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    nanana

    @na_7nana

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    nanana

    PAST文アルでマリみてパロ

    【姉妹】:学園生活を規律正しく円滑に過ごすために、指導者役になる上級生が下級生と「姉妹」になる。上級生、下級生いずれも1対1で行うものであり、複数の「姉」、「妹」を持つことは出来ない。
    【山百合会】:生徒会。選挙で選ばれる役員は紅、白、黄の3人の薔薇さまだけだが、3人だけでは手が足りないため、手伝いとして妹である薔薇のつぼみ、さらには薔薇のつぼみの妹が常時働いている
    マリみてパロ詰め1.多喜啄
    たきじ(1年)とたくぼく(3年紅薔薇様)

    「あ」
     とお互いに声が出た。

     いつものように昼休みに聖堂の隅にある小部屋に逃げ込もうとした時の事だった。そこは何に使っている部屋なのかはよく知らない。知っているのは小さい部屋で滅多に人がこず外にも声は響かないということだけ。誰もいないだろうと信じ切って開けた部屋に先客がいたのだ。
     相手の顔は酷く狼狽していた。一年生だろうか、見たことのない顔である。癖のある柔らかい猫っ毛が肩のあたりから伸びている。床に座り込んでいるからよくわからないけれどやたらと手足がすらりと長い。綺麗な足をしているなと助平親父のような事を思った。
    「先客か?悪い、出ていくから」
     先客がいたのなら仕方ない、出ていこうと背を向ける。こんなところで何をしていたんだろうと聞きたい気持ちもあったけれど、初めて会った下級生に尋ねるなど自分のお姉様のお姉様にあたる先々代の赤薔薇様でもあるまいし聞けやしない。
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    nanana

    DONE見えないものが見えるようになった🏍の話。
    まだくわぶぜ付き合ってはいない。
    ミュ本丸の話ではないですが、少しだけミュの設定お借りしてます。
    雨落つ庭(くわぶぜ)1.

     ゆめうつつで聞く雨音は鈍くどこか柔らかい。初夏の朝、ましてや雨降りの朝は少し肌寒く、豊前はつい先日薄手にした毛布をしっかりと被りなおす。明けたはずの梅雨が戻ってきた、最近の天気はそんな感じだ。もっとも、やろうと思えば審神者の力で季節さえも操れるこの本丸仮想空間では四季などそんなに意味もないのかもしれない。世の中には常春の本丸もあるという。絶えることなく桜花が降り続くというのに、いつまでたっても満開の桜が咲き続けるのは一種の狂気だ、と思ってしまうのは移り行く四季を愛するここの主に影響されたせいなのかもしれない。
     水分を含んだ空気が起き抜けの眠気を加速させる。どうせ今日は非番なのだこのままもう一度眠ってしまうのも良いかもしれない。人の身を得てからというもの、二度寝と言うものは非常に気持ちが良いものだと知ってしまったのだ。その気持ちよさと走り出したい気持ちを天秤にかけて前者を選んだ。雨で外には出られないのだし、今日はもうのんびり過ごそうと布団に体を完全に預けた。
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    nanana

    DONE「愛してるゲーム」をバラエティ番組でするあるばちゃん
    ベッドでのそれとよく似ていたから(シモ樹) 可愛い可愛いヒジュンと、恋愛の意味でも大好きなタツキに「愛してる」だなんて言われてしまえばもう抗うことなんてできやしない。

     バラエティ番組の企画で行われた「愛してるゲーム」。愛してると言われて照れた方が負け、だなんてふんわりざっくりしたゲームは見事に俺の大敗で終わる。
     どれだけ「愛してる」「可愛い」「大好き」と言葉を並べても、まっすぐな瞳で「知ってる」「僕も」と返されるばかりでヒジュンは一つも照れやしないし、いつもは頼み込んだって滅多に「好き」も「愛してる」も言葉にしてくれないタツキに壁に手をつかれて、一言「愛してる」と言われてしまえばもう床に崩れこむことしかできない。
     結局最後はヒジュンとタツキの一騎打ち。何ターンか粘っていたけれど、一向に変わらないヒジュンの顔色とあざとく言葉を重ねられるたびに口が回らなくなっていくタツキに勝負は見えた。両手で頬に触れながら「愛してる、だからずっと僕の隣で半分死んでて」というヒジュンの言葉がとどめだった。それを言われたらダメだって、と笑い転げているタツキの横で誇らしげな顔をしているヒジュンがこれまた愛しい。
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    nanana

    DONEお付き合いしている雷コウin一人暮らしをしている年下彼氏の部屋。
    微睡む白(雷コウ) 中途半端に閉じられたカーテンの隙間から僅かに朝日が差し込む。我ながらよく眠れた方だと思いながら確認した端末は午前五時を示す。グレー色の、まだ薄暗い部屋のシングルベッドに男二人。狭いベッドで床に落ちたら困るとぴったり寄り添ったまま眠って、目の前に見えるのは昨夜自分を抱いていた男の体。
     一番寒い季節は超えたもののまだ朝晩は肌寒い。それなのに面倒だからとパンツだけ履いて布団をかぶって眠りに落ちた男は当然のことながら朝になっても裸のまま。起き抜けでまだ霞がかかったままの頭で目の前の体を見つめた。持って生まれた体格とほどよくつけられた筋肉、こうであればよかったなと思うものをこの男は持っている。
     ぺた、ぺたと掌で胸に触れる。規則正しい寝息に合わせてそこも上下に揺れていた。衣服によって日に焼けないそこは生来の肌の白さがよく目立つ。ぺたり、ぺたりと触れる箇所を下におろして、胸の下からお腹のあたりのでこぼこをなぞる。うっすらと割れている腹筋は、敦豪にも付き合ってもらい筋トレまでしたコウにはどうしても手に入らなかったものだ。
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    nanana

    DONE付き合ってない雷コウ。
    次に会った時には、プレゼントされたのだというもっとよく似合うグレーがかった青のマフラーが巻かれていてどうしてか腹立たしかった。
    吐き出した冬を噛む(雷コウ) 以上で終了だ、と男が持っていた資料を机でトントンとまとめながら告げた時、窓の外には白い雪がちらついていた。数年に一度と言われる寒波は、地元である高知にも、今現在訪れている福岡にも珍しく雪をもたらしている。それがどこか新鮮で少しだけ窓の外をぼんやりと眺める。男もつられたように同じように視線を向けた。
    「雪か、どうりで寒いわけだな」
     二人きりの福岡支部の会議室。ちょうど職員の帰り時間なのだろう、廊下の方からも賑やかな声がする。
    「こんな日にわざわざ福岡まで来てくれた礼だ。もつ鍋でもご馳走しよう」
     こんな日に、というのはダブルミーニングだ。一つはこんな大寒波の訪れる日に、という意味で、もう一つはクリスマスイブにという意味だ。雷我がこの日を選んだことに深い意味はない。たまたま都合のよかった日にちを指定したらそれがクリスマスイブだっただけの話だ。夜鳴のメンバーと予定したパーティの日付は明日だったからクリスマスにはイブという文化があるのを忘れていたせいかもしれない。
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