温かくて明るい部屋で、優しい手つきで腑分けをされる 僕の腹に耳を付けるようにして頭を乗せて、真経津さんが微睡んでいる。
何かと身体的な接触を求めて来るものだから、てっきりスキンシップ好きなのかと思っていた。が、別にそういう訳でもないのを知ったのは最近だ。
「だって御手洗くん、くっつくのが好きな人でしょ」
自明のことのように彼は言って小首をかしげたのだ。確かにそうです、と僕は答える他なかった。
この年頃の男にしてはパーソナルスペースが狭い方だ、と友人や付き合ってる子に言われた事がある。他人にベタベタ触れたりする訳では無くて、相応に気安く接して構わない相手なら礼を言いがてら軽く肩を叩いたり、身体を支える必要のある場面でさほど動揺せずに実行に移せるといった程度のものであったが。
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