a question and an answer「っ……づぅ…」
まさに這う這うの体で豊前は玄関横のスイッチに手のひらを押し付ける。白熱灯がぴかりと照らし出したのは日中の熱をむわりと溜め込んだ我が家の廊下。普段は帰宅する時間に合わせて部屋が冷えているようにクーラーの予約をしているが、3日間の出張の間は電気代の節約にと設定を切っていたのだ。
帰宅したらこうなることはわかってはいたが、今となっては部屋が冷えるまでの辛抱だと運転予約を切って家を出た自分が憎い。とにもかくにも部屋の熱をなんとかしなければと遮光カーテンと窓を開け放ち、リモコンを掴みとるようにしてクーラーのスイッチを入れ、暑さでどうにかなりそうな身体を冷まそうと冷蔵庫を開けた。
「あ〜……生き返る……」
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