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    s_toukouyou

    @s_toukouyou

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    s_toukouyou

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    アナシエと旅してるショタシエ
    いつかどこかの演算世界みたいなかんじで…

    「おねえさん、男ふたり、泊まり!」
    「あら、いらっしゃい。お泊まりなら宿帳の記入をお願いね」
     来客を告げるベルの音とともにとびこんできた金髪の少年に、宿の受付に立つ店員は微笑ましげにペンを差し出した。
    「おまえね、もう少し落ち着いて行動しなよ」
     少年の後を追って、一人の青年が扉をくぐった。
    「え〜だって久しぶりに屋根のあるとこで寝れるからさ〜」
     さらさらと宿帳に記入した少年は、上半身を捻って、背後に立つ青年を見上げた。
     彼らは良く似ていた。金の髪に青緑の瞳。顔立ちは瓜二つで、少年をそのまま大きくすれば、または青年を小さくすれば全く同じになることだろう。
     親子と言うには青年は若すぎるように感じたが、兄弟というには年が離れすぎている気もする。
    「ええと、支払いはお父さんが?」
     悩んで、受付の店員はそう呼びかけた。途端青年はすごく嫌そうな表情になった。
    「父親じゃないよ。いくら?」
    「すみません、お兄さんでしたか。二人部屋は一晩2000ルピになります!」
    「兄でもないよ」
     ばっさりと言い切りつつ、青年は金額ちょうどの紙幣を取り出して支払った。
    「えっ、いやでも、あ、親戚とか?」
     客のプライベートに踏み込むべきではないが、しかし店員は思わず聞いていた。だって血の繋がりがないわけがないだろう。この瓜二つさで。そんな思いが顔に書いてあった。
    「もっと言ってやって。認知しろって」
     少年の発言に店員はぎょっとして二人を交互に見た。
    「親戚じゃない。隠し子でもない。もういいだろう、ルームキー」
     淡々と催促されて、店員は動揺しつつも、ルームキーを青年にわたした。


    「ベッドだ!」
     部屋に入るなり、少年は寝台に飛び込もうとしたが、青年に首根っこを掴まれて阻まれた。首元を咥えられた子猫のように、少年がぷらんとぶら下がる。
    「先に風呂に入りなよ」
    「少しだけ!」
    「だぁめ」
     ぷくーっと頬をふくらませる少年を床に捨てて、青年は荷物の中から着替えを取り出し始めた。
     見上げた青年の横顔と、その先のドレッサーについている鏡に映る自分に、少年はなんとも言い難い表情を浮かべた。
     血の繋がりはこんなにあからさまだというのに、どうして頑なに否定するのだろう。少年がこの青年に出会ったときから、ずっと心の底で抱えている疑問だ。
    「アルコル」
    「なに」
    「名前教えてよ」
    「今呼んだじゃないか」
     そういうことではないのだが、惚けられてしまうと少年には踏み込むすべがない。これくらいの探りはともかく、下手に深堀りして、一緒にいてくれなくなるのは嫌だった。
    「……じゃあ俺の名前呼んで」
    「シエテ」
     最近増やした新しい名前で呼ばれて、少年はむうとむくれた。そちらではないと分かっているだろうに。全身で拗ねていますと表現して、そっぽを向く。
     はあ、と観念したように青年がため息をついて、少年の髪をぐしゃりとかき混ぜた。
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