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    mikeda_shiro

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    mikeda_shiro

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    R15くらい。事後ムードも何もないプロポーズまがいのことをするニノカゲ
    それから改めて指輪持ってプロポーズする二宮さん

    ##ニノカゲ

    その指予約済み ハッハッと、薄暗い部屋に荒い吐息がこだまする。
    「影浦」
     愛しさを乗せた甘い声で名前を呼び、二宮は絶頂を迎え脱力している影浦の頬を撫でる。
    「にの、みや……」
    「水を飲むか?」
    「うん……」
     散々喘ぎ枯れてしまった喉に気づき、はちみつやしょうがを入れたものがいいかと思いながら、長い指で喉を撫でる。
     それが嫌だったのか、影浦は鬱陶しそうに力なくその手を払う。
     だが、それでも愛しいのだろう。二宮の表情は優しくやわらかで。
     しばらくして二宮が戻ってくると、ふわりと甘い匂いが部屋に広がり、影浦は軽く上体を起こす。
    「なに?」
    「ハニージンジャーだ。チューブのショウガとはちみつをお湯で溶かしただけのものだ」
    「喉にいいんだろ?」
    「ああ。今日も無理をさせたからな」
     一度マグカップをサイドテーブルに置き、枕とクッションを頭側に並べてそこへ影浦を座らせると、彼の両手にマグカップを握らせる。
     かいがいしく世話を焼くその姿に、影浦は嬉しそうに口元をほころばせる。
    「美味いか?」
    「まだ飲んでねえって。ん。美味い」
    「そうか」
     影浦の返事に、二宮は嬉しそうな表情を浮かべる。
    「ああ、そういえば」
     飲んでいたマグカップをサイドテーブルに置き、デスクに置かれていた箱を手にすると戻ってくる。
    「んだそれ」
    「広報の企画でもらったものだ。影浦、手を出せ」
    「ん」
     二宮と同じようにマグカップをサイドテーブルにおいて右手を出す。
    「違う。左手だ」
     右手を出され、ちょっとだけ不機嫌そうな声を出す。
     なんで不機嫌になるんだ? と思いつつ左手を差し出して。
     今度はご機嫌に左手を取って薬指に指輪を通す。
     だが、薬指に指輪を通すも、緩いのか影浦が少し手を動かすだけで落ちてしまう。
    「チッ」
    「舌打ちすんな」
     不満そうに舌打ちする二宮の頭を、右手で軽く叩いて。
    「中指なら、ほら」
     スッと薬指から抜いて中指にはめ直す。ピタリとハマったそれは、動かしても抜けることはない。
     だが、二宮は相変わらず不満そうで、チクチクとそれを影浦に刺す。
    「何が不満なんだよおめーはよ」
    「どうせなら、結婚指輪にしたかった」
    「チンコ丸出しでんなこと言ったって、ムードもくそもねえよな」
     と言っているが、少しだけ嬉しそうな表情で指輪を撫でる。
     影浦の言葉に、己が未だ全裸だったことを思い出しいそいそと下着を穿く。
    「これ、なんか彫ってあんな。うぇ?」
    「...WE'LL TALK AFTER YOU'VE BEEN CHOSEN.」
     指から外して表面の文字を読み上げようとすると、二宮がそれを手にして読み上げる。
    「なんて意味だ?」
    「……」
     影浦に問われるも、二宮は口を閉ざしていて。
    「なあ」
     二宮の肩を掴み、軽く揺すりながら答えを求め。
    「言わねえなら、勝手に調べるから」
     と、影浦が携帯を手に取ると諦めたように口を開く。
    「……選ばれてから、言え」
     そっぽを向いたまま、どこか拗ねた声色で。
    「おめー、それを誰かに言ったのか?」
     指輪を指に戻しながら影浦が問いかければ、二宮はそっと視線をそらして。
     そんな彼の姿に、すでに言った後なのだと悟る影浦。
    「まあ、でも」
     左手を二宮の右手に絡める。
    「俺はおめーに選ばれたって思っていいよな?」
     照れているのか、肩に顔を埋めて隠しながら。だけど嬉しそうに告げる。
    「ああ。俺はおまえを選んだ。そして、おまえも俺を選んでくれた」
     絡められた手をそっとほどき、頭を撫でる。
    「また改めてプロポーズさせてくれ」
     薬指をそっと撫で、それからこめかみに唇を落とした。

    ***

    「影浦」
    「んだよ」
     ラウンジで誰かを待っていた影浦に声をかけ、二宮は彼をその場から連れ出す。
    「にのみや」
     何の用だと睨みつけられても、二宮はそれに応えず。
     どこか緊張した面持ちに気づき、影浦は口を閉じる。
    「毎日」
    「毎日?」
    「俺の隣で、おやすみとおはようを言ってほしい」
     震える声で言いながら、影浦の左手を取って小さな宝石のついた指輪をはめる。
    「これ」
    「おまえに似合うものを、選んだ」
    「ははっ」
     指輪のはまった己の手を眺めた後、影浦はその場にうずくまる。
    「影浦?」
    「答えは、はいしかねえよ」
    「え?」
     しばらくうずくまっていたが、ボソッと告げて目元を乱暴にこする。
    「だから、おめーの隣で朝の挨拶と寝る前の挨拶をしてやるって言ってんだよ」
    「影浦っ」
    「いてーよ」
     感極まった様子で影浦に抱き着き、ぎゅうぎゅうと抱きしめる。
     痛いと苦笑しながらも、背中に腕を回す。
    「苗字はどっちにする」
    「別姓でいいだろ」
    「そちらの方が都合がいいな。ああ。影浦、ありがとう」
    「どーいたしまして?」
     なぜ礼を言われたのかわかっていないものの、頷いて。
     それから数日、やたらと機嫌のいい二宮と照れながら二つの指輪を撫でている影浦の様子が本部内で目撃されていた。
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