Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    きふゆ

    @hom1mate2

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 21

    きふゆ

    ☆quiet follow

    カルデアにいる師匠とグレイの話。アニメ0話に少し触れてます。
    アニメ再放送嬉しいです

    師匠とグレイの話「グレイ何をしているんだ?」
    「あ、師匠」
     廊下でしゃがみ込んでいた内弟子を見かけて声をかける。カルデア内では離れて行動していることも多いため、偶然出会うのは珍しい。グレイが私の方に振り返って見上げてくる。そしてグレイが何をしているかが分かった。
    「その猫は……」
     グレイは黒猫を撫でていたらしい。カルデア内に野良猫はいない。誰かの使い魔の猫だろう。黒猫は呑気に頬に当てられているグレイの手に顔をこすりつけている。
    「アビーさんのノーシュさんです。一匹でいたので撫でていました」
    「なるほど」
     アビゲイル嬢の黒猫は一通り満足したのか、一声鳴いてから走り去ってしまった。走ったのを見送ってからしゃがんだままだったグレイは立ち上がる。
    「師匠は覚えていますか?あの黒猫のこと」
    「……覚えているとも。あの猫とアビゲイル嬢の使い魔だと目の色が違っていたな」
    「そうですね。あの子は蒼い目でしたから」
     呪詛に利用されたあの可哀相な猫は、私たちの記憶からは消えていない。しんみりした空気が廊下に漂う。このまま悲しむのは違うだろう。
    「グレイこの後の予定は」
    「いいえ、今日はもう予定はありません」
    「なら、部屋で紅茶でもいれてくれないか?」
     言い方はどうだろうと思うが、グレイは何かと私の世話を焼くのが好きなようだ。証拠にフードから見える彼女の表情が先ほどよりもずっと明るくなる。
    「……はい! あと師匠の髪もブラシをかけてもいいでしょうか?」
    「構わない。行くぞグレイ」
    「はい師匠」
    自室へ向かうため歩き始めれば、グレイも足早に私のあとをついてきた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤👏👏☕
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    ねこの

    TRAINING外の光差し込まぬノウム・カルデアであっても時計の示す通りに寝起きをする事が推奨されている。いざとなると昼夜を問わず働く羽目になるのだ。平時から無理をして心身の調子を崩す道理はない。
     比較的最近召喚されたと有ってか、それとも先日の一件が有ってか藤丸の部屋に呼ばれる事が増えた。Tシャツにハーフパンツといつでも眠れるような格好のまま、実も付かぬ話をする事が多い。同じ国の生まれ育ちではあるが、時代が隔たればまるで違う世界のようだ。藤丸が用いる携帯端末一つ取るだけでこれでどれだけ戦が変わるか知れない。そんな事はきっとここに来た英霊皆が思うことだろう。
     そういえば再臨で纏うスーツも当時のものとは少し意匠が異なっている。あれが現代風なのだろうか。記憶にあるよりも幾らか生地が薄く伸びる。戦闘がしやすい割りに、形の崩れも少なかった。
    「んじゃあ別に用立てなくても僕ってば現代に溶け込めそうって事なのかな?」
    「ああ、そうかもね。今度新宿とか行ってみる? レイシフトだからそっくりそのまま俺が知ってるのとは違うけど」
     そんな近い年代でも特異点が成立するものらしい。
    「そんな遊びに行く感覚で行って良いのか 2725