「本日着任しました。真白ノイ隊員です」
顔合わせに指定された本部のミーティングルーム、少し早めに到着したつもりが、ドアを開けると既にそこには求める人の姿があった。
敬礼を受けて、戦闘を想定した隊服ではなく、濃紺をベースとした儀礼服を着た相手がゆるりと立ち上がる。
「ああ。理人・ライゼ警邏長だ。今日からよろしく頼む」
椅子から無駄のない所作で立ち上がった美丈夫に敬礼を返されて、ノイはこくりと息を飲んだ。
(背、高っ。僕も小柄な方じゃないはずなんだけど)
憧れのひと。
彼は、そして先日まで彼のバディだった暁ナハトは、ノイにとってそう呼んで差し支えない存在だった。
圧倒的な強さ、挙げられた功績、防がれた犯罪の数々。
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