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    Ml_tyainu

    @Ml_tyainu
    若い子たちの間ではこういうのが流行っているのかい?

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    Ml_tyainu

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    シドミコのような。07+05のような。

    ミル内を放浪してヘトヘトな09とそれを見つけて自室に入れる05の話。

    治療目を開くと天井があった。
    いつの間にか眠ってたらしい、監獄内で使われてるシンプルなデザインのベッドに横になっていた。

    重い頭を上げ、周りを見渡すと誰かが横に座っているのに気づいた。

    「シドウさん?」

    声に気づいた彼がこちらを向いた。
    「榧野くん。起きたんですね。もう少し寝ていても大丈夫ですよ。」
    「…ここどこなんすか?」
    「…俺の部屋です。君の部屋よりは安全かと思って。」

    言葉の意味がよくわからなかった。
    なんでシドウさんの部屋で寝てるのかも。
    なんで僕の部屋だと安全じゃないのかも。
    でも色々と考えるには頭の中がガンガンと騒がしくて体がだるく痛かった。

    「大きな怪我はないみたいですが、疲労が溜まってるみたいですね。睡眠がとれてないようですが。」

    寝てるのは寝てる筈だ、むしろ寝過ぎているといっても過言じゃない。
    でも寝れば寝るほど体が疲れている気がする。

    「榧野くん?」
    返事をしない僕を心配してかシドウさんが顔を覗き見ていた。
    「…寝る前…俺の部屋に来る前の事は覚えてますか?」
    覚えてない。眠る前は何をしてただろう。廊下を歩いていて。キッチンにもいたような。
    「支給品を受け取りにきた俺と椋原さんと一緒に話した事は覚えてますか?」
    そんな事は覚えてない。
    「榧野くん?」

    意味がわからないことばかり言いやがって

    -----------

    支給品として頼んだ薬品や包帯を取りに行くため、椋原さんと2人で廊下を歩いていると。そこで榧野くんと出会った。

    ここ最近、起きたことであまり彼とは接触していなかったが彼の変わりように驚く。
    支給されているはずの囚人服は所々破け汚れており、目の下には深い隈ができていた。
    身だしなみを気にする彼ではなかった。


    「ミコト…大丈夫かい?」


    そう声をかける椋原さんの姿勢がやや臨戦体勢になる。
    彼は赦されなかった、その彼が何をするか分からなかったからだろう。


    「大丈夫?大丈夫なわけないだろ。」


    目がこちらに向けられている。

    「あの女や…クソどものせいで……僕は滅茶苦茶になってる…」

    ギラギラとした殺意が怒りを孕んで今にも爆発しそうなっている。
    以前、一緒に喫煙室で話していた彼の姿とは到底似ても似つかなかった。
    彼がこちらに足を伸ばそうとするのに、俺たちは身構えた。

    しかし、その足はバランスを崩し彼の体は廊下の壁にもたれかかり崩れた。
    それを見て慌てて駆け寄る。
    どうやら彼はだいぶ衰弱しているようで暴れるような気力もないようだ。

    その旨を椋原さんに伝える、放っておく事はできないがさっきの様子から椎奈くんや梶山くんがいる部屋へ連れていくのは危ないだろう。
    話し合った末、椋原さんに支給品を頼み、俺の部屋で榧野くんの様子を見ることになった。

    「僕に触るんじゃ…」
    「君の体が限界だと言ってるんですよ。」
    そう返すと彼は大人しくなり、俺の部屋まで着いてきてくれた。納得してくれたのだと

    ---------------

    そう思っていたんですが…

    彼が去っていったベッドの横で、俺は頭を悩ませていた。

    彼が起きてここが俺の部屋であると伝えてから、彼は一言も話さずこちらを見つめ続けていた。
    遭遇した時の怒りや殺意はなく、無理難題を突きつけられた困惑する子供のような目で途中まではこちらを見ていた。
    が、次第に目の焦点が合わなくなり。
    急に立ち上がりこの部屋から走り去ってしまった。

    落とされた彼にかけていた布を見つめながら、ここに来た当初の彼を思い出す。
    社交的で人当たりが良く、誰にでも話しかけてあだ名をつけたりしていた。
    その彼が赦されなかった事でここまで変わってしまった。
    …時間や長期的な話し合いを行えれば、彼もまた当初の彼に戻れ救えるのかもしれない。

    だが、ここはミルグラムだ。

    いつ自分も赦されず、彼らのように罰を下されるかはわからない。
    その時の俺は人を救える俺だろうだか。

    「それで、"赦されたい"なんて。」

    俺のワガママでしかないのかもしれない。
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