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    リゲル

    愛に苛まれる

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    リゲル

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    真夜中ドライブブラネロ~!🌉 R15
    喫煙・下ネタジョーク注意です/謎現パロ軸

    #ブラネロ
    branello

    無題「…ん、ブラッド。ちょっと止めて」
    「んだよ、吐くかあ?」
    「ちげえよ、いいから止めろって…」

    駆り立てるような、嗄れた声に勝てなかったブラッドリーは仕方なくハンドルを曲げ車を路肩に寄せた。がらんとした夜中の高速道路の上、まばらに立っている街灯に照らされ、かろうじて輪郭を保っている道。その端に掛かったネロはギリギリの外側へと体を伸ばす。ぐっと伸びをする野良猫のようでもあった。適当に結んである淡い髪が靡く。

    床に座り込んだまま黙々と酒を飲んでいたネロは、帰ってきたばかりのブラッドリーを見た途端に、ドライブに行きたいと声を上げた。ご自分に運転させろと主張し出さないのが幸いだったというか、真っ赤な顔で目だけがギラギラしてる、そういう顔と滅茶苦茶な甘え方に弱いブラッドリーの方が問題だったというか。

    おかげさまでハンドルを握られ、しばらくむやみに車を走らせた。ここがどこなのか、誰も知らない。知る術などない。

    ネロは内ポケットをごそごそとかき混ぜては思いっきりぐちゃぐちゃになった煙草の箱を取り出した。一本、噛んで引っ張り出しては適当に火をつけ、煙を肺いっぱいに吸う。鼻先にかかった、軽やかな笑い声はよほどご機嫌なようだった。まだ冷たい初春の夜風に吹かれながら、赤黒く燃えていく煙草の先っぽを見つめる瞳は、どろどろに溶けている。

    「一本いる?」
    「火もな」

    ブラッドリーの返事も待たずに煙草を取り出したネロは、何を言っているのかさっぱり疑問だかのように首をこてんと傾げる。酔っぱらってんのは俺の方なのに、どうしてあんたが譫言を言うのか、と言いたげな目つき。

    「何、お高~いジッポ持ってんだろ」
    「まあな、今日はあれよりもお高~い火で吸いたい気分なんだよ」
    「……たまにさあ、すげーベタたこと言うよな、あんた」

    着けっぱなしのネクタイがぐっと引っ張られる。口元の隙間に一本、ぐいっと押し込まれ、顔を寄せられ、息を奪われる。細長い睫毛と、薄めの唇から垂れる白い煙が、霧のように揺らいでいた。拗ねったような顔が去っていく。
    今更照れくさいも何も、あるものか?

    再び腰掛けようとするネロを、ブラッドリーは片腕の中へと収めてしまった。面倒くさそうな顔の割には伸ばされた腕に力が入ってなくて、後から何を言われたっていいと思い腰を抱いてみたところ、まあまあ正解だったようだ。ネロは短くなった煙草を咥えたまま、ブラッドリーの胸板にもぞもぞと寄りかかってきた。

    ここは森なのかも知れないし、海なのかも知れない。どうでもいいことばかりだ。

    「で、どこまで行きたいんだ」
    「んー、ブラッド、賭けしねえ?」
    「いいぜ、ご要望は?」

    甘ったるく重い声が響く胸元にもたれて、ネロは目を細くして笑った。

    「左、右、選んで」
    「おいおい、詳細ぐらい教えてくれよ」

    「…ずっと走ってて、最初に出てきたラブホがどっち側にあるのか」
    それだけ言って、にんまりにこにこと笑ってばかりいるこの顔よ。

    「早くしな、勝った方の言いなりにヤっちまお」
    「脅かすなって、んじゃ俺様は左」
    「よ〜し、玉すっからかんにされる覚悟は…、んっ、…うえ、苦えな…」

    フィルターの直前まで灰になった煙草の代わりに奪ってやった。カサカサで、口元が少し切れてほのかに血の味がする唇だったが、冷たく甘かった。舌はひどく苦かったが。

    「なあ、ブラッド」
    「ん?」
    「…ふふ…、あんたの膝貸してくんねえ?」
    「ベルトしろよな」
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    44_mhyk

    SPOILERイベスト読了!ブラネロ妄想込み感想!最高でした。スカーフのエピソードからの今回の…クロエの大きな一歩、そしてクロエを見守り、そっと支えるラスティカの気配。優しくて繊細なヒースと、元気で前向きなルチルがクロエに寄り添うような、素敵なお話でした。

    そして何より、特筆したいのはリケの腕を振り解けないボスですよね…なんだかんだ言いつつ、ちっちゃいの、に甘いボスとても好きです。
    リケが、お勤めを最後まで果たさせるために、なのかもしれませんがブラと最後まで一緒にいたみたいなのがとてもニコニコしました。
    「帰ったらネロにもチョコをあげるんです!」と目をキラキラさせて言っているリケを眩しそうにみて、無造作に頭を撫でて「そうかよ」ってほんの少し柔らかい微笑みを浮かべるブラ。
    そんな表情をみて少し考えてから、きらきら真っ直ぐな目でリケが「ブラッドリーも一緒に渡しましょう!」て言うよね…どきっとしつつ、なんで俺様が、っていうブラに「きっとネロも喜びます。日頃たくさんおいしいものを作ってもらっているのだから、お祭りの夜くらい感謝を伝えてもいいでしょう?」って正論を突きつけるリケいませんか?
    ボス、リケの言葉に背中を押されて、深夜、ネロの部屋に 523

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    ada

    REHABILI盗賊時代のブラネロの話 / 捏造注意 / 身体の関係がある遠い噂で、西の国で絢爛豪華な財宝や金品が展覧されると聞いた。筋は確かな情報のようで、近頃街が色めき立っている。こんな美味い話、頭が聞き漏らす訳もなく作戦は決行された。
     盗むのは自らの手が良いと宣う頭に付き合うのは相棒であるネロの役目だ。招待された者しか入れないというその会場である屋敷に、招かれた客と偽り出向く事になった。
     普段は見てくれから粗暴なのが分かるような男の出立ちだが、今回は仕立て屋で身を整える気の入り様から、潜入すらも楽しんでいる事が分かる。正直、動き易ければ拘りのないネロだが、ブラッドリーは長考し続けネロを着せ替え続けた。
    「よし、いいんじゃねえか」
    「これが駄目でももう着替えねえぞ」
    「なにくたびれてやがる、早えんだよ」
    「俺は今回従者なんだろ? なら別になんだっていいじゃねえか」
    「あのなあ。従者がどんなモン着てるかで主人である俺の程度が分かるだろ」
     従者の装いという事で首が詰まっているのが息苦しい。仕上げと言わんばかりにタイを手際良く締めるブラッドリーはずっと上機嫌だ。
    「よし、あとはお前が俺様に傅きゃ完璧だな」
    「馬鹿言え、やんねえよ」
     頭の機嫌がいいに越し 2630