肖がすやすやと寝ているのを見ながらのしのしと近寄り、ゆっくり寄り添う様に隣で寝る小次郎。タケシがそっと布団を持ち寄りかけてやるとなぅ、と小さく鳴いて顔を伏せた。大きな尻尾がポスンと振ってすぐに寝てしまったようだった。
今日は色々な事をして遊んでいたから眠たくなってしまったのかも知れない。肖と小次郎がボール遊びをしたりバタバタと走り回って部屋のものを蹴散らしたりして車に怒られてしゅんとしている肖をなぅ、んなぁと慰めるようにずっしりと乗っかかり始めたときは流石に持ち上げて止めたけれど。
それでも近くまで近寄っては遊んで懐いているのを見ると初めてかな、と思う。猫同士でも相性が悪ければ仲良くなれないだろうし。小次郎は特に警戒心というか、そもそもあまり猫付き合い?というものが上手くなく、大体自ら何処かへ行ってしまうかちょっかいをかけられて引っ掻いてしまうか。人に対してもそんなものだったから、心配していたのだが肖に関してはスッカリ心配する必要などなかった。
「なぅ」
「ぷゃう?」
「ァ〜〜」
「んぴゃ〜ぅ、ぅあむ?ぷゅゅゆ…」
「ぷるる……」
二人だけが分かる会話を聞いては笑ってしまうけれど微笑ましくてタケシはとても嬉しかった。車も普段肖には厳しいけれどグズグズと泣いている時は一緒に寝ているしご飯を食べさせていた。遊んだり、お風呂に入ったり、密かに写真を撮っては笑っていたり。なんだかんだで可愛がっているんだと分かった当時は安堵した覚えがある。
やっぱりこういうのは、見ていて微笑んでしまうし寧ろずっと見ていたくなる。
一人と一匹がこれからも幸せであるように、幸せで居られるようと。
そう願うのはこれもまた愛の形であるのだろう。