三浦常春

カクヨム在中の物書き。三度の飯より書くことと寝ることが好き。たまに絵も描くよ。
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☆こそフォロ リクエスト おふせ
ポイポイ 2

三浦常春

作業進捗ぼそぼそ書いていた番外の一部(下書き)です。
現在18000文字で全体の3分の1くらいしか書き終わっておらず、最後には何文字になるか……(震え)

『竜の瞳の行く末は』、第1章に登場した老婆プランダ・ベッカーに焦点を当てた作品です。

誤字脱字があったら、こっそりでも堂々とでも教えていただけると助かります( ;∀;)
砂漠の魔女が生まれるまで(『竜の瞳の行く末は』外伝) ある晴れた日のこと、シュティーア王国王都の一角に怒声が響き渡った。
「泥棒ー!」
 賑わいを切り裂く野太い怒号と、それから逃げるように人混みをかき分ける浪人が一人。腕にはひしゃげた皮の袋が握られていた。浪人の足取りはどことなく頼りない様子であったが、速さといえばさながらハヤブサのよう。怒号を引き離して中央街から離れようとした。
 ちょうどその時である。
 青みがかった髪を揺らし、女が群衆を追い抜く。膝丈の外套(コート)を翻し、皮帯(ベルト)に差していた杖を引き出して、素早く詠唱した。
「……『水の精霊よ、我に力を――!』」
 杖の先に水が集まる。言葉に応え、形を変えた魔力が泥棒の足へと絡みついた。どしゃりと無様にも倒れ伏す泥棒は、はっとして足を振るが、魔術が解けることはなく。薄汚れた革靴を、貧相な下履きをずしりと重くしていた。
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