ビックリメンのヤマトとアリババについてせっかくのエアブーなので、ビックリメンのヤマトとアリババのことを少し書こうと思います。
アニメ『ビックリメン』では、特に熊谷さん脚本の回が好きでした。
それまで一視聴者として楽しんでいたのですが、初めて二次創作を描きたいなと思ったのも、熊谷さん担当の6話を見てからです。
6話、すごく好きです。
ヤマトがマリスに言った、「どうするのかは自分で選べる。アリババの生き方は、アリババ自身が決められるはずだ」という台詞が好きで、凄いなと思っています。
私は彼のルーツ(因子)である『ビックリマン』のヤマトも大好きなのですが、この台詞をルーツのヤマトが言えるかというと、おそらくですが言えないんじゃないかと。
彼にとってアリババは大切な仲間で、旅の途中悪魔の手に落ちて、魔性を植え付けられ悪魔にされ、繰り返し敵勢力に落ちている相手なわけで、どちらかというとまずは取り戻したい、守りたい、手元に置きたいという気持ちの方が先に来るような気がします(個人的なイメージですが)。
もし言うとしても、そこには相当の覚悟や想いが込められているはずで、そうすると台詞の持つ意味合い自体が変わってくる。
これはビックリメンの、そしてこの時点でのヤマト君にしか言うことができない台詞だと思いました。
ヤマトやアリババに関わらず、ビックリマンのキャラクター達には個人を取り巻く背景としての種族間の隔たりや戦いの歴史、各自に課せられた使命といったものでがんじがらめになっていて、ただの愛情や友情、「それであなたが幸せならば、どこに行っても構わない」という気持ちを相手に伝えることは難しかったんだなと思います。
6話ですが、ヤマトとアリババがパズーとシータ(もしくはイコとヨルダ)みたいだなと思いつつ見ていました。
(後に『ビックリメンバトルロイヤル』のあきの実さんが、Xでパロディイラストを描かれていて嬉しかったです)
状況がわからないなりに困っている少女の手を取り駆け出す少年、みたいな。
ただ、この時点ではビックリメンという作品の進む方向性がわからなかったのと、アリババが何を考えているキャラなのかがよくわからなかったので、ひょっとしたら後にウテナとアンシーみたいに守っている最中に後ろから刺されるかもしれないなとも思っていました。ウォータースライダーを滑っているときのアリババの笑顔が凄く可愛いと思う反面、なぜあそこで笑うのかがよくわからなくて。その後アニメが進み、楽しくて思わず笑ったことを知り、アリババの内面が理解できていくにつれ、そうは思わなくなりましたが。
アリババが少しずつ出来ることを増やしていく様子や、自分の意志で戦いに赴く姿、マリスへの心情吐露にも見られる成長段階や心境の変化、仲間を守ろうとする芯の強さや優しさが描かれていたり、ヤマトのまっすぐでひたむきな少年らしさ、主人公らしさが描かれていて好きでした。
『ビックリマン』のヤマトとアリババが好きだったので、『ビックリメン』でもまた違った関係性のふたりが見られて嬉しかったです。
(以上のことは、できれば今回の新刊の中に載せたかったのですが、時間不足もあり上手く書けなかったのでここに載せました。
読んで頂きありがとうございました)