ユミルという生き方私の名前は「ユミル」職業占い師
ユミルというのは本当の名前ではない
私は生まれてすぐに孤児院に預けられ本当の両親も本当の名前も知らない
孤児院の中でも借りの名前をつけらて育った
7歳になったある日一人の男が来た
誰か一人引き取りたいという
同じぐらいの年頃の子供達が呼ばれ壁際に並んだ
男は一人一人顔を見ていき私の前に来たら
「君がいい、今日から私と暮らすんだ」
と言われ私は孤児院を出この男と暮らすことになった
その男が私に「ユミル」という名をつけた
どうやらどこぞの女神の名前らしい
こんなソバカスだらけの顔の私にそんな大層な名前をつけるなんて一体何を考えているんだろう
しかしここに入れば少しは人間らしい生活を過ごせるのかもしれないと思っていたが
男との生活は謎めいた事が多い
まず、何か新興宗教の代表をしている
その信仰している神の名がユミルと言い、私にその神の真似事をさせる
ミサの時は信者の前に立たされ、前もって練習したお告げを告げると信者は皆頭を垂れ崇めてくれる
悪い気分ではなかった、むしろだんだん自分は女神だったんじゃないかって思うようにもなってきた
そんな生活が何年か続いたある日のミサの途中
警察が突入してきた、どうやら男はお布施と言っって集めた金で闇取引など裏の犯罪に手を染めていたという
男が連行される時「あいつだ!あいつが言った通りにしたんだ!!」と私を指差しながら叫んでいた
私も警察に連行され事情聴取を受けたけど、未成年であの男に洗脳されていたのであろうという事でお咎めなしとなり帰宅を許されたが
あの男以外身寄りがないため、男の家に一人取り残される形となった
とはいえ生きていくためにはまず男の家に金目のものはないか探した
有り金、金になりそうな物をかき集めた
と、そんな中一つの水晶玉を見つける
吸い込まれるように水晶玉を見つめていると
突然ボワっと光り始めた・・・
そして中を覗くと男が映し出されている
「あ、あなたは誰?」
すると何やら文字が浮かび上がった、見たことのない文字だけどなぜか頭の中にスッと入って読める事が出来た
『ワレは鎧の神』
『名は雷奈阿之命』
『悩める人間ワレが導こう』
らいなぁのみこと??何だそれはしかしこれは使えるかもしれない
「なぁ、らいなぁお前が何かお告げでも言ってくれるのか?」
『ワレは神、導くのがワレの使命』
「よしわかった、じゃあまずはどこでやればいいんだ」
『・・・・・・』
『◯◯市にあるsngk病院前』
『あそこには悩める人間沢山いる』
そのお告げを聞き私はこの水晶玉をもって占い師の真似事を始めた
あの男のおかげで何かを演じるのは慣れている
占い師の真似をしてこいつのお告げを読み上げればいいんだ
確かにsngk病院には悩みを持った人間が多い
こんな怪しい占い師にですら悩み相談をしに来るぐらいだ
そして雷奈阿之命のお告げはよく当たる
たちまち私の占いは人気が出て様々な人が訪れ、病院内の人間関係をほぼ把握するぐらいまでになった
そんなある日、小柄で黄金色の髪は一つにまとめられ、どこまでも透き通った青い大きな瞳一人の看護師が私の前を通った
すると水晶玉がシャンシャンシャンシャン光り始める
「おい、雷奈阿どうした落ち着け」
『今の彼女前世ワレの嫁』
「はぁ?何言ってんだお前」
『彼女呼び止めろ』
「何訳のわからない事言ってんだ、まぁいい確かに彼女はちょっと気になる」
そして通り過ぎた彼女を呼び止める
「おーい、少し話をしなしか?水晶玉が君に気になるお告げを出しているんだ」