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    anosora_story

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    anosora_story

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    仗露。未来捏造。
    全然仲良くない2人が利害関係だけで同居を始める話。
    ※校正してない一発書きなので荒いです。

    #仗露

    広い家 1プロローグプロローグ 激務に追われ、十日ぶりに帰ってきた我が家で、仗助はソファに沈んでいた。疲れ切った体を引きずって帰宅し、買ってきたコンビニ弁当をどうにか食べ終えた。そして、そのままソファから動けないでいる。
    「あー……」
     仗助は自宅にいるのが苦手だ。リビングが二十畳ある2LDKのマンションは一人で住むには広すぎる。誰もいない空間、何の気配もしない部屋を感じる度に心臓がきゅっと縮むような気持ちになるのだ。
     ここは将来を約束した恋人と暮らすつもりで契約した家である。一人で持て余すのは当然だった。二人が通勤しやすいようにと場所を決めた。使う家具は基本的に相手の好みに合わせて全て選んだ。なお、家具を購入したのもマンションの契約をしたのも全て仗助である。恋人の希望を叶えてやるのが嬉しく誇らしく、楽しかった。しかし、結局ここに越してきたのは仗助だけである。
     引っ越しの直前に、恋人の浮気が発覚した。ああだこうだと浮気の言い訳を並べ立てるのを聞いている内に全てがどうでもよくなってしまった。愛しくてしょうがないと思っていた女性に一気に冷めて、破局した。引っ越しもやめようかと考えたが、実家よりも仕事に行きやすくなるのは間違いない。既に違約金が発生する段階まで来ていたため、そのまま引っ越すことにした。
     一人暮らしは初めてだったが、案外仗助の性に合った。幼い頃から家事の手伝いをしていたのが幸いし、特に困ることもない。ただ、自分の趣味ではない家具が並ぶ家にいると虚しさを感じることが多かった。
     元恋人に未練はない。だが、二人で住むはずだった家にある静寂が気を滅入らせた。誰も使っていない部屋には、新品のベッドが鎮座している。
     何もする気が起きない。惰性で点けたテレビを眺めているが、情報は何も頭に入ってこなかった。そんな状態で無為に時間を過ごしているとインターホンが鳴った。
    「……なんだ?」
     誰かが来る約束も、何かが届く予定もない。居留守を使おう。仗助はそう決めたのだが、数分おきにインターホンは鳴らされ続けた。まるで、仗助が居るのを確信しているかのようである。こんなことをするのは友人か家族か、またはとんでもない変わり者くらいだ。それとも何か必要にせまられた用事がある誰かだろうか。
    「クソ」
     だるい体に鞭打って立ち上がり、仗助は玄関に向かう。のそのそと廊下を歩き、ドアチェーンを外している時に外から声が聞こえた。
    「いるならさっさと出てこいよな」
     聞き覚えのある声と話し方である。しかし、仗助が想像した相手がここを訪ねてくるとは考え難い。半信半疑のまま扉を開くと、腕を組んだ偉そうな男が立っていた。知り合いの漫画家、岸辺露伴である。
    「……露伴先生?」
    「おいおいおい、思っていたよりもしけたツラしてんな」
     久しぶりに顔を合わせた相手に、この言い草である。ふんぞり返って立っている露伴は、仗助よりも背が低い。それにも関わらず、まるで見下ろされているかのような感覚に陥った。
    「今日から、ぼくがここに越して来てやる。ありがたく受け入れなよ」
    「はい?」
     露伴が何を言っているのかさっぱりわからない。しかし、気が付けば仗助は露伴を家に上げていた。そして、二人の奇妙な共同生活が始まったのである。


     岸辺露伴が破産したというのは人づてに聞いていた。その話を、仗助は変人がまたおかしなことをしているくらいにしか捉えていなかった。出会った時から今に至るまで、仗助にとって露伴とは全く理解できない人間である。彼なりの理論に基づいて行動しているのだろうが、その目的を聞いてもさっぱり理解できないのだ。周囲の人間は漫画家岸辺露伴の作り出す作品を評価しているため「あんな凄まじいものを生み出しているなら」と、彼の奇行を容認しているところがある。しかし、漫画を読まない仗助には常軌を逸した行動が必要なものだとは思えなかった。既に知り合ってから七年が経過しており、それなりに顔を合わせる機会もあったのだが、二人の関係性は親しくない知人の域を出ていなかった。
    「え、マジでうちに住むんスか。康一んとこは?」
    「広瀬家にはもう半年もお世話になったからな。迷惑もかけられないし、それに最近お借りしてた机の高さが合わなかったのか腰を痛めててさ。勝手に家具を買うのも悪いから、引っ越そうと思ってたんだ。そうしたら、お前のところが空いてるって聞いてちょうどいいなってさ」
    「いやいや、ちょうどいいって……んな一方的に」
    「だって、お前一人暮らしが辛いって泣いてんだろ」
    「泣いてねえよ!」
     果たしてどこで手に入れた情報なのか、露伴は仗助が恋人と住む予定の家で一人暮らしをしているのを知っているようだった。共通の友人から聞いたのだろうとは予想がつくが、泣いているとは聞き捨てならない。破産した露伴が身を寄せていた先の広瀬康一に関しては、そのような表現をすると考えにくかった。だが、聞いた話を露伴が誇張して表現している可能性もある。
    「とりあえず上げろよ。もう康一くんのところには仗助のところに住むって話をして安心してもらってんだ」
    「勝手にすんなよ、そんな話……」
     疲れ切った体に露伴は劇薬である。徐々に話をするのも億劫になり、仗助は露伴を家に上げることにした。露伴の手荷物はスーツケースが一つだけである。破産する以前は広大な敷地の家に住んでいたというのに、人間何が起こるのかわからない。いや、露伴は何をするのかわからない。そして、仗助は今それを実感しているところである。
    「で、ぼくの部屋は?」
    「そこっす、入ってすぐ左側の部屋……」
     元恋人が使う予定だった部屋の扉を露伴は当然のように開いた。引っ越してから全く使っていない部屋は、二か月前と一切変わらない様子である。使った形跡のないベッドを見て、仗助は少しだけ胸が痛んだ。
    「空気が悪いな」
     スーツケースを床に置いた露伴はまっすぐに窓に向かって歩き、カーテンを開いた。そして窓を開け放つと、扉のそばに立っている仗助を振り返る。
    「カーテンの趣味が悪い」
    「元カノが選んだやつですね」
    「お前、こんなダサい柄のカーテンを選ぶ女と付き合ってたのかよ。もうちょっとセンスを磨け」
    「はははは」
     女を見る目がないと仗助は露伴にけなされている。それにも関わらず、なぜだかやたらと笑えてしまった。露伴は選んだカーテンだけで人間を否定するようなとんでもない奴である。だが、今はそれが心地良い。
     一緒に暮らす相手として、露伴はどう考えたって不適当である。しかし、一人で暮らすことで抱えていた不安や寂しさは全て消し飛ばしてくれそうだ。些細な心の動きなんて、露伴が運び込んでくるトラブルに比べたら気にするようなものではない。ダサいと一蹴された元恋人のことだって全く思い出さなくなるのではないか。
     なにしろ、承諾も何もなく勝手に同居を決めてやってくる男である。そんな奴と一緒にいたらセンチメンタルになる暇なんてどう考えたってないのだ。
    「ああ、これ一応土産だ。ぼくは礼を重んじるタイプだからな」
    「俺、一度もここにいて良いですよなんて言ってないんスけど」
     露伴がスーツケースから取り出した包みを受け取り、仗助が苦笑を浮かべる。しかり、露伴は面倒くさそうに肩をすくめた。
    「ぜひここに住んでくださいって顔に書いてあるぜ」
    「追い出して、その辺で野垂れ死にされても寝覚めが悪いんで」
    「面倒な言い回ししやがって。素直にどうぞって言えば良いんだよ」
     もはや返事をする気にもならない。仗助はひきつった笑いを浮かべ、部屋を出た。リビングに戻ると、食べたままだった容器が気になり全部片づける。先ほどまで何もする気にならなかったのに、不思議な気持ちになった。露伴に気を使うつもりは一切ない。それでも、なんとなく誰かがいることは影響があるのかもしれない。
    「まあ、あいつなら何も考えなくていいし」
     別にいてもいいか、と仗助は思った。誰も使っていない部屋に、勝手に居ついただけである。あちらも雨風が凌げればいい程度にしか考えていないだろう。あれこれ話さないといけないことはあるが、再びソファに座ると疲れが出てきた。ひとまずは昼寝をしてから考えよう。そう決めて、仗助は目を閉じた。

     一緒に暮らすにあたり、仗助は露伴といくつかの決め事をした。まず、家賃は取らないことにした。この理由は簡単である。露伴の貯金を増やすためだ。露伴が広瀬康一の家を出て一人暮らしではなく仗助の元に来るという選択をした大きな理由は金である。今の貯金額で部屋を借りたとしても、そこは仮住まいだ。露伴が漫画を描くために必要な環境が揃った家には程遠い。以前住んでいた豪邸ほどでなくとも、ある程度の場所でなければいけない。そのためにはかなりまとまった金額が必要だった。そのため、仗助が家賃をもらっているとそこに到達するまでの時間が長くなる。それはお互いにとってあまり良い状況とは言えないからだ。
    「もちろん、ぼくの原稿料や印税はかなりのものではあるんだが税金も払わないといけないしね。買った山にも固定資産税はかかるし、贅沢はできない」
    「山、売ったらいいんじゃないスか」
    「馬鹿を言え。そんなことをしたら開拓されちまうだろ。元も子もない」
    「はあ」
     そうやって家賃は無しになった。他に、お互い出来るだけ干渉しないことも約束している。家賃はもらわないが、その他生活にかかる費用は全て自分で持つこと。電気ガス水道は払わなくても構わないが、食事は自分で用意する。自分の服は自分で洗濯する。自分の部屋は自分で掃除する。リビングや浴室など共有するスペースは気が付いた方がやる。
    「なんかデカいもの買いたいとか、あと洗剤がないとかそういうのは言ってください。いや、洗剤とかは買ってくれたら半分出すけど」
    「全額じゃないのかよ」
    「そこはさすがに出せよ」
     想定していた恋人との新生活とは程遠いが、大きな問題はさほど起きずに仗助は露伴との二人暮らしを開始した。

     仗助はスピードワゴン財団のスタンドを扱う特別な部に所属している。現在、財団は目黒だけではなく各地に支部を作っており、その内の一つがS市にあるのだ。そこで、仗助は杜王駅の至近距離にマンションを借りている。少し古いマンションでオートロックはないが、室内はリフォーム済みで居心地が良かった。
     大きな事件がなければ、基本的に仕事はデスクワークが主体である。片づけたスタンドに関する事件のレポートを作成し、東京の担当へ送る。それに関しての質問を受けたり、また世界中で起こっているスタンド絡みの事件の情報にも目を通す。これらの仕事をS市の支部で行っているのは仗助を含めて三名だけだ。スタンド使いの情報は財団内でも極秘の事項であるため、口外することは硬く禁じられている。また、他の職員も決して質問をしてきたりしない。
     もちろん、それは家族や友人相手でも同様である。露伴を始め、杜王町に住むスタンド使いの友人たちは仗助がスピードワゴン財団でそのような仕事に就いていることだけは知っているが、それ以外の人間はたとえ母親であっても伝えられない決まりだ。
     別れた濃い人は、それが気に食わなかったらしい。スピードワゴン財団の事業内容は多岐にわたる。仗助が財団の職員であることは知らせていたが、どんな仕事をしているのかをさかんに聞きたがった。伝えられない決まりだと伝えても、時間を空けるとまた尋ねてくる。付き合っていた時には、自分のことを何でも知りたがる恋人を可愛いと感じていたが、思い返せば面倒な相手だったかもしれない。
    「それって、ぼくに漫画の展開を教えろって聞いてくるようなもんだろ。あり得ないぜ。やっぱり、お前女の趣味が最悪だな」
    「いや、まあ今思えばそうかもしれないんスけど」
    「別にお前が財団職員じゃなかったとしても、相当な馬鹿だぞ。しかも浮気したんだっけ。本当に見る目ないな。なんとかしろよ。じゃないとその内ケツの毛までむしり取られずぞ。別にぼくは構いやしないが」
    「ははは」
     露伴は物のついでに仗助のことも非難する。しかし、浮気をした元恋人を悪く言われるのは爽快感があるため、何度聞いても嫌な気持ちにならなかった。
    「あとお前さ、リビングを散らかすな。誰が片づけてると思ってんだよ。ぼくだぞ」
    「えー何か置いてましたっけ」
    「使った食器はせめて流しに片づけろ。置いてあると気になって仕方ない。あと、食べこぼしが床に落ちていることが多い。ソファに座ると高確率でざらついてるからな。いい加減にしろよ」
     同じことを実家で母親にも怒られていたなと仗助は思い返す。仗助は日中働きに出ているが、露伴は基本的に家で漫画を描いている。そのため、自然と共有部分の掃除は露伴が担うようになっていた。ここについては意外なことに露伴は異論がないらしく、長い時間を過ごしている自分が管理するのは当然だと思っているようである。しかし、管理しているからこその言い分は多かった。
    「なんか、露伴先生お袋みたいっスね」
    「ガキが注意されるようなこと言われてるんだって自覚しろよ!」
    「あー、なるほどぉ」
    「お前、全然反省してないな!」
    「いや、一応俺も言われたことは気を付けてるつもりなんですけど、つい」
    「ついじゃない!」
     実際、露伴が来てからというもの家の中は常に片付いていてきれいになっている。以前から殺風景で物のない家だったので散らかってはいなかったのだが、全体的に室内が埃っぽくくすんだ印象だった。しかし、露伴は意外なほど家事が達者で、掃除が行き届いている。曰く、一人暮らしがそれなりに長いんだから当然、だそうだ。さすがにあの広い家の全てを管理していたわけではないらしいが、仕事部屋やキッチンは全て自分で掃除していたらしい。
    「感謝してます!」
    「軽い感謝だな。だが、当然のことなんだからな」
     露伴にとっては無料で住処を提供してもらっていることは良い方にカウントされていないらしい。日々、こうして些細な小言で苛立つことはあれど、同居を始めた当初に思った通り一人で鬱々と悩むことはなくなっていた。

     二人暮らしを開始してから一か月ほどが経ち、久しぶりに友人たちと飲み会が開かれることになった。場所は杜王駅近くの個室居酒屋である。仗助は仕事を早めに切り上げて、約束の店へと向かった。
    「おお、思ってたより早かったな」
    「ちっと早退してきた」
     座敷には既に虹村億泰と露伴が座っている。挨拶をしていると、仗助が席についたのとほぼ同時に康一もやってきた。
    「康一くん、お疲れ様」
    「いやあ、もうみんな揃ってたんですね」
     それまでつまらなそうにメニューを眺めていた露伴がパッと顔を輝かせる。相変わらずの反応に、仗助は苦笑いしか出なかった。家であんな顔をしたのは見た覚えがない。いや、家に限らずともあんな曇りのない笑顔を向けられた経験はなかった。
    「今日ってもしかして、露伴先生と仗助くんって一緒に来たんですか?」
    「こいつは会社に行ってるから別だよ。ぼくはこいつんちから来たけど」
    「あんま顔合わせねーよ、俺たち」
    「そうなの? 一緒に住んでるのに?」
    「まあ飯とかも別だし」
    「マジか」
     康一と億泰は驚いているが、仗助と露伴にとってはそれが当然である。まず生活のリズムが違う。露伴は自宅で仕事をしているが、仗助よりも早起きで寝るのも早い。基本的に食事の時間も決まっているらしく、仗助が帰るころには済ませている。お互いに料理はほとんどしないため、それぞれに総菜や弁当を購入して食べていた。
    「なんか、想像してたのとだいぶイメージが違うなあ」
    「なー? オレは二人が仲良くなってめでてえなって思ってたのによ」
    「こいつとぼくが? そんなわけあるかよ」
     露伴は鼻で笑っている。密かにほんの少しだけ仗助は傷つきそうになったが、すぐにこういう奴なのだと思い直した。友情だとかそういうものは期待するだけ損な相手である。
    「じゃあ、露伴先生は嫌いな仗助と一緒に住んでやってんのか。優しいじゃねーか」
    「どこがだよ」
    「いや、前に言ってたんだよ先生がさ」
    「何を?」
     露伴と億泰はいつの間にか飲み仲間になっていた。以前は露伴の酒に億泰が付き合っていたのだが、今はその時の借りを返すのだと億泰が露伴に奢っているらしい。
    「んで、そこで露伴先生は言ってたのよ。あんま康一んとこに迷惑かけ続けんのも申し訳ないってな」
    「そんな、別にいいのに」
    「いや、康一には迷惑かけたくなくて俺ならいいのかよ」
    「そこよ!」
     びしりと億泰に突っ込まれ、仗助は口をつぐんだ。すると、運ばれてきたビールをぐっと煽ってから億泰はなぜか得意げに語りだした。
    「ちょうどお前が振られて一人暮らししてるってのを聞いてたからよ、先生に言ったんだわ。仗助が寂しくしてるらしいってな。そうしたら、露伴先生が引っ越してやるかってな」
    「お前のせいかよ!」
     あの日突然露伴がやってきたのは、どうやら億泰の入れ知恵だったようだ。しかし、これを指して優しいというのはどうにも腑に落ちなかった。
    「それのどこが優しいっつーんだよ」
    「だってよ、露伴先生は仗助が嫌いなんだぜ。それなのに寂しいお前と一緒に暮らしてやるっつーんだからよ」
    「絶対違うだろ!」
    「やっぱり億泰くん、君は見どころのある男だよ」
    「何勝手なこと言ってんだ、あんたも!」
    「まあまあ、仗助くん」
     どう考えても、渡りに船だったから仗助の家を選んだだけである。それなのに、億泰の頭の中では嫌いな仗助でも面倒を見てやる優しい露伴先生という構図になっているらしい。
    「つーか腰の話は! うちにきて速攻で机買ってただろ、あんた!」
    「作業環境を整えるのは当然だろ?」
    「すいませーん、ご注文のから揚げでーす」
     結局、露伴が仗助と同居しているのは億泰の中で美談のままで終わってしまった。わざわざ訂正するほどのことでもないと仗助が誤解を解くのを諦めたためである。露伴は終始ご機嫌で酒を飲み食事をしていた。
    「んじゃまたな」
    「それじゃあ、露伴先生、仗助くんまたね」
     露伴は機嫌よく康一だけに手を振り、すぐに我が家へ向かって歩き始める。仗助もそのすぐ後ろを追いかけた。
    「楽しそうでしたね」
    「康一くんがいたからな。前までは毎日話せてたんだが、今は会う機会も減ったし」
    「そりゃそっか」
     それでも露伴は自分と住んでいるのである。先ほどの話だと、仗助は迷惑をかけてもいい存在だと思われていることになる。それが善い事なのか悪いことなのか、さして会話のない帰り道では判断がつかなかった。
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