11:00普段だったら行列が出来ている駅前のカフェも今日は1分も並ばずにいちばん人気の日当たりの良い席に通される。
10食限定の日替わりパフェも数十分待ちのラテアートも全部僕たちのために用意されるのだからまるでお店を貸し切ったみたいな気分だ。
実際は平日の午前中にカフェに来るような暇人は僕達くらいしか居ないと言った方が正しいのだけれど。
文化祭の翌日の学校はその賑やかさの残り香だけ纏ったまま誰ひとり存在しないがらんどうな箱になる。文化祭だって遊びみたいなものなのだから翌日の学校が有ったっていいのに、なんて熱冷めやらぬクラスメイトたちは残念そうにしていたけれど人前に出ることが出来ない代わりに裏でひたすら立ちっぱなしで焼きそばを焼いてはパックに詰めるだけの単純作業に徹していた僕は一刻も早く寝たくってたまらなかった。
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