鳴り続ければいいのにある任務の後、大雪と身動きできず近隣の旅館に宿泊する。
部屋は隣同士のシングルルーム。
古びてる割には部屋にユニットバスもついていて、狭い中どうにか五はシャワーを浴びる。
シャワーを浴び終わったところでドアがノックされる。
部屋の外には同じくシャワーを浴びたのか備え付けの浴衣姿の歌。
「なに?」
首を傾げる五に、煮え切らない歌。
その時、激しい雷が聞こえる。
短い悲鳴をあげて五に抱きつく歌。
濡れた襟足、白いうなじ、甘い香り。
こみあげる欲情を誤魔化すように五は歌を揶揄う。
「なに、びびってんの?雷、怖がるなんて可愛いとこあんじゃん」
「うっさい、そんなんじゃ……!」
歌が叫ぶ側から雷がまた鳴り、歌は五にしがみつく。
溜息混じりに五は歌の耳を塞ぐように抱きしめる。
「ちょ、な……」
「雷聞こえなくなるまで、塞いでてやるよ」
「……ありがと」
歌もまた五の背中におずおずと手をまわす。
雷がこのまま鳴り続ければいいのに。
みたいな五歌。