Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    むぎちゃ

    @mugi_san336

    @mugi_san336(Twitterをゆるゆる眺める腐女子)
    水星 単推しはグエル。グエスレ、ラウグエ、シャディグエ、オルグエ、シャディラウ、スレグエ、ラウペト
    グラブル 単推しはサンダルフォンとパラシュラーマ。ルシサン、(ルシサン前提の)ベリサン、シヴァパラ/パラシヴァ
    その他色々。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 8

    むぎちゃ

    ☆quiet follow

    供養(水魔女16話時点で書いた妄想)プロット段階でした。
    なんか、おれがかんがえたさいきょーのはっぴーえんど感あるな
    グエ→スレとシャディ→ミオを含む

    駆けよ少年少女
    ★ミオリネがスレッタの言動と、過去のプロスペラの発言から、スレッタの歪さと矛盾に気付く。

    21年前のヴァナディース事変の仇だと突き付けられた自らの父は英雄となり、今はグループ崩壊の一片となってしまっている。クワイエット・ゼロを通じて出会った両親から愛情が確かにあったことを認識したミオリネ。一方、学園に転入したスレッタは17歳と申告している。活き活きと学園生活を謳歌したかったと本人は思っていただろうが、実際はその夢は無残にも崩れ去っている。しかし、他者の事情に振り回されながらもささやかな役割に意味を見出し懸命に貢献しようとする姿はまさに健気とも言えた。その割にプロスペラはスレッタのことを真に娘として愛しているように見えなかった。なのに「私たち親子の仇ですもの」と宣ったプロスペラの怨嗟の囁きは今もミオリネの鼓膜でリフレインしていた。
    違和感が残る母娘、矛盾する年齢、エアリアルの異常な挙動、グラスレー戦でのスレッタの不審な発言の数々。ミオリネの中で仮設が立った。
    プロスペラの掌に込められた恨みと狂気に満ちた力で、クワイエット・ゼロの計画がねじ曲がっている。彼女の視線はいつだってエアリアルに向けられる。決してスレッタではなかった。確かに彼女の願いを叶える名目はあっただろうが、それを建前にして自らの野望に利用しているのは明白どころか、本人公認であった。ミオリネにとって大切な友であり、仲間であり、花婿である彼女を人とすら思っていない魔女に激しい嫌悪を抱く。

    エアリアル奪取作戦から帰寮したエラン5号は、その日中考えていた。スレッタによく似た少女が、エアリアルのシステム内に散在している。データストームを自在に操り、見事なまでの乗車拒否を丁寧に示されてはこの作戦は困難を極めることになる。共同CEOもオリジナルもこの真相を知らない。ベルメリアは己の保身に傾倒している。GUNDの未来なんて、己には地獄でしかないというのに。もはや彼女は絵空事を描いて夢想するだけの批評家にしか見えないと苛立ちを顕わにした。
    上長への報告は済んだものの、大方の予想通り大した解決策も得られず、燻っていた。ベルメリアを売る真似になったがそれも因果応報だと自分で結論付け、改めてエアリアルの調査に乗り出すことになった。肝心のスレッタはこの現象を理解しているのかが気になった。もしかしたらデータストーム逆流を避けて通る鍵は彼女に運転させるのが一番かもしれないと思い立ち、スレッタに更なるアプローチを掛ける。しかし、彼女はいたって普通に(副作用もなく)搭乗し、運転してみせるので耐えきれず尋ねるも、エアリアルは終ぞエランに応答しなかった。当のスレッタも「エアリアル、今日は調子悪いのかな?オジェロさんもヌーノさんも快くメンテナンスしてくれたのに」などと呑気に述べてくるもので、とうとうエラン5号は腹の業を煮やし始める。

    中①ー1
    ★スレッタ、魔女の憑代として覚醒する。

    グエルの帰還は徐々に知れ渡り、不運な浮浪御曹司として噂が山ほど吹聴されていた。彼の父ヴィムはプラントクエタ事件のデリング暗殺の首謀者でありながら、シャディクの手配したテロ組織の投入計画が早まったことで激昂、自ら戦地に赴き戦死したとされていた。ラウダ、シャディクらにもそのように情報は届いていたし、各局の報道も同様であった。しかしその詳細はグエル本人しか知らない。結果的に父親殺しを成してしまったことで、一度は失意のまま沈んでいたが、家族・会社の危機に舞い戻る。

    シャディクはここでこそジェタークを崩すタイミングだと確信している。テロに利用されたデスルター、不審な艦隊配備、なによりヴィム自身の死がシャディクによって齎されていたなどと、誰も思うまいと。サリウスは誘拐し、もはや自分に意見できるものなどいないも同然であった。取り巻きの女生徒達も各々思うところがあるようだが、それさえも飲み込んでシャディクの野望は展開されようとしていた。

    一方グエルは、ミオリネの元を訪れる。株式会社ガンダムは一連の事件で疲弊していたものの、社員一同ミオリネの帰る場所として守り続けていたようだった。途中スレッタの浮かない顔を目撃し、内心穏やかではなかったが、なんとか本題の業務提携を切り出す。ミオリネもジェタークの信頼が落ちていることは既に把握している。どちらも持ちうる潔白の証拠がわずかであり、それすら何者かに操作されていることは明白であった。二人が協力して真犯人を追うなど、最初こそ双方の寮で反対の声が上がった。しかし、フェルシーやチュチュを中心とした協力体制が敷かれ、次々と協力を申し出る者が現れる。
    そんな中、一人疎外感をひた隠しにしたスレッタがエラン5号の毒牙を受ける。エランの態度はやはり目に見えて違う、本能的にわかっていたがスレッタの脳は考えることをやめようとする。助けてが言えない。エラン5号にパーメットスコアのギアアップワードを口にしろとそそのかされるスレッタ。とうとう唇がその呪文を零してしまった。
    スレッタは、エアリアルの中で駆け巡った。
    「ここは、君の居場所―――ゆりかごだよ、スレッタ」

    中①ー2
    ★ミオリネ・レンブラン、シュバルゼッテ、行くわよ。
    ミオリネの学生手帳に着信がかかる。ティルから急いで戻るようにと、普段の彼らしくない動揺が顕わな声に驚きつつも、会議室から飛び出る。状況を伝えるように指示し、グエルとともに作戦を練る。
    グエルはラウダに作戦内容を聞かせると「無茶だよ兄さん!素人にMSが扱えるわけ」と一蹴されるも、グエルはこれを押し返す。
    「この通りだ。お前を信じている」
    ラウダは評議会の工作済み書類を眼前に突き出す。
    「兄さん。その未来に兄さんはいるよね?そうじゃなきゃこの作戦には乗れない」
    「絶対、僕らの目の前からいなくならないって約束して。兄さんが掴みたいものは、何?」

    グエルはダリルバリデに搭乗、すぐさまエアリアルの状況を探知する。ダリルバリデAIはこれを照査し、的確にアンビカーを展開する。予想外の挙動を目撃したグエルは、父の愛を一身に受けたこの機体を今度は信じてみようと思うのだった。
    チュチュのデミトレーナーからビームライフルが放たれ、エアリアルの周囲で煙幕が発生する。回線は繋がらない。ノイズだらけ、というよりは黙り込んでいるかのように不気味な静けさが電波に乗った。
    「.. .- -- .- . .-. .. .- .-.. -.-.-. .- -. .. -. -.. . .--. . -. -.. . -. - - .... .. -. -.- . .-. .-.. .. ...- .. -. --. .. -. .- -.. .- - .- ... - --- .-. -- .-.-.- .. -. -- -.-- .-- --- .-. .-.. -.. ... .... . ... .-.. . . .--. ... -.-- --- ..- -.-. .- -. .----. - .... . .- .-. .... . .-. ...- --- .. -.-. . .-.-.- .. ..-. -.-- --- ..- .-- .- -. - - --- -... . . -- -... .-. .- -.-. . -.. -... -.-- .--. .- .-.. -- . - - --- .--. .- .-. - .. -.-. .-.. . ... --..-- .-.. . - -- . -.. --- .. - .-.-.- 」

    エラン5号はファラクトを駆り、混沌の戦場からの離脱を試みる。誰にも気づかれぬよう、ひそやかに。冗談じゃない、あんな怪物に心臓を握りつぶされるくらいなら少しでも延命ができる方法に賭けてやる。その思いだけで、ひたすらに飛行していたところに、何者かからの通信を受ける。
    「.- .-. . -.-- --- ..- .-.-.- .-.-.- .-.-.- . .-.. .- -. ..--.. .. .-- .- ... -.-. --- -. ..-. ..- ... . -.. .- ..-. - . .-. -.-- --- ..- .-. . - ..- .-. -. . -.. - --- ... -.-. .... --- --- .-.. .-.-.- .. .-- .- ... .... .- .--. .--. -.-- - --- .. -. ...- .. - . -.-- --- ..- --- -. .- -.. .- - . --..-- -... ..- - -.-- --- ..- .----. .-. . .--. ..- ... .... .. -. --. -.-- --- ..- .-. ... . .-.. ..-. --..-- .- .-. . -. .----. - -.-- --- ..- ..--.. .. -.. .. -.. -. .----. - .... .- ...- . - .... . - .. -- . . .. - .... . .-. --..-- ... --- .. -.- -. --- .-- .. ... .... --- ..- .-.. -.. -. .----. - .... .- ...- . ... .- .. -.. - .... .- - .-.-.- -... ..- - --..-- .- ..-. - . .-. .- .-.. .-.. --..-- .. - .----. ... ... .- -.. - .... .- - .. -.-. .- -. .----. - - .- .-.. -.- .- -... --- ..- - -.-- --- ..- .-.-.- 」
    これは、あの謎の少女ではない。確証はないが、間違いなくスレッタだった。エラン5号は操縦桿を握る手を離し、ヘルメットを脱ぎ捨て顔面を掻き抱く。
    「お前が交代えたんだろ!今更恨み言か!反吐が出る」
    憤怒、憎悪、嫉妬、混ざる負の感情がエラン5号を突き動かした。
    「家族だ?誕生日だ?そんなもの、俺たちにはない」
    「嫌だ。俺はどんなに意地汚くても生きる。いくら呪われた傀儡でも、それだけは譲れない」
    そうやって綺麗事で笑ってられるお前のほうが、よっぽど怪物だ。エラン5号の吐き捨てる言葉にファラクトがカーマインレッドの明滅を返す。スコアが引き上がる度に呼吸も鼓動も浅くなる。脳を弄られ、やっとたどり着いた景色は、あの赤毛の少女が手招く姿だった。
    ―――ファラクトの映像データをハッキング完了しました。Date:A.S.122 XX/XX XX:XX:XX Title:サリウス・ゼネリ誘拐事件

    ガンビットが踊る戦場を、真紅の機体が縫うように走り抜ける。ダリルバリデが囮役を買って出た。
    「スレッタ・マーキュリー、お前の操縦はそんなもんじゃない」
    戦士同士でしかわからない境地とも言えるそれで、グエルはつぶやく。返事はないが、つまるところ彼女自身の意思ではないようだった。
    「お前はなんのために戦うんだ」
    「俺は…俺は、大切なもののために戦う。そう決めた」
    自尊心を肯定し、家族を肯定してくれたことへの感謝を乗せて、モノアイが再び点火した。
    「グエル、状況は」
    「まだ、あのフィールドが展開されていない。アレが出されるとオーバーライドだ」
    「出された後に隙を突けってことね」
    通信でミオリネが言葉に詰まる。
    「アンタ、言わないのね」
    「今のアイツに言ったところで聞こえるわけがないだろ。それに」
    「それに?」
    「アイツの尻を叩くのはお前の役目だろ、花嫁」

    エアリアルの羽が広がり、舞っていた子供たちが集まっていく。それらは次第に魔法の箒となって、ダリルバリデ、デミトレーナー、更には彼方のファラクトまでもを射線に捕らえていた。
    「あーしらが引き付けてるうちにとっとと裏に回りな」
    ヌーノとオジェロがスポットを示す。
    「ミオリネ、まずは奴のカメラを潰すんだ。ビームサーベル以外の火器は俺たちが抑えてる。近接戦に持ち込んだ時に例の波を発生させてくる可能性があるが、その心配はない」
    「?」
    ミオリネは受け取った返事に苦笑いし、操縦桿を掴んだ。
    「ミオリネ・レンブラン、シュバルゼッテ、行くわよ」
    AI制御で操縦者の技術はカバーできても、MSの性能も必要だ。シュバルゼッテは、ガンダムの名を冠するが、その実ダリルバリデと同じ機構であった。
    大剣の鍔が震える。モーター音と自らの呼吸音の音、そして仲間からの声援がミオリネの鼓膜を刺激する。
    「アンタのせいで、アンタのおかげで変われたのに。借りくらい返させなさいよ!スレッタ!!」
    大剣のビットが展開され、砲門が露わになる。
    「やりたいことリスト、99!アンタのこともっと教えなさい!」
    トリガーが引かれ、光線が奔る。空気を切り裂いた輝きがエアリアルの両の目を捕らえ、融けた金属の液が溢れるように落ちた。
    「チュチュ!」
    デミトレーナーのビームライフルでビームサーベルを握ろうとしたエアリアルの腕が焼き切られる。
    「御曹司!」
    ダリルバリデのビームジャベリンが仕上げとばかりにエアリアルの残った三肢を捥ぎにかかる。エアリアルはほとんど駆動不能と化していく。
    「・- -・ ・- ・-・-- ・・ ---・- ---- -・- ・- ・-・-- ・・ ---・- -・ ---・- -・-- ・-・-- 」

    散り散りになったガンビットたちが、抵抗しようと僅かに動きだす。しかし、グエルもチュチュも各僚機、メカニックチームもその恐怖の足音に気付けなかった。
    「パーメットスコア、スリー」
    ファラクトのガンビット、コラキが浮遊するエアリアルのガンビットたちを縫い付けた。ビームカリヴァですばやくそれらを破壊していく。
    「痛いなら、苦しいなら、生きてるってことだろ。もっと生きる努力くらい……しろよ!」
    エラン5号はデータストームで息も絶え絶えだったが、間一髪で踏みとどまっていた。
    「あのまま飼い殺されるくらいなら、お前にこの苦しみを見せつけてやるよ、スレッタ・マーキュリー!!」
    あの蒼き光が、再びエアリアルから放たれようとしている。ダリルバリデのシャクルクロウでエアリアル本体を縫い付けていられるのも時間の問題だった。各人から背を押されたミオリネが意を決してシュバルゼッテで突撃する。
    瞬間、蒼の世界が広がり、少女たちは再び邂逅した。

    エアリアルは、自らの滅びを選択した。彼女たちの選んだステージで、掴む未来で、この剣が必要でないことは既に理解していた。この身が元は人間だったこと、母の願いを成就できないこと、いくつか不安の種は尽きなかったけれど、自分を愛してくれた人が幸せに生きてくれたらそれでいい。エアリアルは脱出ポッドをコードした。コンソールから手を離して瞳に煌めきが戻ったスレッタに、涙がなかったわけではない。
    ――僕たちのストーリー、まだ続くんでしょ。


    ★グエル、ジェターク社代表として株式会社ガンダムとの提携を宣言する。
    ★ミオリネ、クワイエット・ゼロを否定する。ベネリットグループ資金でGUND医療の普及と難民・労働者自立支援事業を打ち出す。

    ベネリットの未来を占う議会の幕が上がった。
    議会でグエルは自分が社を離れてからの一部始終を語ってみせた。事件当時プラントにいたこと、捕虜になっていたときにプラントにガンダムーアスティカシアの学生達の存在を盗み聞いたこと、夢中で強奪したデスルターと父の駆るディランザ・ソルが会敵したこと、意図せずそれを撃墜したこと、フォルドに捕らえられ地球の拠点で滞在したこと。そして、グエルは決定的な「シャディクがフォルドを利用していた証拠」をつきつけた。…通信記録だ。軌道エレベーターに搭乗する前に独自で現況を調査した際に見つけたものだった。
    オルコットと別れる際の会話を回想しながら、グエルは覚悟を決めた瞳でこれを提示した。

    グループからは様々な意見があった。社内の不祥事を粛清した英雄だとか、親殺しは罪深いだとか、中にはいわれのない罵詈雑言が混じっていた。それでもグエルは誠実に対応し、これらの疑念をすべて白日の下に晒していく。そして、ミオリネが証言台にニカを連れてくる。
    「シャディク、アンタは第二第三の自分が生まれて、あるいはプロスペラが生まれても地球や宇宙のためだと言えるの?」
    「それなら、私は真っ向から否定してやるわ。結局自分に酔ってしまえば周りも見えないのよ」
    遠隔で会議を聴講していたサビーナが切なげに俯く。グエルが隣のモニターに映る弟をチラリと見てから言葉を紡ぐ。
    「俺は実際に地球を見た。全部がそうというわけでなくとも、皆支え合って生きている。そこにあったひたむきさや善性にスペーシアンかアーシアンかなんて関係ないと思った。そんな中で膠着状態にしたところで、結局どちらも疲弊する」
    証言台に立ったニカが、拳を握りながら口を開いた。
    「木の枝ですら武器に変わる。それを皆の灯に使う人だっている。貴方がやろうとしているのは後者に見せかけた前者なんじゃないんですか」

    「ミオリネ、君は強いね」
    「アンタが気づくのが遅かっただけよ」

    戦いは、ミオリネがスレッタに勝ったという形になったため、スレッタはホルダー剥奪となったのだが、そもそも花嫁制度も立ち行かなくなっていたため、ほぼ白紙の状態だった。しかし、今のスレッタには疎外感などなかった。あの時、データストームの世界でミオリネが必死につなぎ留めてくれたからだ。

    「決闘勝ってほしいって言ったのも、メール送ってって言ったのも、部屋の掃除してって言ったのも、温室任せたのも、全部、全部アンタのことが大好きだから。ずっと頼りにしているから。だから、たとえ花嫁じゃなくても私のことちゃんと見て。あんたの我儘も聞かせて。じゃないと不公平よ」
    「ミオリネさん……」
    「馬鹿。こんな世界じゃアンタを抱きしめられないじゃない」

    スレッタにはもう一つ、新たな気づきがあった。
    いつものようにミオリネの温室に向かう。森林の木々の匂いに癒されながら、歩道を上機嫌で歩いていた。

    「スレッタ・マーキュリー」
    「グエルさん?なんでしょう」
    「あの時、言いそびれていたんだが……」
    スレッタの脳内には疑問符が浮かんでいたが、グエルは構わず続けた。
    「お前のことが好きだ」
    「…え?」
    直後、グエルは「あ~~」と不思議な鳴き声を発しながら首を振った。
    突然の求婚、温室破壊の謝罪でツンデレ発言、お節介だけど情に厚い人。なんとなくではあったが、スレッタにはグエルの真っ直ぐさ・不器用さが見えた。なんだか、ミオリネさんとちょっと似てるかも?そう思うとスレッタの心に温かいものが広がる。
    「だから、その……」
    「ああああ、あの、結婚はちょっと…」
    「あれはその、急ぎ過ぎた。俺が言いたかったのは、」
    グエルの影がスレッタの影に近づく。

    「ありがとう」

    スレッタはその場で固まり、「またな」と手を振り軽快な足音で去っていくグエルの後ろ姿をぼーっと見ていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    むぎちゃ

    MAIKING前回の続き(vol.5)
    もうちょっと続くのじゃ
    もしかしてオールキャラみたいな方が楽しい?
    いや、実はグエ→スレなんです通してください……(´;ω;`)
    グくん退学してません。
    日常ベースなので怖いことは起きない……はず。
    ご都合設定・捏造満載につきなにとぞご容赦ください。大体8話~9話前くらいのイメージ
    伝染思慕便箋(仮)#5
    「わっ」
    廊下の曲がり角近くから声がした。
    私を置いて逃げ出した男……キープくん12号は、大方前方不注意で誰かとぶつかったんだろう。初心なんだな、それだけしか思うところは無い。一つだけ言えるのは、キープくんにした以上目はかけるつもりではあるということだけ。だからあんなにドギマギさせてやった。私は可愛いで全て落とせば問題ないもの。
    生憎、私の次の目的地もそちらにあるのだ。だから当然廊下を進むのだが、今日は様子がおかしい。
    折られた紙が落ちていた。
    「な~にこれ。紙なんて珍しいじゃん」
    落としたやつが悪いのよ。外面はちょっと皺が目立つけど、中身を見てたっぷり数分間微笑んでやった。
    「なになに?貴女を想い続けます。貴女に想いが届いて欲しい、なんて烏滸がましいけれど。それでも愛し続けることを許してほしい。……ってポエムかよ」
    1580