独り占め「はくしゅんっ」
くしゃみをした次の瞬間、熱い湯船につかっていたブラッドリーが飛ばされたのは西の魔法使いが多く集うパーティ会場だった。
西の国の魔法使い達は突然現れた全裸の男に引くこともなくわっと群がった。
「やあ君!いったいどこから現れたの?」
「なんて美しい肉体だ。まるで古代都市の彫刻のようだ」
「まあ凄い傷跡!」
「おい!勝手に触んな!!」
べたべたと体を触る手を引き離そうとしたブラッドリーの手に誰かがシャンパンの入ったグラスを握らせる。
一目見て上物と分かったブラッドリーは反射的にそれを飲んだ。
「あ? うめえじゃねーか」
「そうだろうそうだろう! 我々の出会いと素晴らしい酒に乾杯!!」
「おいおい!こぼれる」
1987