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    デブ猫ひゅがと肖ちゃま1

    「んまぅ」
    「…なぁう」
    「ぅぷゅ」
    「んな」
    「んむゅ…」
    どっしりと重たげな体を床に預けながら目の前に居るぬいぐるみの様な大きさの人形らしきものに何やら返事をしているようだった。車からすれば二人とも何を言っているのかサッパリなのだが本人達は会話している様に見える。隣に居るタケシは可愛い、可愛いと言いながらスマホを構えて連写していた。もうかれこれ数分その状態なのだが彼にはやめる、という選択肢は無いのだろうか。
    「わぁ…可愛い…あ、ほらまた何か話してますよ。」
    「俺にはさっぱりだがな」
    「僕もわかりはしないんですけど…でも可愛くないですか?会話して…何話してるんですかね、珍しいんですよ。小次郎がああやって相手してるの。」
    「…そうか。」
    楽しげに話しているタケシを横目にスマホを取り出してそっと1枚だけ撮る。それを李に送るとすぐに既読がついて『可愛いね!でも肖に比べると…なんか大きいね、猫。…猫だよね?』と若干迷っていて笑ってしまった。
    「ゃうんむ、ぷぁむ?」
    「んぁーぅ」
    「ぷゅ…ぷる……」
    「にゃあ……ゥ」
    「ぷや!」
    キャッキャと笑いながら小次郎の方に寄りかかって抱き締めている。こうしてみると赤ん坊の様に見えるが肖は赤ん坊ではない。赤ん坊よりかは知能があるものの言語らしい言語は話せず、言葉でコミュニケーションは今の所車には出来ない。李や猫の小次郎は分かっているようだから別に自分が分かる必要もない。だがなんとなく何を話しているのかは気になりはする。
    「…なぁ、小次郎はあれ…わかってんのか」
    「多分分かってますよ。僕ともたまにお話します。」
    「あ?何だわかってのかお前」
    「うぅん…なんとなく行動で…とか態度では分かるんですけど。小次郎が僕の言葉を理解してるって言ったほうがいいかもしれませんね!」
    ふぅんと思っては見たがやっぱり別にわからなくても良いなと改めて思った。
    「んぱゅぅ、んむ?ぁうぱや!」
    「にゃむ」
    「にゃむ?」
    「んなぁう」
    「にゃーむ!にゃむ!」
    …例え言っていることが分かっても、話にはついていけねぇだろうな。
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