アベンチュリン・タクティックス ルート1 第2話:傷だらけの指 「愛してる」と伝え合った日から、星とアベンチュリンは随分と距離が近くなっていた。
休み時間や昼休みは常に一緒で、グループワークもメンバーが自由に決められるのなら、同じグループになる。周りは本当の付き合っているのだなと察していた。
そんな相思相愛となって時のある日のこと、珍しく星は1人で過ごしていた。
「あ、アベンチュリンだ」
教室へ戻るため渡り廊下を歩いていると、窓の外に見えた中庭。そこにあったのはアベンチュリンの姿。副会長と話している彼は真剣な表情だった。生徒会での仕事だろう。
邪魔してはいけないと思いつつ、仕事をしている彼が気になった星がこっそり見つめていると、アベンチュリンの視線がこちらに向いた。
4623