不器用なひと、優しいひと「いつでも、連絡してくれて構わない。こまめな返信は……約束できないが」
そう言ってオプティマスプライムは、膝をついて目線を合わせようとしてくれた。
だけど、私は――その目を、正面から見られなかった。
素直に喜べず俯いてしまったのは……
時が経ちすぎていたからなのか。それとももう、あの頃の2人ではないからなのか。
私が思ってるほど、彼はもう気にしてないのかも。
これはただ、関係の終わった“旧友”への社交辞令……なのかもしれない。
そんな思いが頭から離れなかったから。
その日の夜。一日の仕事を終えた後、私はベッドの上に仰向けになりながら、
小さな紙を見つめていた。
オプティマスがくれた、連絡先のメモ。
彼の筆跡は、昔と変わらない。真面目で、力強くて、少しだけ不器用な字。
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