一ぐだ♀練習(未完)どこか苦しげな姿の彼の姿に珍しい、と思った。
「はじめちゃんどうしたの?」
戦闘が無事に終わった後に、他のサーヴァントたちに声をかける。最後に前線で一番活躍していたはじめちゃんに声をかけようとして選んでいた言葉を変更した。だってはじめちゃんが眉間にしわが寄って悔しげに俯いている。
「怪我しちゃった?」
咄嗟に浮かんだのは怪我をして苦しいのかな。はじめちゃんを見てもぱっと見は怪我をした様子はない。問いかけてもはじめちゃんは首を横に振る。
「いんや、僕は怪我してないよ」
「よかった」
「いやよくないよ」
「何が?」
何がよくないんだろうか、はじめちゃんの言葉に私は心当たりが一切無い。私の言葉にはじめちゃんは手を伸ばす。私の頬に触れた。ちくりとした痛み。
「ほら怪我してるのマスターちゃんだよ」
くしゃりと笑みを失敗した顔。はじめちゃんが触っている場所に自分の指を当てる。痛い、けど経験上軽い部類の怪我だ。
「平気だよ、これくらいだいじょ……」
「大丈夫って言うなよ」
大丈夫と私が言い切る前にはじめちゃんが言葉を遮る。思った以上に鋭い言葉に私は驚いて体がびくっと跳ねてしまう。それを怯えたと勘違いしたらいし。
「ごめんね、怒っているわけじゃないんだけど」
「ううん、私もびっくりしただけだから」