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    朔月🌙

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    思い付いたのをほんの少し書くだけ
    今のところアルトネリコ2パロオベぐだ♀だけやで

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    朔月🌙

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    サイスル アラアミ

    続くか分からない話

    ##その他

    新宿に店を構えているとある甘味処に若者達はいた。
    その内の1人黒髪の少年は何も言わず神妙な顔で俯いている。
    「ああーもう!!」
    テーブルの向かいに座っているツインテールの少女はそんな彼に痺れを切らし声をあげた。
    「うじうじうじうじして。湿気たっぷりな所に生えたきのこかー!あたしたちを呼びつけたのは何なの!ほら3秒以内にズババっと言いなさい!今すぐ!」
    「まあ落ち着いてノキア。」
    「だってそうでしょ。勇吾くんだって『アラタ早く言いなよ』って思ってるでしょ?」
    アラタの隣に座っている勇吾と呼ばれた黒髪の少年は何も言えなくなる。
    「まぁどうせアミさんの事でしょう。」
    ノキアの隣に座っている黒髪の少女は本当に食べ切れるの?と疑うほど大きな巨大抹茶パフェの白玉をパクリと食べながら言った。図星だったのか「うっ…」と声が聞こえた。
    「悠子の言う通りだ。」
    この男はアミと付き合っている。デジモンが存在しない今の世界になる前からだ。この世界になっていつぐらいだったか……2人から打ち明けられた時3人は驚いた。いつそんなきっかけが、展開が、時間があったというのか。もう悠子はヤバかった。心から慕っていたアミがまさかこのアラタと付き合っていたなんて。真顔で質問のオンパレードだった。もうそれは殴る勢いの。いや、文字通り殴っただろう。その時ノキア、勇吾は必死に悠子を止めた。もし止めていなかったらアラタは病院送りになっていたかもしれない。
    「こ、今度プレゼントを渡そうと思ってるんだがいい案が浮かばなくてだな。」
    この男、アミの事になるとポンコツになる。普段は女性陣に振り回され苦労人だが頼りになる男。杏子さん曰く稀代のロマンチスト。と呼ばれたお前はどこに行った。ノキアと勇吾はため息をついた。
    そんなに悩む事なのか。
    今まで通っていた学校に復学し、杏子さんの探偵事務所で助手としてあっちこっちと忙しくしている彼女を思い浮かべる。
    「アミは何でも喜ぶと思うよ。」
    好きな人が自分の事を考えて悩んで選んだものなのだから。
    「因みになんのプレゼントなんだい?」
    前の世界でアミが受けた依頼を思い出した。
    あぁそうだ。内容によってプレゼントの方向性が変わるし重さもある。勇吾ナイス!
    「付き合って半年になるからその記念の贈り物だ。」
    「なるほど。」
    悠子は頷く。
    いつの間にかパフェはもう3/4になっていた。まだまだいけますという顔をしており、まだ食べ足りないのかメニュー表を手に取ろうとしていた。
    「ん?話を聴きながら食べてたよね。それにパフェが来てからそんなに時間経ってないよね。え、悠子っちやば……。前1回見たけどそれよりも尋常ではないんですけどー!!」
    こんな細い体のどこに入るというのだろうか、彼女の胃はおかしい。ノキアはもう驚きを隠せなかった。
    「たくさんお食べ。」
    「おたく……妹に甘すぎないか?」
    「可愛すぎてつい…ね。」
    「すみません。この巨大パンケーキとバニラアイスクリームを1つずつお願いします。」
    ついではない。ついの域を越えているぞ。
    「アラタさん、先程いい案が浮かばなかったと言ってましたが本当に何も?1つはあったのではないですか?」
    「あー……候補はあったな。」
    「例えば?」
    「ネックレス。」
    「重い。」
    即一刀両断したのは勇吾だった。
    「ネックレスを贈る意味知ってるかい?」
    知らない。全く知らない。3人は顔を横に振る。
    「ネックレスはね『あなたの事を心から思っています』『ずっとそばにいたい』という想いが込められたものになるんだけど」
    「うわ~チョー最・高の愛のプレゼントじゃん!うん、アタシはいい―」
    「ノキア、話は最後まで聞いてね。」
    話を遮ったノキアにやんわりと窘め、コホンと咳払いする。
    「ネックレスを贈る意味は『束縛』『独占』だよ。」
    「「「重い!!!」」」
    ネックレスにはそのような意味があったのか。確かに勇吾の言った通り重い、重すぎる。
    「マジか………。」
    みんなに相談をして正解だった。買う前にこの情報を得ることが出来たことに感謝しかない。
    「勇吾くん、なんで知ってるの?」
    「ふふ、僕が今までどこにいたと思っているんだい」
    デジタルワールドのマザーコンピューター、イグドラシル。ああそうかイーターに侵食されたことで、イーターが喰らった多くの情報、精神データが流れ込んでいたんだった。そうなれば知識も多く得ることができる。そういえばあの末堂は元気だろうか。
    「えーっと、はい次。次はないの?」
    「腕時計。アイツ探偵業してるし、腕時計だったら直ぐに時間確認できるだろ?」
    「なるほど。いいアイディアだと思います。」
    「お待たせしましたー。巨大パンケーキとバニラアイスクリームです。」
    コトンとテーブルに運ばれてきたのは4段も積み重なれた本当に巨大なフワフワパンケーキ。別皿にバター、メープルシロップ、蜂蜜、ホイップクリームもついている。何人分あるのだろう。そして1つのバニラアイスクリーム。巨大パンケーキと見比べてしまうと小さく見える。周りの客は本当に食べ切れるのかという目で悠子を見ていた。
    うわぁデカい。悠子っちの胃はブラックホール。どこかのピンク玉を思い出す。
    「アラタさん、ノキアさん漏れていますよ。」
    「兎も角僕も腕時計はいいと思う。」
    「勇吾先生も納得の出来るプレゼントが上がりました~!!それじゃあコレで決まりだね。」
    「あとは場所なん―」
    「遊園地じゃなくて、池袋とかにある小型水族館とか浅草とかで大丈夫だから。映画やカフェってのもありだね。」
    「なんで分かったんだ……。」
    アラタは計画的に物事を進める人だ。それはいいのだがただこだわりすぎるのが欠点だ。それを見越しては勇吾は言った。流石親友、相手の事をよく理解している。
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