディノの望みだった。決してキースの行為が物足りないとか、気持ちよくないというわけではない。ただ、優しすぎるのだ。ディノの体にかかる負担を思ってのことだと理解はしている。それでも、その優しさがディノにとってはもどかしかったのだ。
     もっと激しく、もっと深く、そして本能のままに──そんなことを考えている自分は、ひどくはしたないのではないか。そう思い至るたび、ディノはほんの少しの自己嫌悪に陥った。それでも、体は欲に正直だった。シャワーを浴びる前にトイレで洗浄してきた尻の中が、物欲しそうに疼く感覚に陥る。もうすっかりキースの物の形を覚えているそこは、ちょっとやそっとで壊れることはない。だから激しくして欲しいとストレートに伝えれば良いのだが、そう言ったところでキースは聞き届けてくれないだろう。きっと今夜も、あの大きな手で余すことなく体を愛撫し、時間をかけて尻の穴をほぐしてから、じっくりと体を繋げるのだ。
    「っ」
     その感触を想像しただけで鼓動が早まるなんて、とディノは自分のことを呆れたように笑った。
    「……何もアクションを起こさないなんて、俺らしくないよな」
     うんうんと一人頷いたディノは、気合を入れて頬を両手でバシンと叩いた。直接言ってもダメだと思うのなら、キースをその気にさせれば良いだけの話だ。単純とも言える結論に辿り着き、意気揚々とシャワールームから出たディノは急いで髪を乾かした。その途中、脱衣所に置かれたキースのスウェットに目を止める。おそらく、この後シャワーを浴びるキースが身につける物だろう。
     彼シャツ、という言葉があるらしい。恋人の服を着ることを指すらしく、相手の興奮を誘う一助になるとネットで見かけたことを思い出した。効果のほどは知らないが、やってみる価値はあるかもしれない。幸いスウェットは数枚重なっていたため、ディノはそのうちの一枚を拝借した。
    「キース、シャワーありがとう」
     何食わぬ顔でディノがリビングへ戻ってくると、そこにキースはいなかった。
    「トイレかな?」
     ローテーブルの上には、キースのスマホが放置されていた。画面が上を向いており、ロックは解除されたままだ。
    「不用心だな……キース!スマホのロック画開きっぱなしだぞ!」
     思わずディノが大きな声で呼びかければ、トイレの方からキースの声が返ってきた。
    「ディノに見られて困るものはねぇからいいの!」
     信用されていることを喜べばいいのか、不用心さに呆れれば良いのか。チラリとホーム画面を見ると、背景画像はいつの日かデートで共に訪れた海辺の写真だった。
    「……」
     ──もしこれが、自分の写真に変わっていたらキースは驚くだろうか。
     不意に頭の中に浮かんだのは、そんな疑問だった。しかも、ただのディノの写真ではなく性的興奮を覚えそうな画像だったら、少しは理性を崩せるのではないだろうか──なぜそんな思考になったのか、ディノ自身にも分からなかった。しかし、そんなことを考えてしまうくらいには、キースに激しく求められたかったのかもしれない。
     一種悪ノリとも言えるような好奇心にディノは抗えなかった。キースがトイレから戻ってくる音はまだしない。ディノからすれば、何をどうすれば性的興奮を誘えるのか分からなかったが、とりあえず肌を見せておけば良いかと判断する。
     身につけたキースのスウェットの裾をガバりと持ち上げて、口で咥えた。腹だけ晒すのでは物足りないだろうかと、スマホを持っていない方の手をズボンと下着にかける。ギリギリ性器が見えるか見えないかまでのラインまで下ろすと、ディノはシャッターを押した。急いで画像を確認するが、果たしてこれは正解なのか。
     まあいいか、と軽い気持ちでディノはその画像をキースのスマホのロック画面に設定した。ホーム画面ではいつ気づいてもらえるか分からないからだ。カメラロールから写真を削除し、元通りにローテーブルへ戻したところでキースが戻ってくる。
    「ディノ、お前のスウェット置いておかなかったか?」
    「あったけど借りちゃった」
    「……ふーん」
     あ、今の顔はちょっと嬉しそう。
     満更でもなさそうなキースの反応に、ディノは内心ガッツポーズを決める。
    「オレもシャワー浴びてくるから、先にベッド行ってろよ」
    「うん。キース、スマホ」
    「ありがとな」
     ディノはキースにスマホを手渡すと、そそくさとその場を後にした。キースがいつロック画面に気づくのかと心臓がうるさい。素早く寝室へ続く階段へ足を乗せたところで、後ろからゴトンと大きな落下音がした。続いて、ディノの体は浮遊感に包まれる。
    「うわっ⁉︎」
     そのまま重力に逆らうようにして、ディノの体は背中から後ろへと引っ張られ、やがて温もりに受け止められた。
    「……キース?」
     もうバレたかとディノが恐る恐る首を捻ると、今までに見たことのない顔をしたキースと目があった。
    「ディノ」
    「えーっと」
    「それはなんだ?」
    「怒ってる?」
    「怒ってねぇ」
     そう言ってキースはぎゅっとディノを後ろから抱きしめて、大きなため息をついた。
    「誰の入れ知恵だ?」
    「俺発案なんだけど」
    「どうして?」
    「……興奮して欲しくて?」
     疑問系で返せば、ディノの尻にキースの昂りが擦り付けられた。
    「お前さ、いつも思ってんだけど……どうしてそうやって煽るわけ」
    「だって」
    「我慢できなくなんだろ」
     気づけばキースの瞳は興奮したような熱を宿していた。狩猟本能にかられた獣みたいだ、と思いながらディノは背筋がゾクゾクとする感覚を覚える。
    「やっぱり、いつも我慢してたんだ」
    「……大切にしてぇんだよ」
    「俺は、もっと本能的に求められてみたい」
     するりと口から出た言葉に、キースは驚いたように目を見開いた。
     本当にいいのかと期待する色が一瞬ではあるが浮かぶ。そのサインを見逃すほど、ディノは鈍感ではない。思わずにやっと口の端をあげれば、キースはグッと眉を寄せながらディノを睨みつけた。
    「なに笑ってんだよ」
    「もっと欲しがってよ」
    「……あ?」
    「キースの欲を抑えないで。我慢しないで、理性も捨てて」
     ギラギラとした目をしたのは、果たしてキースなのかディノなのか。そのまま床に押し倒され、再びディノがシャワーを浴びる羽目になるまであと三時間──
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