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    yukineko_226

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    yukineko_226

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    みくろさんの名作進撃病院サイドストーリー
    ライナーの物語

    #sngk病院
    sngkHospital

    神になった男輪廻転生というものを聞いたことはある
    命は何度でも繰り返し生まれ変わるという…
    生前の行いによって何に転生するかわからないが
    俺は、2000年も続く人が巨人になるという呪いを継承し
    鎧の巨人として仲間と共に戦い、世界の平和、巨人との呪いを断ち切る働きをした

    俺は、壁で閉鎖された町に生まれ、戦士になる為育てられた、任務のため壁の外に出ても高い壁に囲まれた国で兵士として過ごす事になった
    もう壁に閉じ込められた人生はこりごりだ
    それなりの功績を持って人生を全うしたはずだから
    転生するならいい位の人物になるだろうと思っていた

    だが一体どういうことだ?
    新たな人生の始まりに気がついたが
    何かに閉じ込められている
    人の姿もしていないし
    これは一体なんなんだ?

    前世の記憶と共に今の状況に混乱していると
    頭の中になにやら声が聞こえてきた
    [ライナーよ、前世での行いにより世界は救われたそんな主を讃え鎧の神、雷奈阿之命として転生させた]
    ーは?意味がわからない、人を通り越して神に転生とかありえるのか?
    [主は前世でやり残したことがあるであろう]
    …やり残したこと?
    [主は前世である女性への想いが成就されぬままであった、神の力は万能だその女性を射止めるがよい、その想いが成就されれば成仏できよう、また転生できる]
    …ある女性への想い…そうだ、愛しのヒストリア、俺の嫁になるはずだった
    前の世界ではヒストリアが巨人の力を継承しないように致し方なくとった手段だったからな


    …そしてここはどこだ?
    神として転生されられたが、ここは一体どこだ
    見渡す限り暗く、物が散乱した物置小屋のようなところにいる
    壁に囲まれるのはもう懲り懲りなんだよ…

    〜数年後

    ヒストリアへの想いを成就されるどころか、その開かずの物置小屋にいた雷奈阿は
    ここから移動することすらできないのか?ともはや諦めかけていたがついにその部屋の扉が開いたのである
    転生してから初めて部屋に外の光が差し込むのを感じた
    「うわ、なんだこのガラクタ部屋あいついろんな物集めてんな」
    聞き覚えがある女性にしては低めの声
    ガサガサと部屋に入ってきたのはソバカスの顔が特徴的な前世でよくよく知ってる人物だった
    ーユミル!ユミル!!ここだ!俺だ
    と声が発せられない代わりに強く念じると本体である水晶玉がボワボワ輝き始めた
    「ん?なんだこれ?水晶玉か?…うわっ!なんだお前」
    ーユミル!俺だ!ライナーだ!
    「ん?なんか文字がでてきたな、なに?『ワレハ雷奈阿之命』…らいなぁのみこと?」
    ーそうだよ!ライナーだ、すごいだろ神になったんだぜ、なぁユミル、ヒストリアを知らないか?
    「『ワレハ神、迷えるものを導く』…ははっ、なんだコイツ本当か?本当にそんなことできんのか?」
    ーん?なんか思ってることとユミルが読み上げてる言葉が違うな
    「よし、じゃあまず生きて行くには金が必要だお前を連れて占いのマネごとでもするか、まずはどこに行けばいいんだ?」
    ー俺はヒストリアに会いたいんだ、ヒストリアを探しに連れて行け
    「…何々?sngk市sngk病院近く、そこに迷える者沢山いる」
    ーん?やはり思ってることと違う言葉がでているが
    これが神の力ってやつか?

    それからユミルは雷奈阿を連れてsngk病院近くで占い師の真似事を始めたが
    若い女の子の占いって当たるの?と信用に欠け見向きもされなかった
    「おい、雷奈阿、本当にこれで金稼げるのかよこっちは生活かかってんだ」
    と、自信暗鬼になり始めた頃大柄で金髪碧眼の男性が前を通った
    男性はユミルをみて思わず
    「き、君は…!??」
    ーその見覚えある顔、もしかしてエルヴィン団長!?
    「お兄さん、どうだい占いしていかないか?水晶玉のお告げよく当たるんだ」
    「…あ、覚えてない側なのか」そうボソリと聞こえた
    確かにユミルは前世の記憶がないようだ
    そしてその言い方だとエルヴィン団長は記憶があるということか!?
    前世では自分たちのしたことでエルヴィン団長はじめ多くの調査兵団を死へ追いやった
    彼だけはどう顔を向けていいかわからない
    そう後ろめたい気持ちで目を合わせないようにしていたら
    「ほう、この水晶玉は何という神がお告げをくれるんだ?」
    ーユミルやめろ!名前を言うな!気づかれる!
    そんな思いとは裏腹に
    「さすがはお兄さんお目が高い!水晶玉に宿る神を知りたいなんて、神の名は雷奈阿之命、鎧の神だ」
    ーだから言うなよ!
    水晶球から流れるはずのないタラタラ冷や汗が流れ出る感覚がする
    「ほう、らいなぁ…鎧の神…」
    ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら覗き込まれた
    ーもうダメだ…本体の水晶玉ぶん投げて割られるんじゃないだろうか
    と、願いが成就される事なく今世の終わりを覚悟したが目が合うとエルヴィンは右目を軽く閉じウインクした
    ーん?気づかれたよな?今のはどういうことだ?
    「私はそこの病院で長らく入院しているEと言う者だ、君や鎧の神に興味があるからまた来させてもらおう、それと周りにもここの評判伝えておくから、病院には色んな人がいるからなきっと面白いことが起こるよ」

    そう言いエルヴィン団長の記憶をもったEさんは去った
    それからと言うもののsngk病院内でよく当たる占い師という評判が伝わり沢山の人がくるようになった
    ビックリしたのはsngk病院から来る人のほとんどがあの世界で関わってきた者ばかりだ
    そして記憶が一番強く残っているのはEさんだという事、なんとなく覚えている者や、前世の行いがリンクしている者、前世とは逆の性格を持った者など様々だった

    ヒストリアもここにいる可能性があるな…

    そうしてユミルの占い師としても生活も板についてきた頃、ついにその日が来た
    小柄でキリリと纏められた黄金色の髪、透き通るそうな青く大きな瞳
    ヒストリアだ!!
    ーおい!ユミル!!ヒストリアだ!愛しのヒストリアだ!呼び止めろ!
    そう強く念じたため雷奈阿の水晶玉は突然シャンシャンシャンシャン激しく光始めた
    「おい!どうした雷奈阿!落ち着け…えっ?何?あの子を呼び止めろ?ワレの嫁?はぁ!?嫁って何言ってんだ、まぁいいあの子は何か気になるしな、おーい!そこの君占いって信じないか?」
    「えっ?私?あ、いや特に信じてないので」
    そういうと怪しい者を見るように俯き加減でそそくさとその場を立ち去ろうとしたが
    ーヒストリア待って…
    「…ふーん君の名前はクリスタって言うんだ」
    とユミルは水晶玉に浮かぶ言葉を告げた
    ーあ、今はその名前なんだ神の力すごいな
    「えっ?なんでわかるの?」
    「この水晶玉のお告げはすごいんだぜ、なんでもよく当たる、それにひと目見てなんとなく君は私に似た境遇を感じるからな、本当の自分隠して生きているんじゃないか?」
    前世の記憶はなくてもヒストリアへの想いが強かったユミルは何か感じとった
    「いい人ぶって生きていてもしょうがないんだ、もっと本当の自分晒せよ」
    「なんでそんなことわかるの?…ねぇ、あなた名前は?」
    「私か?ユミルって言うんだ」
    「ユミル…あなたどこかで会ったような…」
    ーオイオイ、ちょっと待てすっかり2人の世界になり始めているぞ
    この雰囲気はまずいと念じ始めると再び水晶玉がボワボワ光り始めた
    「あ、ちょっと待て何かお告げが出てきたな、えーと…ヒストリア…本当の名はヒストリア」
    そうユミルに言われたクリスタはハッとして
    「ヒストリア?私の?本当の名前??」
    「へぇ、ヒストリアいい名前じゃないか」
    「確かに…私クリスタ・レンズという名前だったんだけどなぜか違和感を感じていたの、そしてちょっと事情があってレイスに性が変わってなぜか少し自分が戻ってきた感覚があったんだ、ただ今の暮らしも色々あって周りに気を使いながら生きていた、そのクセが出るのか職場で同僚から猫かぶってんじゃないの?いい人ぶんなよとか影で言われててもう全てが嫌になってたの、…ヒストリア…ヒストリア・レイス、うん、なんだかこれが本当の自分のような気がする、ユミルありがとう」
    本来の自分を取り戻したかのようにヒストリアの目にはみるみる力が宿りキラキラと輝きだした
    そんなヒストリアの顔を見た雷奈阿は思わず
    ー結婚しよ
    と呟いたが、その声は届くはずもなくヒストリアは帰っていった

    それ以来ヒストリアはよく訪れるようになった
    占い目的ではなくユミルに会いにきているようだったけど、それでも俺は幸せだった

    主に病院内の出来事や、愚痴そして名前をヒストリア・レイスと改名して生きていくと決め
    過去の自分を吹っ切って周りを気にしていい子でいる事をやめて、仕事の鬼と言われるほど熱心に看護師として勤めて異例のスピードで出世していったという
    「ほんとユミルのおかげだよ、いい子でいようとしてた自分をやめたらどんどん仕事が上手くいって、私ね今度看護副部長になるんだよ」
    「すごいじゃないか、さすがは私のヒストリア」
    「もぉ、やだ私のって何よ」
    仲睦まじく話し合う2人の雰囲気に流石にまずいと思い始めた雷奈阿は自分へと振り向いてもらうため念じ、ボワボワ光りを発する
    「お、最近大人しいと思っていたが新たなお告げが出てきたぞ、えーと何々…地上においては鬼、天上においては…」
    ー鎧の神の貞淑な妻として生きるべし
    「あーーー、お前は…看護部長になったら私と結婚しろ、だとさ!」
    ーおい!!ユミル勝手な事言うな!
    「えっ!?」
    ーほら流石に引いてるぞ
    「嬉しい、水晶玉のお告げよく当たるもんね、うん、私看護部長になったらユミルと結婚する!」
    ーあ、終わった、今世でも別の人の元へ行ってしまうのか…愛しのヒストリア…
    神にまでなったというのに成就されぬ想いとともにピシピシと水晶玉に亀裂が入るのを感じた

    to be continued?
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