5秒タイトル「人権ニギニギ」
オンライン上で個人情報をすぐに売買できるようになった世界。収入の少ない若者はすぐさま自分の血液情報と名前と生年月日を売り渡し、僅かな金を手に入れるような生活を送っていた。
名前をなくしてから三年の主人公のもとに現れたのは不思議な老人。
「他人になりたくはないか」
「離別の青」
「もう少しで天国に帰るんだ」
友達の天使はそうやって笑った。人ならざる者たちが生活にあふれるようになって10年。人間たちはおかしな生活にもなれ、新たな文化と技術を享受していた。主人公の親友である天使は留学期間を終え天界に戻ると告げたが主人公の胸中には一抹の不安がある。
「孤独の鶏」
鶏が絶滅したといわれて早く300年。主人公たちの研究所はブロイラーを保存されていた細胞から培養して作り出す研究をしていた。完成し生まれた鶏は何一つ歴史と変わらない、はずだったが……。
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