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    Houx00

    @Houx00

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    色々ぽいぽいするとこ
    こちらは二次創作です。ゲームのキャラクター、公式様とは一切関係ありません。

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    Houx00

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    ウは付き合ってると思い込んでてなおかつ肉体関係あるウハ♀。二人はハピエン。㌥は初恋迷子
    【注意】当て馬がいます。ひひん
    【注意】捏造が至る所にあります
    自然を愛する男は三千世界の鴉は殺さず懐かせて懐柔すると思う
    添寝ではなく朝寝だからいつものオチ

    花いちもんめ❀❀❀❀❀❀❀


     女の子ってもっとふわふわして柔らかいものだと思ってた。
    「泊まっていかないの?」
    「うーん…今日はいいです。あっ、明日の朝練遅れないでくださいね。じゃあ私はこれで。おやすみなさい、教官」
    『送っていくよ』の一言も言わせてくれない愛弟子はさっさと着物を着込むとあっさり我が家を出ていった。
     残された俺はと言うと乱れた敷布の上で置いてけぼり、下着も着けず掛布で隠したまま、湿った布団に座って静かな玄関を見つめる。そこには愛弟子の影すらもうないのに、さっきまで自分の抱いていた存在は幻だったんじゃないかと思った。
    「今日は、じゃなくていつもでしょ」
     それでも、寝そべってすがった敷布に色濃く残った彼女の香りがする。こんな布団で独り寝なんて、なんてひどいんだ俺の愛弟子は。
     女の子ってもっとふわふわして柔らかいものだと思ってた。
     でも俺の愛弟子は、とげとげして硬くて冷たい。
     


     きっかけは特別なことがあったわけじゃない。
     でも愛弟子との毎日が特別になったのはそう最近のことでもない。
     二人で数々の困難を乗り越えて、数多のモンスターを撃退し、彼女の生命力と何度倒れても折れない強さに惹かれて『欲しい』と思った時には手を出していた。
     いや、出された? 初めては愛弟子のほうから誘ってきたし、…うん、でもそこはお互い様ということで。だからお互い惹かれてのことだと思っていたし、今も思っている。
     それが教官にあるまじきなんて思ったのは一瞬だ。
     手塩にかけて育てた愛弟子だし、それ以外にもそうさせる何かが彼女にあった。ハンターは、さっきまで談笑していた相手の首が次の瞬間には地面に転がっているような生活だ。愛してやまない愛弟子に死なない、俺を置いていかないと信じられる稀有な存在にまでなられたら、惹かれるなという方が難しい。
     ただ、俺もハンターだから気性の強い女性はたくさん見てきたし、里の身近な女性陣も活発なほうだし。女性に夢見るほど若くもないけど、愛弟子くらいの年代の女の子ならもうちょっと甘えてくれてもいいんじゃないかと思う。
     初めは独りになってからの時間で彼女になにか無理強いをしたのか、嫌われたのかと思い悩んで眠れない夜を過ごしたこともある。
     最近はそれでもうちに通う愛弟子の様子を見て自分の中で折り合いをつけられるようになったけれど、淋しいものは淋しい。
    「腕枕なんて贅沢は言わないけど、せめて添い寝くらいはしてくれてもいいんじゃないかなぁ…」
     屋根の上から独り言ちた視線の先で、ヨモギちゃんと楽しそうに話す愛弟子がこちらを向いた。
     俺が手を上げて声をかける前にふい、と背を向けてヨモギちゃんにも別れを告げたらしい彼女が茶屋を離れる。
     師弟の線を越えてから万事、愛弟子はあの調子だ。
     会話は出来るけど、あくまで業務連絡や狩猟について。これまでみたいに雑談や私的なことは話すきっかけも時間もくれない。
     なのに夜になると俺の布団に忍び込んでくる彼女の考えていることが心底解らなかった。
    「まさか…俺の体が目当て…?」
     いやいやそんな、こんなおじさんの体を弄ぶ趣味が愛弟子にあるわけ…。でも一回寝たら相手の態度が冷たくなったなんてよく聞く話だし、主に女の人からだけど。
    「いいや! 俺の愛弟子がそんなことするはずない!」
    「先程から丸聞こえですよ、ウツシさん」
     そう言って屋根の下から照らす里の太陽の笑顔はめずらしく呆れを含んでいた。
     


     それからも愛弟子の態度は変わらず。でも、求められる頻度が増えはしても減りはしない。
     そして夜に限らず、昼間も場所を選ばず誘われるようになった頃。
    「この里には素晴らしい花があると聞いて来た。ぜひ御目通り願いたい」
     唐突に集会所にやってきた男はハナモリさんではなくギルドマネージャーに声をかけて怪訝な顔をされていた。
     そうしてなぜかゴコク様が俺を指名して男の案内役を仰せつかる。それまでの二人の会話はオテマエさんの隣でしっかりと聞き取っていた。
     聞き取った上でなぜ、ゴコク様は男を追い返してくれなかったのか理解に苦しむ。
     男は花見に来たらしい。
     花見と言ってもよりにもよって里の桜花を名指しした男に、その栄えおとめを愛で抱く男に娘のもとまで案内しろと趣味の悪いことを仰る。
    『俺と愛弟子の関係は皆さんとっくにご存知でしょう』と口から出かけた言葉は覇気ある男の「よろしく頼む」と差し出された右手にかき消された。
     
    「噂に聞く花は今がまさに盛りだそうだな」
    「ええ、ハンターとしてもあぶらがのって」
    「それは楽しみだ」
     男は集会所を出ても相変わらず自信満々といった笑みを浮かべて隣を歩く。見たところまだ若いが堂々として貫禄がある。
    「私は強い女が好きなんだ」
     聞けば男は豪商の生まれで、商いばかりの生家に嫌気が差して鍛錬に明け暮れ、いずれは家を出て世界中を飛び回るハンターに…と夢見ていたが狩り場に出る前に年老いる両親をかえりみて今は家におさまり跡を継いだらしい。
    「だから私の代わりに私の夢を叶えてくれる強い女がほしい。子も産ませてその子をハンターにしたい。金なら不自由させないつもりだ」
     まるで店先の玩具でも欲しがるように軽々しく男は言った。悪気はないんだろう。純粋に期待に目を輝かせているのがわかる。そして理由は違えど強い女に惹かれるのも痛いほどわかる。わかるけど…。
     客人となればむげにも出来ず、妙な親近感と反発心を持ってしまった頃に俺たちは闘技場に着いた。彼女は今、闘技場で狩りのおさらいをしている。一人で集中したいからと追い出されたのに客人を連れてきたら怒られるかもしれない。
     そういえば、愛弟子とそうなってから彼女の怒った顔を見てないな。怒った顔も可愛いのに。変に聞き分けがよくなって、以前のようにぶつかってくれない彼女を思い出してまた、俺の胸中に一抹の不安が過った。
     
    「素晴らしい、これは噂以上の逸材だ」
     客席から闘技場を見下ろした男は満足げに頷いた。闘技場では愛弟子がモンスターを相手に武器を奮っている。翔蟲を駆使し、空高く飛んだ愛弟子にまた男は興奮した声で言った。
    「あの子がほしい!」
    「あの子じゃわからないな」
     思わず口をついた言葉は自分でも嫉妬を滲ませているのがありありとわかる。愛弟子が褒められて嬉しいはずなのに、男の目的を知った今では素直に喜ぶことも出来なかった。むしろさっさと追い返さなければと気ばかり焦る。
    「おや?」
     じっと俺の横顔に注がれる男の視線にそちらを向くと男は俺の肩の防具に手を伸ばした。
    「この里には濡羽色の髪をした美人が多い。受付の竜人は姉妹だろうか。よく似ていた。その中でもこの長さの髪をしたあの子が一番好みだ」
     ジンオウガの毛皮を撫でた男は俺の肩から一本、ヒノエさんやミノトさんよりも短い黒髪をとってみせる。日に照らされて艶々と輝く髪の向こうで男は意味ありげに笑った。
    「ただの教官にしてはこの子を見る目が違うと思っていたが、なるほど。火遊びはよくないな、火傷は怪我の中でも厄介だ」
    「猛炎に抱かれて火傷で済めばいいけどね」
     男は変わらず手の中の黒髪を撫でる。
     闘技場でモンスターと睨み合う愛弟子の邪魔をしないため、それは俺のものだと掴みかかるのを必死に耐えた。
    「まぁ、私は過去のことはなにも気にしない。ただ、この子が欲しい」
    「この子じゃわからないな」
     うっとりとした目でまだ髪を愛でる男からさり気なく奪い返した髪は間違いなく愛弟子のものだ。
     闘技場を訪れた愛弟子と今日もほんの数刻前、もつれ合っていたのだからその時のものだろう。その時『続きは夜に』とおあずけを食らった俺の機嫌がいいはずもなく。いや、男が現れるまでは良かったんだ。別にそういうのも嫌いじゃないし。
    「色男は匂いも色男か。まぁいくら師弟とはいえ、こんな色男が相手じゃ何があっても仕方ない」
     一歩近付いて、すん、と鼻を鳴らした男がこちらを見上げた。
    『わかっているぞ』とわざとらしく目で告げる男が腹立たしい。
    「なら、引いてくれないか?」
     苛立ちながら意識して言葉を選んだせいか口が上手く回らない。
     笑顔も出来ていたかわからない。
     怒っても疲れるだけなのに、なのに。
     あの子のことになると感情を掻き乱されずにはいられない。
     そしてしばらく見つめ合うと男は静かに告げる。
    「よろしい、相談しよう」
    「そうしよう」
     


    「ゴコク様のお屋敷の隣のおばさんが言ってたんですけど、カムラの里に鬼が出たそうですよ。今日いらしていた旅の方が見たそうで」
     ふふ、と笑いながら言った愛弟子が一糸纏わぬ姿で俺の胸の上に寝そべっている。その髪を指ですきながらやっぱり一本足りとも誰にも渡すまいと誓った。
    「鬼蛙のことかな?」
    「いいえ、きちんと角が二本。鋭い爪もあったそうです」
    「ならゴコク様じゃないね」
    「きっとなにかの見間違いです。こんなに平和な里にそんな怖いもの出ませんよね?」
    「もし出たら俺と愛弟子で追い払おうか」
    「閃光玉は効くと思いますか?」
    「目があるなら効くんじゃないかい?」
     一番効くのはキミを失うことだけど、と胸の中で思う。
     見慣れた我が家の景色の中で、男の顔に突きつけたクナイは素知らぬ顔で棚に納まり、壁にかけたジンオウガのお面は金の角を二つ立てて布団の中の俺たちを見下ろしていた。
     件の鬼の腕の中で愛弟子はめずらしくうとうとと目をしぱつかせている。目を擦ろうとした手をとって握ると抵抗する素振りはなかった。
    「今日は泊まっていく? 疲れただろう?」
    「…ううん、帰ります」
    「そんなこと言わずに居てよ」
    「でも…」
     寝かしつけるように頭を撫で続けている手に頭を上げた愛弟子が頬を寄せた。柔らかくてふわふわした頬は体を重ねる時しか触れるのを許されてない。なのに自ら擦り寄った愛弟子につい欲が出た。
    「今夜はそばにいてほしいんだ」
    「…、…明日はアヤメさんと狩りの約束があって、朝から準備もしないといけないので」
    「…そうか、じゃあ仕方ないね」
    「はい…」
     言葉ではそう言いながら抱き締めた愛弟子が胸の中で頷いた。
     しばらくそのままお互い黙っていると、彼女はハッと起き上がって掛布で胸元を隠す。そしてそそくさと俺の上から降りると辺りを手探りで探り始めた。
    「そろそろお暇します」
     そしていつも通り手際よく着物を着付けた彼女は凛と伸びた背中を俺に向ける。思わずその裾を掴もうと手を伸ばして、考え直し慌てて引いた。
     さすがにそれは子供のすることだ。せめてここは黙って家まで送ることで我慢しよう。それからすぐ自分の脱ぎ捨てた夜着に手を伸ばすと、その物音に濡羽色の髪を散らして振り向いた愛弟子と目が合う。
    「どうかしましたか? 見送りなら結構ですよ」
     そうしてまた冷たくあしらわれたら氷漬けられたように俺の体は固まった。口以外は。
     …望むらくは烏の羽のように黒く艶のある頭を抱いて、
    「キミと朝寝がしてみたい」
     俺は教官だから狩猟と聞いては万全の体制で向かわせなければと今回は引くけれど、今度は事前に予定を聞いて抱き潰してしまおうと今、決めた。そうだ、動けるから帰ってしまうんだ。そんな余裕がなければ帰るのも億劫になるはず。うんと甘やかしてこの体に堕としてしまおう。
     それからゆっくり二人で朝ごはんを食べて、そのままいっそ住み着いてくれたら…彼女のつれない態度に戸惑っていても俺は彼女を生涯の番だと思っている。毎夜毎朝、愛弟子の寝顔が見られたらそれほど幸せなことはない。
     作戦を実行してもし、はしゃぎすぎて怒られたらその時は土下座して許しを請うとして…。
     そんな決意の最中に彼女はそのまま動かない。
     いつもならさっさと出ていって玄関の戸を閉めている頃なのに。そう思っていると愛弟子は俺の前に膝をついて頬に手を添えてきた。
    「愛弟子?」
    「…失礼します。」
     頬に触れた暖かい感触は愛弟子の唇だと思う。
     思う、と曖昧なほど一瞬、触れただけのそれに瞬きをするとこちらを見下ろす愛弟子がふと、笑う。
     それがここ最近見慣れた大人びた笑みじゃなく少女のように無垢なはにかみで…きゃわいいとは思えど毒気を抜かれて寝床に連れ込むことは出来なかった。
    「おやすみなさい、教官。また明日」


     
     教官は教官で、私は教え子で。
     それに教官もおとこのひとだから他のハンターの男の人がお酒の席で言うように『面倒事は嫌』なんじゃないかと思ってた。
     私もハンターだし、一期一会で刹那的なハンターの付き合い方くらい知ってる。明日、生きてるかもわからないハンターたちはお互いが傷付かないように口約束を嫌って、深入りは避けて関係を続ける人も少なくない。
     恋に夢見ていた私はそんなこと…と思っていたけど、現に教官は約束らしいことはなにも言ってくれなかったし、好きだと言われたこともない。
     教官としては私のことを可愛がってくれていても、彼本人が何を考えているのかは彼しか知らない私には解りかねた。
     それに関係を拒まないのも教官は優しいから、私が愛弟子だからだと思ったりもして…。教官はどこまでも教官で、いつもことさら優しく触れられるのも怪我の手当でもされているようで心地良いのに虚しくなる。だから事が終わるとまだ離れたくない体温と無理やり別れを告げていた。
    『キミと朝寝がしてみたい』
     でも今夜はすぐに玄関を立ち去れそうにない。
     明日の予定がなければあのまま私は教官の隣に再度、潜り込んだと思う。
    「その言葉…期待してもいいんですか? 教官」
     三歩進んで座り込み、顔を隠した私の声は喜びに満ちている。

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