【凪玲】レモンティーと炭酸水最近、俺の周りが少し騒がしい。
屋上で吹かれる風は気持ちいい。
教室の賑やかさも気にはならないし、教室で浮いた存在の俺に話しかける人も最近ではほとんどいなくなった。
それでも、やはり屋上で1人になるのは落ち着く。
この季節は暑くもなく寒くもなく、柔らかく吹く風はただただ心地よい。
昼休みの開始とともにここへ来て、昼ごはんを食べたら風に吹かれて自由きままに過ごす。
「ふわぁ…」
欠伸がひとつ溢れる。今日はゲームじゃなく昼寝にしようか、そんな気分にもなるような青空が広がっている。
…のはずだった。
「おーい、凪!」
バタン!と屋上のドアが開く音がしたかと思うと、俺を呼ぶ声がする。
そう、俺の周りが騒がしくなったのはこの声がするようになってから。
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