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    朔月🌙

    @zGxGEklPM5KupM1
    思い付いたのをほんの少し書くだけ
    今のところアルトネリコ2パロオベぐだ♀だけやで

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    朔月🌙

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    アルトネリコ2パロの記憶があるオベぐだ♀のちょっとしたお話

    相も変わらず不定期投稿シリーズです

    ##オベぐだ♀

    アルトネリコ2パロの記憶があるオベぐだ♀ その2 「オベロン………これはいったいどういうことなの」
    「どういうことって?」
    ここは草原に設定されたシミュレーター内。
    「とぼけないで!」
    にへらと笑う彼に立香は続ける。
    「どうして……どうして黒髭がこんなにボロボロになってるの!」


    昨日の内に書類仕事が終わりやっととることができた休日。立香は今日、部屋でのんびりと過ごそうと思っていた。そんな時だ。
    「先輩!」
    突然マシュが部屋を訪れてきたのだ。何か大変なことが起きたのか。しかしエマージェンシーコールはない。
    「あのっ……シミュレーターで大変な事態が。」

    とのことで現場に駆けつけてみればボロボロになった黒髭、草原は無残な状態になっていた。まずクレーターができている。数は20も越えるだろう。炎が使われた、黒煙の跡もある。そこには銀の髪、雪のような美しい色の旅装姿の彼。
    「やあ。」
    笑顔で挨拶する妖精王オベロンがいた。
    そして今に至る。
    「はははっ。うん、最初は普通のパーティーだったんだ。けれど段々と楽しくなってきてしまってね。いやほんと彼には悪いことをしてしまったよ。」
    嘘だ。100%嘘だ。だって全然悪びれてない。
    「マスター。」
    後ろから呼び掛けられ、振り向くと黒のドレスを着た妖精騎士バーゲスト。
    「マスター。彼がそこの男にした行動は過剰と取れるものと思いますが、わたくしはそうとは思いません。」
    「?」
    「そうだね、あれは私でもああなる――というよりなった。」
    妖精騎士メリュジーヌ。
    絶対相容れない、遭遇したら最後、永遠の敵対対象の関係である妖精騎士と妖精王でありブリテン島の終末装置が何故?バーゲストがオベロンを擁護?え、どうしたの?それとああなるとは?
    あれとメリュジーヌが指差した方向には
    「えっなにあれ。」
    何人も山のように折り重なった男達の屍があった
    ケルト、アロハ3騎士、新選組。
    「本当は嫌だったよ。他はどうでもいいけど僕にとって円卓の騎士達は特別な存在、尊敬する人達だ。けれどね、それとこれとは別なんだ。」
    「えぇ、今回は私もメリュジーヌと同じ考えです。」
    円卓に憧れ、尊敬する2人が彼らに刃を向けた?
    「えぇと…何があったの?」
    「それは僕から話すよ。」


    ある道具の開発が一段落して食堂に向かっていた時のことだ。
    「ようやく1/3はできた。あとの残りは…材料を集めないと――って。」
    「お前は…!」
    「うわっ最悪。」
    食堂の入り口で妖精騎士2人と鉢合わせをしたんだ。会わないよう気をつけていたのに。けれどカルデアで殺し合いはご法度だからね。向こうもわかっていた。
    「ごきげんよう妖精騎士達殿。カルデアでの生活は楽しんでいるかな?」
    「……そちらこそ。カルデアでの生活は慣れましたか?」
    「ああ、カルデアのみんなは親切だからね。本当にありがたいよ。君達はこれから食堂かな。」
    中を覗けば人が大勢いて1人で落ち着けるスペースなんてなかった。一先ず帰ろう。穏便にすませて退散しようとしたときだ。奥のスペースから聞こえたんだ。マスター、きみについての話が。
    どこから発されたのかと探せば奥から。酒盛りしてる男衆。ケルト、円卓で色々有名な3人、新選組、黒髭だった。

    「私の……話?」
    「そうです。まぁ内容は……あの…その。」
    言いにくいことなのか渋るバーケストにはぁ…とメリュジーヌは溜め息をついた。
    「簡単に説明すると最初彼らはマスターのこれまで歩んできた道程を懐かしんでいたんだけど――途中からマスターの礼装の話になった。」
    「なにそれ。」
    「それとこれ。」
    はい、とメリュジーヌが出したのは
    「………………。」
    立香に似たキャラが表紙に描かれている一冊の本だ。何がなんなのか思考が追いつかない。一先ず手に取り捲ろうとしたが
    「ああマスター、それを開くことはお勧めしないよ。」
    静止の声をかけたのはオベロン。右下と言われ確かめると―――18と書かれていた。ドン引きである。
    「……これ描いたの誰?持っていたのは?」
    「作家は分かりませんが持っていたのはそこでボロボロになっている…黒髭です。」
    2度目のドン引き。
    「この海賊が痛ましい姿になっている理由はわかったね?であそこで山となっている人達は、きみのどの礼装が1番素晴らしいのか談義していたんだ。聴いていて面白かったよ、うん。」
    顔は笑っているが怒っている。誰でもわかる程に。
    「だからね、面白い話を聴かせてくれたお礼にパーティーに招待をしたんだ。」

    時は遡って食堂の入口。酒盛り組で繰り広げられる礼装談義を耳にしたメリュジーヌとバーゲスト。直ぐさまあそこにいって咎めたい(物理・被害大)がそこには尊敬する円卓がいる。特に2人にとって特別な円卓の3人だ。どうしたものか……。
    その時、ひやりとした気配が2人を襲った。誰が発しているのか考えなくてもわかる。隣にいる奈落の虫。
    マスターとオベロンがとのような関係なのかは聞いている。その話をマスターから一緒に聞いた時バーゲストが目を輝かせていたことを私は未だに覚えている。恋愛話好きだもんな。と遠き彼方の記憶をメリュジーヌは懐かしんだ。
    「ねえ2人とも。もし時間があるのなら彼らを誘って一緒にパーティーをしないかい?」
    怒ってるね。
    「………そうだね、今回は一緒に準備をするよ!」
    「ええ、そうですね。」
    しかし2人も怒っていた。遺伝子レベルで互い嫌悪し、憎悪し、相容れない双方が協力する程に。
    「パーティーの場所はシミュレーター内でするとして、どのようにして彼らを誘うのです?」
    「まずは私が―――」

    「――という感じで」
    これから仕掛ける事に3人はウキウキだ。
    妖精とは元来悪戯好きである。
    「やあやあ面白い話をしているね」
    先ずは先行。酒盛り組に声をかけるオベロン。彼が登場したということに酒を飲む手が止まる。この人達もマスターと彼の関係を知っているのだ。
    「僕も混ぜてよ、マスターの礼装だよねぇ?」
    聞かれていた。ヤバい。と内心思いながらも顔を出さないように平静を保とうとする。
    が、しかし悲しきかな。妖精眼を持っているオベロンにそのようなことは無駄だ。
    「これからパーティーを開こうと思ってね、ちょうど準備が終わったところなんだ。是非とも君達を招待したい……いいよね?」
    酒盛り組達の脳内に危険信号が鳴る。これは逃げなければ死ぬ。しかし遅い。
    「さて、まずは招待状を送らないとね。これをどうぞ!」
    取り出したのは変な箱のようなものにミサイルのようなものがぎっしりとつまった爆弾。
    彼らに向けた爆弾はスパークを発し全員に見事命中。何事と食堂では悲鳴が上がったりその場から避難したり野次を飛ばしたりと様々だ。
    キッチンから誰かの怒号が聞こえたが知らない。
    爆弾を受けた彼らはまずこの場から逃げるため身体を動かそうとしたが……
    「ジャミューン大成功だね☆」
    身体が痺れて動かすことができない。
    オベロンは研究開発とは別に前世の世界にあった様々なものを再現し作っていた。この爆弾はその1つ。

    『ジャミューン。物凄いスパークを発して、稲妻によってショックダメージを与える。しばらく動けなくなるらしい。敵前体に雷ダメージを与え、一定の確率でスタンにする。威力1980。』

    全員が動けない状態になっているか見て確認をとっている時、オベロンの目に映ってしまった。とある人の思考が。
    「うっわー、すごいねそれ。」
    「一発で終わりましたわね。」
    と登場したのは麗しき妖精2人。
    「さてそれではこれから皆様方を会場へお連れ致します。」
    にこりと笑みをバーゲストは浮かべる。何事もない時であれば美しい笑みだ。しかし今は恐ろしい笑みである。
    「では。さあ僕のお友達!」
    オベロンの呼び声に応えたのはウェールズの森の妖精達。
    「彼らをパーティー会場へ!」
    「出なさいわたくしのブラックドック。」

    「……招待状(爆弾)」
    招待状ってそんな物騒なものだったっけ?
    「って何作っちゃってるの!しかも食堂でってダメじゃない!!」
    「うん、食堂のみんなには悪いことしちゃったね。僕早く彼らとパーティーをしたくて。ついやっちゃった☆」
    「やっちゃった…じゃないから!」
    無邪気な笑顔をする彼。私知ってるからね、その笑顔『やったー!』って時の顔ってこと。前世で実験、研究が成功した時よくやってたから覚えてる。
    きっとそのジャミューンが成功したのと彼らをとことんボロボロにすることができたから嬉しいんだろうなぁ。あぁ本当に変わらない。それと食堂にいた人達とキッチン組にどうお詫びをしたらいいか。
    立香は溜息をつき頭を抱えた。
    思えば最初と比べて魔術礼装は増えていった。けれどそれは色んな特異点が出現するようになって、現地にいってどんな状況でも対応できるように作っていったからで。あとカルデアに来てくれたサーヴァントが多くなっていって、戦闘のバリエーションが増えたから戦略面も考えて……だし。
    まあ確かに着ていて恥ずかしいって思うやつもあるけど!アトラス院とか!水着とかね!
    いやまさかどの魔術礼装(見た目)が好みかーの話をしていた、やっていたの男性。そこまではまだ、うん。けれど話していた人達が誰なのか分かってしまった。
    すっごい複雑なんですけど。
    話していて疑問がいくつかある。
    その1
    「3人と妖精達だけじゃこんな大人数ここまで運べないと思うんだけど」
    彼達だけじゃ無理がある、いや不可能。妖精達は小柄な子ばかりだし、捕まった人達は身長も体重もある。特に黒髭はそうだ。人数も多い。
    「それは私達が協力したからです」
    この声は。右も左も分からず不甲斐ないマスターだった時からそばにいてくれた私のファラオ。そして彼女の親愛なる語り部の友人。
    「ニトちゃん!シェヘラザードさん!」
    「ニトちゃんはおやめなさい。」
    「こんにちは。」
    バーゲストの後ろからひょっこりと出た2人。彼女大きいもんなぁ…。
    「私達も丁度その時食堂にいたのです。何やら我が同盟者の話が聞こえましてね。メジェド様と彼女の魔神たちで手伝いをしたのです。」
    それにこくんと肯定するシェヘラザード。
    「な、なる……ほど。」
    魔神はともかくメジェド様。あれかな?猫に恩返しされるアニメ映画で主人公が猫集団に連れていかれた時みたいな感じに運ばれたのかな?シュールだ。実にシュール。
    その2
    「黒髭が持っていたコレなんだけど。今日ずっと持ってたの?」
    コレ。私に似た女の子の絵が描かれているドン引きの同人本(しかも18)。
    「あっそれ!」
    「メリュジーヌ?」
    「それは私がこの男の部屋に行って持ってきたんだ。食堂出るときにそいつから頼まれてね、隠してる場所を教えて貰ったおかげで早く終わったよ。あと扉脆すぎ。簡単に入れちゃったよ。もっと頑丈にしたほうがいいんじゃない?」
    脆すぎ?もしかして剣使った?宝具やっちゃった?修理どうするの。
    更に増えた問題に悩ませている立香に抱きつく。それはもうぎゅうっと。
    「マスター褒めて褒めて!」
    あっはい。なでなでしますね。
    「えへへへ。」
    オベロンは妖精眼持ってるから分かったんだ。黒髭なんで本のこと思っちゃったのかなぁ。
    「他にもこの本みたいな変なやつがあったからそれも回収したよ。」
    黒髭死んだね。
    「こちらに連れてきてパーティという名の手合わせ(お仕置き)をしまして。相手にとって不足はなかった、いいえむしろいい訓練になりました。」
    「死んでしまうかと思いました……。」
    バーゲストはともかくシェヘラザートさん?えっと参加したんですか?
    「彼らに感謝しなくてはなりませんね。黒髭は妖精王が直々におもてなしをしまして―――」


    ドサリと男達が降ろされた。連れてこられたのはシミュレーター。どうやら草原に設定されているらしい。体にはまだ痺れが残っており動くのはきつく地面に倒れている状態だ。
    自分の上から黒い影が落ちてきた。誰だ。黒髭がゆっくりと顔を上げると白い旅装を身に纏った男性。美しい笑みを浮かべる彼は妖精王。
    「いきなり連れてきてごめんね。」
    はい、嘘100%!
    「あ、僕彼をおもてなししたいから他の客人はお願いしてもいい?」
    後ろの方から了解の声。あーあ、拙者女の子の方がよかった。
    のんきな事を思っている時、オベロンは懐から何かを取り出した。それは某有名ゲームに出てくる回復のアイテムに似ていた。
    「ん?それはなんですかな?」
    「これはボーション」
    「"ポ"ーションではなく?」
    「"ボ"ーション」
    ヤバい。あれはヤバい。拙者のセンサーが反応している。逃げないと―――死ぬ!!

    『ボーション。見た目はポーションだが中身は超強力な液体燃料という危険な爆弾。こういうの紛らわしいからやめて。敵単体にダメージを与える。威力9999』

    体の痺れが抜け始めてきた!
    黒髭は急いで体を動かしこの場から離れるため全力で走った。遠くへ遠くへ。彼が投げた爆弾を回避することに見事成功した。――後ろから聞こえる大きな爆発音、体を襲う少しの風圧、感じる土煙。薫りで分かる黒煙。恐る恐る後ろに振り向くと大きなクレーターが出来上がっていた。
    「ヒェ!」
    「あぁ、君のために用意した贈り物なのに受け取ってくれないなんて傷つくなぁ。」
    はい嘘100%!個人に用意してないよね、絶対常備してたものだよね!
    「あぁけれど―――まだあるからさ!」
    「ギャー!!」
    爆弾を片手に受け取ってーといい笑顔で追いかける妖精王。これにNo thank you と逃げる海賊。これこそ黒髭危機一髪。
    結果体力が尽き爆弾から逃げられず黒髭は黒焦げになり、そして……美しい草原はボロボロ、黒煙が上がり20ものクレーターが出来上がっていた。
    他の男性達はバーゲストとニトクリス、シェヘラザート、あとから合流したメリュジーヌにおもてなしされたのである。それはもう丁重に。

    なぜこのような惨状になったのか。ニトクリスから話を聞き、流石に男達に憐れみの目を向けた。
    山のように積み重なれた男達はギリギリ生きているだろう。
    しかし黒髭はどう見ても……。すぐに医神と看護婦(狂)がいる医務室へ運ばないといけないほどの傷を負っている。
    「うわーさすがカルデアのみんなのマスター。きみは本当に優しいね。…大丈夫、すぐによくなるよ。これでね!」
    どこから取り出したのかオベロンが持っていたものは――

    「なにそれ」

    水色の炭酸ジュースが入ったグラスの上にトッピングされたアイスクリームとさくらんぼ。そしてグラスに引っかけられた甘辛く味付けされた焼肉が一枚。
    なにそれ。
    「焼肉ソーダ。」
    「やきにくそーだ。」

    『焼肉ソーダ。意外に味はイケる。味方単体の戦闘不能を回復する。回復量最大HPの100%』

    え、肉を冒涜してるの?それ美味しいの?
    立香以外の皆も、いやそれで本当に回復するのか。とあまりのインパクトに何も言えない。
    彼は気にせず黒髭の側に座り口を片手で器用に開け
    「はい、どうぞ召し上がれ。」
    無慈悲にそのアイテムを黒髭の口にねじ込んだ。それはもう勢いよく。

    くっ黒髭――――!!


    その後黒髭は焼肉ソーダの効果により無事蘇生された。誰かから伝わったのだろう医神と看護婦(狂)が駆けつけ、蘇生したての黒髭とボロボロになった男達はこれもまた丁重に治療された。


    この騒ぎを聞いた大切な人を一途に愛しているとある軍師と竜殺し、覇王は妖精王の気持ちに完全同意をしていたという。
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