RGB幸せは小さいほうがいい。その方が、俺の両手でも守りやすいから。
金曜日の朝。初夏の雲一つない青空に白い煙がたなびく。
今日で虎杖悠仁は、言葉通り天涯孤独となった。幼いころに両親を亡くし、それから不器用ながらも男手一つで育ててくれた祖父を見送り。残されたのは、ボロボロだけど一人で住むには広すぎて、一人で住むには思い出に押しつぶされそうになるくらい静かな家。
「はあー……。これからどうすっかなぁ」
高校一年生、十五歳の少年が一人で背負うには、重すぎる現実だった。
* * *
「なら私と伏黒、今日あんたんち泊まるわ」
「は?」
祖父を見送ってから二回目の金曜日の放課後。
クラスメイトの伏黒と釘崎と、久しぶりに三人で放課後を過ごす。高校に入って出会った二人とは、初めて会ったにも関わらず妙に馬が合った。一緒にいることが当然だったようにしっくりくる。
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