味わえ私の為の花/ジュナカル 死ネタ 「私がお前に殺されたら、お前はどんな顔をするのか」
特異点での人の死に立ち会いながら、アルジュナはふと思ったのだ。
私の死体に触れるカルナは、果てしてどんな顔をするのだろう?
出来るのなら、あの大戦の瞬間のカルナが勝ち自分が死んでしまった瞬間がいい。
考えると胸に空いた穴がざわめく、ソコにはそうなっているカルナが飼われていたスペースだ。
最近お役御免と顕在化する事も減ったから、こういった想起が直接胸の奥にダイレクトに落ちて困る。
カルナ、お前だったらどうしただろう?と、ワンターン置いて冷めた頃に咀嚼した物が調理もされずに目の前に出される。
私はソレをどう食べたいかから考えないとならないのは正直辟易すると同時に、私が何かを再定義する事になる。
「どうせ考えているのはお前の事なのに」
自分は触れる事すら出来なかったが、カルナはどうするたろう?
だが、そんなものは決して観測出来ないのに。
そうして、自分を越えてカルナが生を歩き続ける事が何処か悔しくて許し難いなと思いながら『願ってしまえばいい』という最短手段を思いつく。
「そうしてくれと、願えば。戦士の礼としてきっと叶えようとするだろう」
腕の中で燃やして欲しいだとか、少し口に含んで欲しいとか。
私に捧げられる供儀の花をその口で全部食べて欲しいとか。
いや、違う。カルナが自発的に何をするかを見たいと思ってから、笑ってしまう。
「アイツは私の家族の事を考える。悲しませはしないだろう。私を丁寧に引き渡す」
けれど、ああ。
きっと勝ちを誇ってくれるだろう。
それは、きっと幸せだったのだ
「今度私がお前を殺す時は、私も笑って見せられる様になりたい」