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    konohako*

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    konohako*

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    2024.12.12up
    休むことが大切だという内容の本を立ち読みしていて思い浮かんだ話。
    電車の中で眠って隣の人に寄り掛かってしまうって内容でした(だからなんだったのか覚えてない)。
    忘れないうちに( ..)φ書き書きの半日クオリティ。
    ・作中の地下鉄は途中から地上に出るやつ
    ・ミカサの指輪は実は願掛け

    #リヴァミカ
    rivamika
    #リヴァイ
    levi.
    #ミカサ

    休息会社帰りの地下鉄、偶然空いた席に、周りはサラリーマンばかりだから気にせず腰を下ろした。終着駅まで行くから、座れるのはありがたい。

    二駅揺られ、客が降りていく何気ないいつもの景色。誰が降りようと乗ろうと気にしないはずなのに、その駅で俺は何となく顔を上げた。
    隣に座っていた奴が「やべっ」と呟き、急ぎドアに向かう。一番最初に乗り込もうとしていた女性にぶつかり、謝りもしないまま去って行った。
    その女性は口の動きから「った」と言ったが、気にせず電車に乗り込む。
    その方向を見ていた俺は、息を止めていた。


    ミカサだ。


    髪の長さは肩に付かないくらい、薄紅色の口紅を塗っている。顔つき、格好からして社会人。
    ミカサはそのまま空いている俺の隣の席に腰を下ろし、スマホを見だした。

    俺を知っているのか、あの時代の記憶があるのか。

    声をかけたいが、記憶持ちじゃなかったら変質者、ナンパ野郎だ。どうしたものかと思ったが、何駅過ぎてもミカサは俺に気付かない。
    これは記憶持ちではない、な。
    まあ記憶があったとして、俺とは会いたくないだろうから、ちょうどいいか。


    この世界で、あの時代の者が隣にいる。偶然とはいえ、この奇跡に目を閉じて隣の存在に歓喜する。
    終着駅まであと30分、今まで会うことのなかったミカサは、きっとその前に降りるだろう。


    それから10分ほど過ぎたとき、肩に軽い重みを感じた。
    「ん?」と目を開け、立っている人の隙間から前の窓を見る。窓に映る俺と、眠り俺の肩に頭を寄せたミカサ。
    ありえない出来事に「ふっ」と心の中で笑った。
    他の奴なら肩を揺らし、無言の拒絶をするところだが、相手がミカサならば、そのまま眠らせてやる。

    スマホを持ったまま太腿に置いたミカサの左手には、指輪が輝いていた。
    見た目からずいぶんと若くして決断したと思うが、今幸せなら良いことだ。相手はエレンなのか、と思ったが、それを知ることもないだろう。

    次の駅の停車のために少し強く踏まれたブレーキ、揺れる人々。その反動で俺に更に強くのしかかるミカサ。ミカサはしっかり寝ちまったのか、元の位置に体を戻さず、そのまま俺に寄り掛かった。



    『・・・お降りの際は・・・』

    さて、終点まで来ちまった。そしてミカサはまだ眠りこけている。客が次々と降りるなか、惜しいなと思いながらも、お別れだ。

    「おい、起きろ」
    声をかけ、肩を揺らすが無反応。この時代、女性に触るのも何かと厄介だが、仕方ない。
    席を立つと同時に、ミカサがそのまま倒れないよう手で支える。さすがに目を開けたミカサが、寝ぼけ目に「?」といった状況だ。
    「終点だぞ」
    「・・・・・、えっ!?」
    「大丈夫か?戻るなら向かい側のホーム、もうすぐ出るぞ」
    都心に向けて発車する電車、始発駅だし、今の時間から都心に向かう人はそう多くはないが、立ちなのは確定だな。その方が寝なくて、こいつには良いが。
    慌てて席を立ち電車を降りるミカサに、やはり記憶なしかと、口角を上げ息を吐いた。

    さて、この奇跡に一人乾杯でもしようか。
    どの店に行こうか考えながら階段を下りている時、ヒールの音と共に声をかけられた。

    「あ、あのっ!」
    「ん?」
    足を止め、後ろを振り向けば、向かいのホームに向かったはずのミカサが顔を赤くして近づいてきていた。


    「リヴァイ、兵長・・・ですか?」


    Fin




    *.*.*.*

    疲れた、とても。
    毎日毎日自分に都合のいいようにしか解釈しないクレーム客の相手、しかも電話。まったくもって仕事が捗らない。上司に言えば「電話も立派な仕事だ」と言われると分かっているから言わないけど。そこに病欠4名、一日中電話を取っていて酸欠になるかと思った。

    いつもの地下鉄、いつもより遅い時間。
    帰ったらとにかく寝よう。あぁ、お風呂も入らないでもうこのまま倒れてしまいたい。
    そんなことを思っていたら、降りる人とぶつかってしまった。痛くはないけど、反射的に「った」と口が開く。ぼうっとしすぎていたのかもしれない、悪かったなと思い、その人が来た方向を向けば一人分、席が空いていた。

    ほっと一息つき、駅に着くまで気持ちを静めようとSNSを開く。
    でもどんなに好きなものでも、この疲労には勝てなかったらしい。いい具合に揺れる電車、左側に体が寄っていくのは分かっていたが、止められなかった。
    普通なら肩を揺らし拒絶の反応を示されるのに、今日の隣の人はそれをしなかった。
    だからいいとは言わない。けど、何度体を元に戻そうとしても、その人に寄っていってしまっていた。


    「終点だぞ」
    隣の支えがなくなり、でも腕を手で支えてくれたその人をぼうっと見上げる。
    この人が、親切にしてくれた、人。
    「・・・・・、えっ!?」
    終点って言った?終点!?ならば何駅も戻らなくてはならない。初めて来た、この電車の終着駅、じゃなくて!!
    「大丈夫か?戻るなら向かい側のホーム、もうすぐ出るぞ」
    点検の駅員さんが来ちゃうんじゃないかと、急ぎ電車を降りた。ただ、驚いたのはそれだけじゃなくて。

    どうしよう、どうしようと慌てる心。
    声をかけてみようかと後ろを振り向けば、もうその人はいなかった。
    あの人はこの電車には乗らない。ということは、この駅を利用する人か、乗り換えの人。どちらにしろ、階段を下りる。

    この機会を逃したら、もう次はないかもしれない。
    この路線のこの時間は10分おき、車両は10両、多くの人が利用する中から一人なんて、探してもきっと見つけられない。

    決心し、階段を目指す。
    コツコツと急いで階段を下りれば、その人はすぐに見つかった。
    スラッとした後ろ姿に、懐かしい髪型。あぁ、この時代ではこんな風になるんだ。

    「あ、あのっ!」
    私の声に、自分かと分かって足を止めてくれた。振り向く顔に、「やはり」と思う。
    「ん?」

    記憶がなかったらどうしよう。でも、聞いてみたい。


    「リヴァイ、兵長・・・ですか?」


    Fin
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