The Waltzing Cat「子供向けのコンサートをやるから金凌とおいで」
チケットを2枚握らせられたのでやってきた地元のコンサートホール。幼稚園は2ヶ月の夏休み。金凌をかりると姉夫婦に告げると、二人は諸手を挙げて喜んだ。久々の自由な時間を満喫するといい。江澄自身にも有給消化の理由が出来た。
「そのコンサート大人気なのよ。特にお母さんたちに。」
姉の言葉に「子供たちにではなく?」と聞こうと思ったが、なんとなくその理由は予想は出来る。
「じうじう!見て!ほゎんほゎん!」
金凌は真ん丸の目をキラキラさせステージ上の藍曦臣を指さす。渙渙と言いたいらしい。江澄とよく一緒にいる人物は覚えている。
「阿凌、お利口で座っているんだぞ、立ったら後ろのお友達が見えないからな。それからアリさんのお声だ。」
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